「遺伝子検査」を試してわかった意外な事実…この先の難病や高血圧のリスクまで判明!?

近年、何かと話題の遺伝子検査。

ドラマの中でも親子関係の一致・不一致を調べるために唾液をとって検査したりしますよね、あの原理のやつです。

この遺伝子検査、実はすでに気軽にできて、健康管理に役立てられるんですよ! ご存知でしたか?

 

ヘルスケアマニアの筆者はアラフォーですが、なんだか最近、前にも増して身体にもガタが来てるような…。

腰痛や四十肩、原因不明の疲労感…そして若かりし頃から永遠のテーマのぽってりお腹にもますます貫禄が…。年齢なのか体質なのか…自分を見つめ直したいお年頃…。

そんなある日、イギリスのヘルステック会社「アトラスバイオメッド」さんの広報さんから、遺伝子検査をおすすめされて、二つ返事でトライ!

アトラスバイオメッドさんの検査には、遺伝子検査以外にも、これまた一度はやってみたかった腸内フローラ検査もあるということ。

自分の体質を把握してヘルスケア戦略を立てるなんて、先進的ではないですかっ!

ということで、2回にわたり、筆者が実際に体験した「アトラス遺伝子検査」と「アトラス腸内フローラ検査」でどんなことがわかるのかをレポートしますよー!

第1回目は遺伝子検査のレポートです。

 

実際の検査キットがこれ。検査一式は税込み29,800円。

 

(唾液を入れた容器…汚くてごめんなさい!)

「アトラス遺伝子検査」のウェブサイトからEコマースの原理で検査キットを購入すると3~4日程度で指定した宛先に検査キットが郵送されてきます。遺伝子検査では、キットに同梱されているプラスチック容器に自分の唾液を入れて送ります。返送先の記入されたパッケージなどすべてセットでくるので便利です。

唾液サンプルはアトラスバイオメッドさんのラボへ送られ、遺伝⼦データの解析が完了するとキットを購入したサイト上に結果が表示されます。解析・結果表示にはおよそ4~8週間程度かかります。

検体を送付したところでアトラスバイオメッドのサイトから、キットに記載されたシリアル番号を使って自分のアカウント作ります。自分のアカウントページに遺伝子検査の結果と、それに基づいた健康増進アドバイスが個人の結果ページに表示されます。

ご先祖様が進化・移動の過程の中のどのグループに属するのかや、将来の疾病リスク、先祖からの食習慣などもわかるのです!

 

私の祖先は48,000年前に東アジアで出現したグループらしい

遺伝子の組み合わせにより判定される祖先のルーツは「ハプログループ」と呼ばれ、遺伝子検査で自分がどのグループなのかがわかります。

筆者は「ハプログループ D4a2」というグループで、ハプログループ D は大まかに、約 48,000 年前に東アジアでハプログループ M というグループから分岐し、今日の中央アジア・北東アジアに広く分布していたグループだそう。北米の先住民個体群の一部にも見られるそうですよ。

筆者は日本(東京)生まれで、親世代の数代上は北海道エリア・関東エリア出身なので、ここはひとまず順当にそのエリアのマスなグループに属しているかんじですね!

地図画像出典:Creative Commons Attribution-Share Alike 4.0 International 

遺伝子検査の結果、いろいろな身体的特徴の傾向が判定されていました。見た目や体質は、どうしたって遺伝なのね!

「身長は平均的」(158cm、厚労省によると40代の日本女性の平均身長は158.1cmらしいので、確かに、まさに平均)、「多毛ではない」、「眉は薄い」(確かに!)、「くせ毛」(毛穴がまん丸でなくインゲン豆型だとくせ毛になるとのこと…確かに!昔、マイクロスコープで地肌をみたら毛穴横に伸びてた!)、「二重まぶた」(確かに)、「そばかす あり」(若干あり、かな?)、「月経時の発熱なし」(たしかに)、「月経困難症 なし」(たしかに)、「ケロイド(に、なりにくい)」(確かに)。

確かに! ぜんぶ合ってます!

