いったい何歳からがおばさんなの?「実感年齢」驚きの結果は…!

あなたは実年齢とは異なる、自分が感じる自分の年齢、いわば、「実感年齢」は、何歳でしょうか?

同じ40歳の人でも、「自分の中ではまだ30歳くらいの意識よ」と思っている人もいるかもしれないですし、「もう心身ともに疲れ果てて心は55歳…」とう人もいるのでは?

自分がいくつくらいな感覚で生きているのか、この「実感年齢」についてサントリーウエルネスが全国の約1万人に調査を実施したところ、「実感年齢」が実年齢より若い人のほうが、人生の“幸福度”が高いことが判明したそう。

そりゃあ、幸福度が高い人生を送りたいですよね! 調査結果からハッピーに生きるヒントを紐解くとともに、調査を監修した「実感年齢」に詳しい京都橘大学健康科学部教授 兒玉隆之先生に若々しくあるためのコツを伺います。

 

「実感年齢」っていったい何?

「実感年齢」とは、「実年齢」とは異なり、自分自身で感じる自分の年齢のこと。

カラダ+ココロの相互関係から感じられる、本人が主観的に感じる年齢の基準で、同じ実年齢の人でも人によって「実感年齢」は異なります。

 

これは、画一的な指標である「実年齢」とは別に、個人の主観性を重視した新しい年齢基準。人生100年時代、何歳になっても個性が尊重され、多様なライフスタイルを実現するために、実際の年齢という「画一的」な基準だけでなく、個人によって異なる「主観性」を重視した基準があってもよいのでは?という視点から、「実感年齢」という指標が提唱されはじめています。

 

一体、何歳から“おばさん”なのか!? 日本人の「年齢意識」

本調査は、2021年12月に、全国の20歳~79歳の男女 10,894名に対して実施されました。まずは、日本人の年齢に対する意識調査の結果から。

日本人は特に、加齢に対してネガティブに捉えがちな傾向があるかもしれませんね。何気なく、「いい歳をして恥ずかしい」とか、「もう歳なのに…」なんて言葉を発しているかもしれません。ネガティブまではいかずとも、年齢によってアイデンティティを括る文化は根強いのではないでしょうか?

何歳以上からが「おじさん」「おばさん」かを尋ねたところ、平均は49.0歳に。

「シニア」は平均61.6歳、「おじいさん・おばあさん」は平均69.0歳、「お年寄り」は平均73.1歳となりました。

 

 

49歳からが「おばさん」。なるほど…。48歳まではまだまだ「お姉さん」でいけるってことでしょうか!?

 

40代は「年齢にまつわるネガティブな先入観」が最も多い、過渡期…

“年齢にまつわるネガティブな先入観”において、『歳を取るほど頭が固くなる』、『シニアと呼ばれることは嫌』、『応募するときに年齢制限を理由に諦めた』などと最も多く回答したのが40歳代でした。仕事や家庭に頑張っている世代が、自身の若い時との違いを強く実感していることを現しています。心身において『やれなくなってきたこと』と『まだまだやれる』ことを意識し始める過渡期なのかもしれません。アラフォーを迎えた今こそ、心がけて“まだまだやれる”とポジティブに考えたいですね!

 

ジェネレーションギャップのある年齢イメージ

「年齢に対するイメージ」は、世代によっても異なるようです。

例えば、服装(ファッション)のイメージについて。

「60歳以上の世代は地味な服を着ることが似合うと思う」と回答しているのは年代が下がるほど多い一方、「年齢を意識せず、自分が好きな服を着たい」と感じるのは、年代が上がるほど多くなりました。

世の中の年代が高い人たちは、若者が思っている以上に、おしゃれな服など、自分が好きな服が着たいと思っているようですね。

 

全国で「実感年齢」の差が最も多い都道府県は?

日本全国のうち、実年齢と「実感年齢」の差が最も大きかった都道府県は、「和歌山県」で、-3.51歳でした。

和歌山県民の「実感年齢」が、全国平均よりも高かった項目には、「年齢を意識せず、自分が好きな服を着たい」「カラダだけでなくココロの健康も大切と思う」「睡眠時間は十分とっている」などがありました。

和歌山県民は、自分の好きな服を着たいと思ったり、ココロの健康を重視したりするなど、メンタリティに特徴があるようだと分析されています。

 

ちなみに2位は「高知県」で-2.81歳、3位が「大阪府」で-2.80歳。気になる「東京都」は18位で-2.02歳という結果でした。

 

「実感年齢」が若い人は“幸福度”が高かった!

興味深いことに、回答結果を分析したところ、「実感年齢」が若い人は、単に健康や容姿への満足ではなく、生活全般で感じている「幸福度」が高い結果となったそうです。

 

「実感年齢」が若いグループの幸福度は63.3%である一方、「実感年齢」が高いグループの幸福度は40.0%でした。その他、健康、容姿、仕事、人間関係、趣味いずれも「実感年齢」が若いグループのほうが満足度の高い結果に!

 

「実感年齢」が若い人たちのライフスタイルの傾向

 

それならば実感年齢を若々しくしておきたい! そこで実感年齢が若い人たちのライフスタイルを調査すると、こんな傾向が…


  • 食生活

食生活については、「実感年齢」の若い人ほど栄養バランスを意識している・野菜を意識して食べる傾向が。

 

  • 睡眠・休息

睡眠・休息については、健康習慣を楽しんでおり、積極的に外出し、ストレス解消や趣味を大切に行っているよう。

 

  • 運動

運動については、階段を使ったり、仲間と運動をしたり、多く歩いたりとアクティブな傾向が。

 

  • パーソナリティ

パーソナリティについては、人生の目標がある、思い切りがよいなど、あらゆるポジティブな要素が多い傾向があります。

逆に「実感年齢」が高いグループは、インドア派が多い傾向がありました。

  • 人との交流

人との交流については、パーティー好き、リーダーをよく任されるといったように、コミュニティの中心に身を置いている人が多いようです。

 

  • 美容・ファッション

美容・ファッションについては、「周りから若々しさを褒められる」「鏡をよくチェックする」など、人との関わりの中で自然と自身の容姿への関心が高まっていくような好循環があるようでした。

 

「実感年齢」を若くするためにできること

 「実感年齢」が若い人には下記の3つのような心がけがオススメなんだとか!

