「えっ、そんな理由で?」喧嘩別れした40代女性に訪れた復縁のチャンス
半年前に喧嘩別れした年上の恋人。「もう連絡はないだろうな」と諦めていたアラフォー女性でしたが、ある日彼からメールが届きます。
そこには自分の非を詫びる言葉が並んでいました。
嬉しくてすぐに連絡してしまった女性でしたが、話していると彼の気持ちについて思いがけないことがわかりました。
繊細な男心と、勝ち気な女心のすれ違い。
寂しさを抱え込んでしまう不器用な気持ちについて、恋愛相談家の視線からお話します。
「君は俺じゃなくてもいいだろう」
仕事の関係で知り合い、いつしか惹かれ合っていた二人は、自然とお付き合いまで進みました。
勝ち気で男勝りな性格をしたアラフォーの彼女と、少し引っ込み思案であまり自分の意見を通すことはしない、同じくアラフォーの男性。
デートでもいつもリードするのは彼女の方でしたが、彼はそんな彼女のことを「しっかりしている」「信頼している」と周りに話していました。
半年が過ぎ、交際は順調に進んでいるように思えましたが、段々彼の方に元気のない様子が見られるようになりました。
何か悩みを抱えているような彼でしたが、彼女は理由を話してもらえず、二人の間では喧嘩が増えていきます。
「もうダメかもしれない」と相談されたときには、「会っていても黙り込むばかりで全然会話が盛り上がらない。私もイライラしてついきつい言葉をぶつけてしまう」と彼女は疲れた様子でした。
悩みがあるとき、誰かに話すのではなく一人で解決策を探そうとする男性は多く、いわば「殻にこもる」状態になるのはよくあることです。
「しばらく距離を置いて彼が落ち着くのを待ってみれば?」と話した矢先、ついに大きな衝突を起こしてしまい、二人は喧嘩別れの状態になってしまいます。
そのとき、彼が吐いたセリフが
「君は俺じゃなくてもいいだろう」
というものでした。
「自分だけを見て欲しい」
彼女は仕事の関係で人と会う機会が多く、知り合った男性の話などを包み隠さず彼に話していました。もちろん後ろめたいことなどありません。
また、彼女が続けているスポーツサークルでの集まりなどにも積極的に参加していて、そこでも多くの人と交流を持っていました。
一方、技術職でパソコンと向かい合う仕事の日々を送っていた彼の方は、あまり社交的な性格ではないので彼女に誘われても集まりに参加することは少なく、彼女はそこが少し不満でもありました。
決して彼よりほかの人を優先するようなことはありませんでしたが、彼女が「今日は○○とランチに行ってきたよ」と言えば「ふーん。良かったね」と気のない返事をする彼の様子に、「私に興味をなくしたんじゃないか」と彼女は不安を覚えます。
ですが、元々負けず嫌いな性格だった彼女は、そんな彼に対抗するようにさらにほかの人と出かけるようになります。
本当は怖くて寂しくて、その悲しみを埋めるように彼以外の人間と過ごす彼女でしたが、それを知った彼の方はますます意固地になり、約束が減り、会う時間がなくなっていきました。
彼女の方は、彼の自分に対する気持ちがわからない不安から逃げているような状態です。
何とか会うことになっても、少しでも他人の話が出れば不機嫌になる彼。その様子に煽られてさらにほかの人と過ごすことを強調する彼女。
ついに「君は俺じゃなくてもいいだろう」と怒った彼に言われ、彼女は思わず「あなたと付き合うのは荷が重い」と答えてしまいます。
そして最悪の別れを迎えました。
「ねぇ、それって、『俺だけを見て』ってことじゃないの?」と彼女に尋ねたとき、彼女は悔しそうに「だったらそう言ってくれないとわからない」と言っていました。
「逆の立場ならどう思う?」「何が?」「彼氏が自分以外の人と遊びに行ってばかりだったら」「・・・嫌だけど」「それだよ」
自分と違い、多くの人と交流を楽しむ彼女。彼は、本当は寂しくて、でもそれを口にすることはできなくて、「自分よりほかの人と過ごす方がいいのだろうか」という悩みを抱えていたのです。
「俺だけを見て欲しい」なんて、よほど自分に自信のある男性でないと、彼女に向かって言えません。そんな思いは女々しいものだ、男らしくない、と我慢してしまうので、一緒に過ごしていてもどんどん寂しさばかりが募っていきます。
彼の気持ちに対する不安から逃げていた彼女と、彼女に対する寂しさばかり溜め込んでいた彼。
喧嘩別れは、お互いが向き合えなかったことが原因でした。
「自分を責められているようだった」
ですが、半年ほど経ったころに彼の方から一通のメールが彼女の元に届きます。
そこには、
「あのときはひどいことを言ってごめん。ほかの人と出かけていく君に、いつも自分が責められているような気持ちを感じていました。ちゃんと謝りたいので、会ってもらえませんか?」
という言葉が並んでいました。
「責めてなんかいないのに!」と思った彼女はすぐに電話をかけます。
喧嘩別れしたあとでも、「いつかまた話せるかも」と思っていた彼女は、メールのアドレスも変えず連絡先も消さずにいました。
すぐに彼は出てくれて話せたそうですが、そこで初めて、彼女は彼が自分に対して寂しいと思っていたことを実感します。
「嫌なら言ってくれればいいのに」
と言ったそうですが、彼は
「君が選んだことだから口出しできないと思った」
と答えます。
「不満があるなら言ってくれるだろう」と思うのは彼女の都合で、「彼女が決めたことなら我慢するしかない」と考えるのが彼の気持ち。
こんなすれ違いは、お互いが口にして初めて理解しあえることなのかもしれません。
二人がともに「自分の気持ちを察して欲しい」と思っていても、それでは一方通行です。ときにはあえて伝える必要があります。
「責められているような気がした」という彼の言葉は、彼女にとって本当に思いがけないものでした。
どんなに「そんなつもりはないよ」と話しても、「自分より他人と過ごすことを選ぶ彼女」の振る舞いは、彼にとって「自分には魅力がない」と言われているようなもの。
ですが、彼の方だって、どうして彼女がそんな「選択」をしてしまうのかを考える余裕があれば、自分の気持ちに不安があるのかもと気がついたかもしれません。
もし、お互いが抱える寂しさをきちんとぶつけることが出来ていれば、喧嘩別れなどせずに済んだかもしれませんね。
現在、二人はよりを戻してお付き合いを続けています。
彼女は、繊細な男心について考えるようになりました。意地を張ってほかの人に逃げるような振る舞いは、何より二人の絆を壊します。彼にもまた、「思うことがあれば伝えて欲しい」と繰り返し口にしているそうです。
ひとときの別れは、彼女に本当の意味での「復縁」を教えてくれるチャンスになりました。
心と心が向き合うこと。
シンプルだけど、不要なすれ違いを避けるために大切なことですね。
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