
更年期世代は「不眠」が増える?女性が抱える睡眠問題と、受診すべき目安は
「なかなか寝付けない」 「夜中に何回も目が覚めてしまう」
多忙でストレスの多い現代女性は、睡眠トラブルを抱えがちです。
働く女性、更年期世代の女性は、なぜ今眠れていないのか。そして、どうすれば眠れるようになるのか。
医療法人社団SSC 理事長であり、スリープ・サポート クリニック院長の林田健一先生にお話を伺いました。
意外?「不眠症」は、男性より女性に多い
——まず、どんな症状が出ると不眠症と診断されるのか教えてください。
実は、睡眠時間が短かったり不規則であっても、日中に元気に過ごせているようならば何の問題もありません。
寝付けない、夜中に起きてしまう、朝早くに目が覚めてしまう、それらによって睡眠が短くなり、日中に影響を及ぼしている状態である……。これが不眠症です。
日中に倦怠感があったり、集中力が低下して仕事に影響が出てしまう。または、眠れないことへの不安がつのる。そのような状態でしたら、注意が必要です。
——更年期世代の女性がメインのオトナサローネの調査でも、不眠に悩む女性が多いという結果が出ました。
女性の不眠症の背景は、まだ明確には解明されていません。
しかし最近は、社会進出することにより、男性のような働き方を求められている女性が増えてきました。
男性と同じように働いているわけですが、「世の中の男性が女性と同じように家事を出来ているか?」というと、まだ足りない状態です。
いま女性には、仕事に加え、家事、育児、介護、夫の世話……と、多くの仕事がのしかかっており、自分の生活を他の人や家族に合わせることによって、睡眠を犠牲にしてしまっているケースが多く見られます。
急いで受診したほうがいい睡眠トラブルとは?
——眠れないことはつらいのですが、いっぽう眠れない程度のことで病院に行ってもいいのか?と敷居の高さを訴える読者の声も届いています。どの程度まで悪化したら受診すべきなど、受診の目安を教えてください。
夜によく眠れない結果、仕事や家事、育児など日中の生活に影響している場合は、受診しましょう。「週3日以上眠れない状態が1ヶ月続く」というのが具体的な目安です。
不眠症には3つの種類があります。
・入眠困難…寝つくまでに30分以上かかってしまう。考え事をしたり、不安・緊張が強いと起こりやすくなります。
・中途覚醒…途中で何度も目が覚めてしまい、その後なかなか寝つけなくなるパターン。中高年の方に多くみられます。
・早朝覚醒…目覚ましより2時間以上早く目が覚めてしまい、その後眠れなくなるパターン。高齢の方に多く見られます。
不眠症の種類として、昔は「熟眠困難」というものもありませしたが、今はリストから外れています。
睡眠は「時間」を確保するのが大切で「ぐっすり」にこだわらないでいいという考え方なのです。
不眠の状態が3ヶ月以上続いてしまうと、「慢性の不眠障害」ということになります。不眠症はとても慢性化しやすいです。慢性化しないうちに受診していただきたいと思います。
また、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、すぐに受診しましょう。
こんな症状があったら「睡眠時無呼吸症候群」を疑ってみて
――睡眠時無呼吸症候群は男性に多いイメージですが、どのような病気なのかを教えてください。
「睡眠時無呼吸症候群」というのは、その名のとおり睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。中年太りの40~50代の男性に多いですが、更年期からは女性も注意が必要です。
この病気は日中の不調を引き起こすだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めますので、もし以下に当てはまるようなら病院にかかることをおすすめします。
・いびきや、呼吸が止まっていることを指摘された
・肥満である
・あごが小さい
・朝起きた時にのどが乾いていて、口も乾いている
・日中眠い
・疲れがとれない
日本人の20人に1人は、この睡眠時無呼吸症候群であると診断されており、意外に身近な病気です。
▶【この記事の後編】テレワークが始まって太った人が「睡眠の質」を疑うべき理由
お話/林田健一(はやしだ けんいち)先生
医学博士、医療法人社団SSC理事長、スリープ・サポート クリニック院長
スリープ・サポート クリニックでは睡眠外来に加えて、終夜睡眠ポリグラフ検査など専門検査にも対応。
東京都品川区東大井1-18-8ミランビーナ1階(京急線鮫洲駅より徒歩2分)
03-3471-3020
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