 

運動嫌いも遺伝だった!?

そして、「余暇の運動習慣・なし」という「わー、やっぱり!」な結果も。

ミドルに突入して代謝が悪くなる一方…なるべくエクササイズをしようと心がけるも、なんだか気乗りがしない日々…。

 

これもやっぱり、遺伝だったのね!!

もしかして、祖先の時代から運動習慣がないってことは、生き残りに運動は不要みたいなこと!?

運動しなくてもいいの!?

そう期待してアトラスバイオメッドさんに伺ったところ…

 

「あなたと同じ遺伝子型を持つ人は、人口平均に比べて運動不足になりがちということです。遺伝は全体像の一部に過ぎず、他の非遺伝的要因-習慣、伝統、趣味などもこの特性に影響を及ぼします。

多くの病気のリスクを減らすためには、平均的なレベルの身体活動をすることが推奨されます。活動量が少ない場合は、活動量を増やすことをおすすめしています。

ただ、遺伝的に余暇にスポーツをする習慣がない人は、ちょっと難しいかもしれませんね…。」

(アトラスバイオメッド R&D部門長 ディミトリ・ニコソゴヴさん)

 

くっ…やはり健康づくりのためには運動しないとなのね。

でも、遺伝子自体が運動を嫌っていると思うと、なんだか可愛くもあります…。

まあ、無理して運動してくれ、私の遺伝子…。

 

自分が自覚していない体質があった!!

そして生まれて初めて認識した自分の体質に、「光くしゃみ反射」というのがありました!

突然日光にさらされると、実は約 18 〜35%の人がくしゃみをするそうで、これを「光くしゃみ反射」というそう。通常 2 〜3 回のくしゃみが出るとか。

刺激が副鼻腔神経に作用するのは普通のくしゃみと同じですが、暗いところから明るい部屋に入ったり、眼球注射のような機械的な光でくしゃみが起こるといいます。

そういえば! 鼻水もつまってないし風邪もひいてないのに謎にくしゃみが出たなぁ…と思ったこと、多々あるのです! 今後くしゃみが出たら明暗の差を感じなかったか意識してみよう!?

 

知らずに摂っていた、実は苦手な食品が発覚!!

遺伝子検査の結果、私が苦手とする食品(栄養素)がありました!

一つ目は、乳糖。乳製品に含まれる糖で、実は世界人口の65%が乳糖不耐症だそうですよ。

「乳糖によって消化管に不調が現れる恐れがあるので非発酵の乳製品の摂取を減らすべし」、とのアドバイスが。

我ながら牛乳より豆乳やアーモンドミルクを好む傾向があったんだけれど、もしかして体質が影響していたのでしょうか?

クリームや練乳も避けたほうがいい模様…。

そして次回ご紹介する腸内フローラ検査をすると、さらに「腸内フローラの乳糖代謝能力をアップする食品を積極的に摂るように」とのアドバイスが追加されましたよ。詳しくいっぱい載ってます。

 

と思いきや、もう一つ意外な、苦手成分が! それが、カフェイン。

コーヒー大好きで仕事中はブラックコーヒーがぶ飲みな筆者ですが、実は「カフェイン代謝低速」だったよう!

私と同じ遺伝子型を持つ人はカフェインの作用を速やかに中和することができないそうで、大量にコーヒーを飲むと、副作用が生じる可能性があると書いてあります。

 

コーヒーを止めるべきなのか…? と思いきや…

ん?

「先祖代々コーヒーや緑茶を飲んでいたこと」も判明。

 

「自分の身体にいいから好んで食べていた、のではなく、あくまで“好む”、“食べがち”という傾向が遺伝子に顕れているだけで、それが身体へのメリット・デメリットとイコールではありません。

コーヒーを完全に断つのではなく、カフェイン入りのコーヒーを1日1杯までとするなど、量を減らしてみては?」

(アトラスバイオメッド ディミトリ・ニコソゴヴさん)

代謝できない、しづらい、といった傾向は鑑みつつ、一般的に理想とされるヘルシーな生活(カロリー、栄養価、調理方法を意識した食事と運動習慣)を意識しましょう、ということでした。

 

食べ物・飲み物の好みにも遺伝子が大きく関与しているのはとても面白い!

