「未産女性」と「LGBT」が苦悩する押しつけの価値観

 

「子どもを出産できるのは女性だけである」

「女性は出産できる年齢にタイムリミットがある」

 

この2つが女たちを苦悩させる。

女性は「産んだ女」と「産んでいない女」の二通りに分かれる。

また年齢的な問題から「まだ産める女」と「もう産めない女」に線引きされる。

 

実際には見えないラインだけど、「あっち側」と「こっち側」では、生き方が変わってくる。それだけ女性の人生にとって、子どもの有無の差は大きい。それゆえ、今まで子どもを持たない“おこなしさま”について、あれこれ語ってきたが、それは女性の立場から発する声である。

 

“おこなしさま”は女性限定ではない

子どもがいない“おこなしさま”に属するのは、女性に限定しているわけではない。男性でも生涯子どもを持たなければ“おこなしさま”である。ただ、男性は出産できないし、一般的には生殖可能な年齢が女性より長い。子どもを持つことへの社会的圧力は、女性の方が重いのではないだろうか。

 

女性とはまた違う立場で、さまざまな苦悩を抱えているのが「LGBT」(性的マイノリティー)の人たちだ。電通ダイバーシティ・ラボが行った「LGBT調査2015」によると、LGBT層に該当する人は7.6%で、およそ13人に1人の割合になるという。

 

近年、LGBTの認知・理解は深まりつつあるが、まだまだ窮屈な想いを抱えている層といえるだろう。日本では「同性パートナーシップ制度」を導入する自治体が少しずつ増えているが、彼らが結婚や子どもを持つことへのハードルはまだ高い。

 

LGBT は“おこなしさま率”が高い

別の見方をすれば、LGBTの方は生涯子どもを持たない“おこなしさま率”が高いといえる。「子ども持ち、親になる道」から外れたもの同士のせいか、共感できる部分は多々ある。

 

周囲にいるマスコミ関係者の知り合いは、いわゆるオネエの友人を持つ“おこなしさま”女性が多い。オネエは女性特有のマウンティングもなく、異性でありながら恋愛対象にならないので、変な気遣いをしなくてすむ。

 

彼らは話し上手であり、聞き上手であることが多いので、女友達にはこぼせない弱音や愚痴を素直に言えてしまう。同性の友人に指摘されると傷つくことも、オネエからだと助言として受け入れることができたりする。

 

なにより女友達は、小さい子どもがいると気軽に誘えないけど、生涯未婚で子どもを持たないオネエには声をかけやすい。

 

2016年に公開された「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」のなかでも、43歳で独身のブリジットが自分の誕生日に女友達を誘うも「子どもがいて出られない」と断られ続け、結局付き合ってくれたのはゲイの友人だったというシーンがある。

 

子どもがいない“おこなしさま”にとって、オネエは同志のような存在であり、良き理解者ともいえそうだ。

 

固定観念に縛られた世の中

「結婚して子どもを産むことが女の幸せ」

「LGBTは結婚して子どもを持つことはできない」

このような固定観念が取り払われれば、誰もが生きやすい世の中になる。

 

日本でも徐々に、多様性を受け入れる社会を目指す動きが出てきた。同性カップルで結婚式ができる式場が増え、いまではLGBT専門のウエディングプロデュース会社まで登場している。

 

世界では、子どもを持つ同性カップルも目立ってきた。日本では2017年4月に全国で初めて、大阪で同性カップルが養育里親に認定されるなど、少しずつ前進している。

自分らしいライフスタイルを追求しよう

なにより自分自身、幼い頃から女性は結婚して子どもを産み・育てるものだと思い込んでいた。「結婚して子どもを持つ」ことは、数ある幸せの中の1つにしかすぎないのに、それができなかったことで小さな劣等感を抱いてしまう。

 

長年かけて刷り込まれた呪いのような固定観念が、社会や自分のなかで根をはっていたのだ。女だから、男だから、LGBTだからと、世間から押しつけられた「幸せの価値観」で誰もが幸福でいられるのだろうか?

 

幸せになりたくない人間なんて、いない。結婚していなくても、子どもがいなくても、LGBTであっても、自分が置かれた状況のなかで最良の形を築いていけばいい。私たち一人一人が固定観念から解放され、オリジナルのライフスタイルを追及してこそ、多様性が広がっていくのだから。

 

 

「未産女性」と「LGBT」が苦悩する押しつけの価値観 【おこなしさまという生き方 Vol.49】

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