子なしの遺産は誰に?! 大損、大揉めする遺産相続の特徴<既婚・子なし編>|おこなしさまという生き方(7)
結婚、出産をしていないと、女として幸せではないという人がいるけど、はたして本当にそうなのでしょうか。
「少なくても今の時点では、子どもがいない“おこなしさま”人生も、そんなに悪いものではないと感じている」
という、くどうみやこさん。自分の幸せは、自分で決める「おこなしさまという生き方」リバイバル配信です。
自分の相続の話なんて、ずっと先。老後に考えればいいことだと思っていました。ところが、子どもがいない人は早めに考えておかないと厄介なことになると気づき、遺言書を書く決意をしました。
高価な宝石や絵画は持っていないし、残すほどの財産もない。だから相続や遺産といっても、自分にはあまり関係ないと思われがちですが、相続にまつわる揉め事は遺産の金額とは比例しません。財産が多い、少ないに関わらず、相続に関する知識をもっていないと、後で面倒なことになりかねません。
子どもがいる人であれば、相続に関するトラブルは比較的少ないでしょう。なぜなら、自分の子どもに遺産を相続させたくない親はあまりいないからです。一方、子どもがいない“おこなしさま”の相続は、トラブルに発展するケースが目立ちます。知らなかったことが後悔に繋がらないように、“おこなしさま”が幸せになるための相続を一度真剣に考えてほしいのです。はじめに既婚者向け、次回に独身者の相続問題を取り上げます。
おこなしさまの財産は配偶者に渡らないかも?
「いま急に旦那さんが死んだら、遺産は誰にいくと思う?」
友人の“おこなしさま夫婦”の何人かに質問をしてみたところ、全員が「私でしょ」と答えました。正解ですが、半分不正解でもあります。というのも、夫の全財産を自分が相続できるわけではないからです。子どものいない夫婦の場合、どちらか一方が亡くなると、配偶者以外にも相続権が発生するのです。
「えっ、夫の遺産は全部自分がもらえるのかと思っていた・・・」
妻なのだから当然と思い込んでいる人が多いのですが、そこに大きな落とし穴があります。子どもがいる場合は、法定相続人は配偶者と子どもだけなので単純。対して、“おこなしさま夫婦”の相続は複雑で、誰が法定相続人になるかは家族構成で変わってきます。そのことを知らなかったばかりに配偶者亡き後、深刻な相続紛争に発展してしまうことがあるのです。
民法では、財産を引き継ぐ権利がある「法定相続人」と、その優先順位、各相続人が相続する割合の「法定相続分」を定めています。まず“おこなしさま夫婦”の5つの相続パターンについて、みておきましょう。
【既婚・子なしの相続パターン】
- 配偶者の親が健在
配偶者が3分の2、親が3分の1
- 配偶者の親が死亡、兄弟姉妹がいる
配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1
- 配偶者の親・兄弟姉妹が死亡、甥・姪がいる
配偶者が4分の3、甥・姪が4分の1
- 親・兄弟姉妹が死亡、甥・姪もいない
配偶者が全てを相続
- 以前の配偶者との間に子どもがいる
配偶者が2分の1、子どもが2分の1
配偶者は常に相続人となります。配偶者以外では、第1順位が子、孫(子どもが亡くなっている場合)、第2順位が父母、祖父母(母父両方が亡くなっている場合)、第3順位が兄弟姉妹です。“おこなしさま”は子どもがいないので、第1順位を飛ばして第2順位からになります。ただし、夫が前妻との間に子どもがいる場合には、その子どもは相続人となります。第3順位は兄弟姉妹ですが、兄弟姉妹が亡くなっていると、その子どもである甥・姪が代襲相続人になります。
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『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』 著者:くどうみやこ
(主婦の友社 編/1,300円+税)
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