カフェイン代謝能力が低いくせにコーヒーを飲み続けていたとは…まさに今の私と一緒じゃない! 代々“聞かん坊”な遺伝子なわけね…!

と冗談はさておき、カフェイン摂りすぎはちょっと意識してみようと思います。

 

遺伝的に不足しがちな栄養素、過剰すぎる栄養素もわかる!

遺伝子検査の結果、オルチニン(筋肉や骨の発達、脂肪燃焼に関与)、アルギニン(筋肉増強やアンモニア解毒)、セリン(肌の保湿成分を作るなど)の血中濃度が低く、トリグリセリド(いわゆる中性脂肪)が高い傾向にある可能性があることもわかりました。

中性脂肪! 母も私も高いって指摘されていたのです、図星!

「トリグリセリド高めの人は肥満や心血管系疾患、2 型糖尿病を発症するリスクも高くなるため、定期的な運動や、オメガ 3 脂肪酸を豊富に含むサーモン、クルミ、オリーブオイルなどの食品を摂るように」との詳しいアドバイスも書いてあります。

がんばります!

 

疾病リスクの結果にシリアスな病名が…大丈夫なのか!?

続いて疾病リスクをチェック。

もりだくさんに、冠状動脈性心疾患、潰瘍性大腸炎、2型糖尿病、高血圧、気管支喘息、痛風、クローン病、骨粗鬆症、アトピー性皮膚炎、心房細動、腎臓結石、パーキンソン病、加齢性黄斑変性症のリスクの高低を判定してくれます。

 

な、なんと!

筆者は【パーキンソン病】と【加齢性黄斑変性症】が「高リスク」と判定され、若干衝撃…。

特定の疾病に対するリスクが人口の70%より高い場合に「高リスク」と判定されるそうで、その疾病になる可能性がめちゃ高いとかではないようですが…ちょっと心配!と思って2つの疾病に関して調べてみました。

パーキンソン病は50歳~65歳で発症することが多いといわれ、手足の震えや筋肉のこわばりなど、運動機能に障害が現れる病気で、「手足が震える」「動作が遅くなる」といった自覚症状が出たりするよう。

加齢黄斑変性症は、老化に伴って眼の中の網膜に出血やむくみをきたして視力が低下する病気。放置すると進行して、視力の回復が不能になってしまうこともあるそう!

パーキンソン病は今のところ有効な予防法は解明されきっていないそうですが、運動をして身体機能を動かすようにしていたり、得意なことをやったりいっぱい笑ってドーパミンの分泌を促すと多少は軽減できる可能性があるそう。「おお、やれることはやっておかなくては!」と思いました。

そして加齢黄斑変性症も、初期症状(視界の真ん中が歪んだりグレーになったりするよう)には気づきやすいと言われているそうなので、これも老化に伴って、常に意識していかねば…と思いました。

 

 

って、健康意識が爆上がりしてるし!!

自分の“体質”と向き合うことのバリューを感じました。

 

ゆくゆく万が一「あれれ…?」と健康不安を感じた時に、お医者さんに「遺伝子検査でこういう結果が出たことあります!」と、遺伝子検査をしなかった自分なら思いもよらない疾病の可能性を自分から示唆できるなんて、なんてヘルスケアリテラシーの高い患者さん!!

人生100年時代、健康寿命を延ばすためにも、自分の身体をより深く知ることは重要。そして、自分のご先祖様や遺伝子にフォーカスすることで、なんだか前より自分の身体が大事に思えて、生きることにポジティブな気持ちになりました!

 

次回、これまた楽しい腸内フローラ検査のレポートをお楽しみに!

 

 

【お話しを伺ったのは…】

アトラスバイオメッド R&D部門長 ディミトリ・ニコソゴヴさん

 

(取材・文/笹山真琴)

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