 

ヒント1「何事にも楽しむ工夫を取り入れてみる」

健康を意識して「我慢」ばかりしていませんか? 「実感年齢」が若い人は、健康意識が高い一方で「好きな食べ物を我慢しない」「ビールが好き」といった意外な傾向も。

「健康習慣を苦としない」ために、カラダ・ココロの両面のバランスがとれた“心地よい習慣”を見つけることが大切なのかもしれませんね。

 

ヒント2「まずは小さな目標からコツコツと自信に変えてみる!」

「実感年齢」が若い人の生活には、目標を立てる⇒達成して自信がつく⇒また次の挑戦がしたくなる…といった好循環が存在しているようです。とはいえ、いきなり大きな目標を立てても達成は難しく、むしろ落ち込んでしまうことも。先ずは小さな目標を設定することから始めてみましょう。

 

ヒント3「少しお洒落したくなるような外出の予定を増やしてみる!」

誰しも、人に会わない日は自分の外見に気を使わなくなるものです。一方で「実感年齢」が若い人は、コミュニティの中に積極的に身を置き、その中で自分を見つめる機会を多く持っているようです。外の世界と接し続けることで、自分をアップデートする様々な刺激を受け取る。そんな姿勢が大切なのかもしれません。

 

コロナ禍における心身の変化

最後に、コロナ禍における心身の変化についてもみてみましょう。

コロナ禍で感じた変化のうち、カラダの衰えについては体力の低下、筋力の減少、外出の機会が減ったなどが上位に。ココロの衰えを感じた人は、何が変化したのでしょうか? 上位になったのは、友人との交流の減少、外出の機会の減少、やる気・行動意欲の減少等でした。

とくにコロナ禍で老けた実感がある人とない人で差が大きかったのが、「体力の低下」2.5倍や、「筋力の減少」2.4倍でした。また、「自分に自信が持てなくなった」は5.3倍、「仕事へのモチベーションが低下した」は3.0倍、「服装に気を遣わなくなった」は2.2倍となりました。

 

この結果から、身体機能の変化だけでなく“自己肯定感を失う”といった気持ちの変化も“老けた実感”のトリガーになりうるのかもしれないと分析されています。

 

実感年齢を若く保つ秘訣は…ココロとカラダを共に充実させること

「今回の調査を通じて、『実感年齢』を若く回答した人は、生活満足度の高さと関連性をもつという結果が浮き彫りに。特に『実感年齢』が若い人において、好奇心、積極的な外出や人との交流といった、やりたいことを楽しむことのできる心のあり方がポイントとなっている点は興味深いです。ココロとカラダが共に充実していることが、生活満足度を高め、『実感年齢』を若く保つことにつながるのではないでしょうか」

自己効力感は「積極的な成功体験」で培って

 「『コロナ渦における心身の変化』として、“外出や友人との交流減少”が、約40%の人にからだの衰えのみならず心の衰えをも生じさせてしまっている結果に。

特に“自分に自信が持てなくなった”に対する回答では、老けたという実感のある人とない人では約5倍の差に。

この自信、というのは“自己効力感”とも言い換えられ、自己効力感が低下・欠如した状態では,幸福感は低く、運動や行動を避けるようになります。

 

心理学者のアルバート・バンデューラは、自己効力感に影響する重要な要因の一つに『積極的な経験による成功体験』を挙げています。設定された目標に対して努力を重ね達成された時、自己効力感は高まることを意味しています。

 

実感年齢が若い人は、目標(自身にとって必要なこと)にコツコツと取り組むことのできる人なのかもしれません。例えば、運動や食生活(栄養)などは、目標としての“無理のない毎日の積み重ね”の代表的なものでしょう。

 

人生100年時代において、実年齢に縛られずに実感年齢を若く保つことは、自分自身をきちんと理解できる力そのものであり、イキイキした毎日につながるのではないかと思います」

 

自分の「実感年齢」が実年齢よりも若かった人も高かった人も、さらに幸福度を上げるために、自分の行動や身体、内面を見直してみてはいかがでしょう。

 

 

お話しを伺ったのは…

京都橘大学健康科学部教授 兒玉隆之先生

1992年国立療養所福岡東病院附属リハビリテーション学院卒業後、理学療法士として脳神経障害患者のリハビリテーションに従事しながら、久留米大学大学院医学研究科を修了(博士(医学))。現在は、京都橘大学健康科学部教授および久留米大学高次脳疾患研究所研究員を務める。専門である神経生理学およびリハビリテーション科学領域の立場から、脳波解析を主なツールとし人の「脳内機能ネットワーク」や「こころとからだの健康」の解明に取り組んでいる。近年は、応用脳科学の視点から脳波による情動可視化の研究にも取り組んでおり、自動車や化粧品会社などとの企業共同研究も行っている。日本ヘルスプロモーション理学療法学会理事・評議員。著書・共著に『神経・生理心理学』、『Neurological Physical Therapy』などがある。

 

 

調査出典:サントリーウエルネス「日本全国実感年齢白書2022」

画像:よぴんこ(yopinco)

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