がんが「治る人」に共通するたった一つのこと、それはとってもシンプル【医師の本音】#6
「子宮頸がんかもしれません」、ある日突然そう言われたらどうしますか?
あるいは、乳がん、子宮体がん、卵巣がんなど女性特有のがん。
「がんのセカンドオピニオン」を中心に診察する医師・新見正則先生に「どうすべきか」心構えを教えてもらいました。
「女性特有のがん」と40代【医師に聞く】
がんは「治るから大丈夫」という気持ちを持つことがいちばん大切
アキ「治療を始める前に進行してひどくなってしまうのではないかと不安です。どう解消すればいいのでしょう?」
新見「アメリカではヨガがいいと言われていますね。日本ではヨガなんてエビデンスがないとばっさり切り捨てる傾向にありますが、ぼくは些細な事の積み上げが大切だと思っています」
アキ「どんなことを積み上げたらいいんでしょうか? 不安がすごいので、できるだけ効くことをやりたいです」
新見「エビデンスの有無より、まず治るから大丈夫という希望を持つこと、そしてよく寝ること。エビデンスがないことを否定しなくてもいいんです。ぼくが2013年にイグノーベル医学賞受賞をハーバード大学で頂いた研究は、『オペラ椿姫を聴くと免疫制御細胞が誘導される』というものです。音楽だって免疫に影響を与えるのです」
アキ「なるほど、これはダメ、あれは効かないって迷う必要はないんですね」
新見「しかも日本の医療は、国民皆保険でフリーアクセス、素晴らしいシステムです。そこは疑わなくていいです」
アキ「つまり、勝手に不安を膨らませず、毎日をできる限りヘルシーに過ごすのがいちばんの薬ということですね」
やっていいことは「お金のかからないこと」か「高いけどエビデンスのあること」
新見「そういうことです。人は自分が信じるものには希望を持つことができます。一生懸命な人って、希望が続くから治るんです。他人の言葉にくよくよする人ががんになりやすい。やっていいのは安くてお金のかからないこと。ぼくは50歳過ぎてからトライアスロンを始めましたが、ランニングは本当にどこでも無料でできて最高です」
アキ「うーん。重要性はわかるのですが、運動は習慣化が本当に難しくて……」
新見「無理してやらなくていいですよ、無理をしないこともとても大切です。お金のかからないことであればエビデンスなんで気にせず、どんどんやればいい。でもお金のかかるものには必ずエビデンスを求めてください。ダメなのは、エビデンスがないのに高額なもの。がんの周辺には不安につけこんでこうしたものがたくさん押し寄せてきます」
アキ「なんでも試すのではなく、見分ける必要があるのですね」
新見「ぼくがフアイアを啓蒙しているのは、これも安くはないのですが確実なエビデンスがあり、2年生存率で10%以上の治療効果、抗がん剤と同等の奏功という確かな数字があるからです。これに限らずどんなものでも、迷ったらぼくのようなセカンドオピニオン医のところに相談にきてください。正しい医学的判断をわかりやすい言葉で説明してあげます。どうか不安にならないでください」
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お話/新見正則医院 院長 新見正則先生
1985年 慶應義塾大学医学部卒業。98年 英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。2013年イグノーベル医学賞受賞。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在はがん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。セカンドオピニオンのパイオニアとして次の仕事は「第三者がオンラインで参加する開かれた診察室」を広めたいと思っている。また漢方の勉強中に出会った世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙をライフワークにしている。
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