「泣き言ばかりでうんざりだ!」優しい夫を激怒させた「更年期うつ」の改善策とは?
40~50代になり、「毎日が憂うつでつらい」「最近、気分が落ち込みがち」などで悩んでいませんか?
日本の女性は、平均で50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。
この時期は、ホルモンバランスの影響で、からだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。
更年期女性が持つお悩みのひとつに「憂うつ感、気分の落ち込み」などのうつ症状があります。
今回は、更年期うつを改善する方法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
憂うつ感が続き家にこもりがちの毎日
あさ美さん(50歳)は、ここ数か月ほど憂うつな気分が続いて悩んでいました。
「何かにつけて友人が羨ましく思えたり、自分がダメ人間に感じたり……普通に会話をしていても嫌味を言われている気がするんです」
とにかく全てのことをマイナスにとらえてしまい、不安でうつっぽさが増していくというあさ美さん。
「だんだん、人と会ったり、外へ出かけたりするのが億劫になってきて、最近は家にひきこもりがちです」
夜になると、帰宅した夫にひたすら愚痴をこぼすという毎日を過ごしていました。
泣き言ばかりの私……ついに夫の堪忍袋の緒が切れた!?
ご主人との会話でも、あさ美さんは暗い表情でついネガティブな返事をしてしまうそう。
「いいわよね、みんな楽しい趣味があって」
「私はもともと頭が悪いからダメなのよ」
卑屈な言葉ばかりのあさ美さんに、ある日、ご主人の我慢が限界に達してしまいました。
「疲れて帰ってきたのに、愚痴や泣き言ばかり聞かされる身にもなれ! もうおまえとは話したくない」
ついに、ご主人に激しく怒鳴られてしまったそうです。
「夫を傷つけるつもりはなかったんです。ただただ、私のつらさを分かってほしかっただけなのに」
更年期は憂うつになりやすい?
「少しでも気持ちが楽になれば……」
悩んだあさ美さんは、心療内科を受診することにしました。
「更年期になると、女性ホルモンの減少により自律神経が乱れて、気持ちが不安定になり、憂うつ感や不安感が増すことがよくあります。漢方でバランスを整えていきましょう」
と医師から説明があり、漢方薬が処方されました。
処方された漢方薬は、加味逍遙散(かみしょうようさん)。
加味逍遙散は、乱れた気や血(けつ)のバランスを整えて、精神不安やイライラなどを改善する漢方薬です。
「漢方薬を始めてしばらくすると、夫から『最近、表情が明るくなってきた』と言われてびっくりです。確かに、以前より気持ちが安定して憂うつ感も軽減してきました」
今では、趣味でガーデニングを始めて、毎日をイキイキと過ごしているそうです。
▶【この記事の後編】憂鬱な気分に効果のある漢方。代表的な加味逍遙散のほかに、何がある?
続きを読む
スポンサーリンク