51歳男性、この心臓の動悸も「男性更年期」なの!?夜中の動悸であわや救急車の顛末とは
40~50代になり、「最近、動悸で夜中に目が覚める」「心臓がドキドキして眠れない」などの悩みがありませんか?
日本の女性は、平均で50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。
この時期はホルモンバランスの影響で、さまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いようです。
また、男性の場合も、一般的に中年以降、加齢とともに男性ホルモンの分泌が穏やかに減少し始めます。
更年期の症状は女性特有ではなく、男性は40歳以降いつでも起こりうる可能性があり、さらに女性と違って終わりもありません。
更年期のお悩みのひとつに「睡眠時の動悸」があります。
今回は、更年期の動悸を改善する方法について「あんしん漢方」の薬剤師・清水みゆきさんに教えてもらいました。
動悸が苦しくてうまく寝つけない…睡眠の質も下がり始めて
信二さん(51歳)は最近、夜寝ようと布団に入ると動悸がして困っていました。
「深呼吸をしても、息苦しさがあってうまく呼吸を整えられません。動悸や息切れが続く間、眠れず不安感が増すばかりです」
ふと横の奥様に目をやると、すでにグーグーと気持ちよさそうに寝ていて、声もかけられないとのこと。
「ひとりで目を閉じていると、明日の会議、作成途中のプレゼン資料など仕事のことや心配事ばかりが浮かんできて……ますます眠れなくなってしまいます」
激しい動悸で夜中に目が覚め…大病ではなかったけれど
動悸で眠れない日々がしばらく続いていたある日、信二さんは、夜中に自分の動悸で目が覚めました。
「ただ眠っていただけなのに、突然激しい動悸がして目が覚めました。はじめての経験で『このまま死んでしまうのか』『心臓の病気かも』と、激しく動揺してしまいました」
寝ている奥様をたたき起こし、救急車を呼ぶかと大騒ぎになったそうです。
「しばらくすると動悸も治まったので、次の日の朝、会社を休んで病院に行くことにしました。本当は大事な会議があったので休みたくなかったのですが……」
毎年の健康診断では、これまでとくに心電図などに問題はなかったとのこと。今回の検査でも
「検査の結果も異常がありませんし、更年期障害によるものかもしれませんね」
と医師に指摘されて、男性にも更年期があることをはじめて知り、夫婦でびっくりしたそうです。
あまり知られていない男性の更年期障害
「更年期障害は女性だけではなく、信二さんのように働き盛りの男性にもあるんですよ。仕事のストレスも影響するので、バランスを整えるために漢方治療をしていきましょう」
と医師から説明されて、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)という漢方薬が処方されました。
桂枝加竜骨牡蛎湯は、気血の乱れを整えて神経の高ぶりを鎮める作用があり、動悸や不眠の改善が期待できる漢方薬です。
「漢方をのみ始めて、まず寝つきがとてもよくなりました。よく眠れるようになったせいか、動悸もだんだん減ってきて、精神的にもとても安定しています」
これまで仕事人間だった信二さんですが、自分の健康や趣味の時間を大切にするようになったそうです。
「根本的に睡眠時の動悸を改善したい」人には漢方がおすすめ
男性の更年期では、男性ホルモンの低下により自律神経が不安定になるため、動悸が生じやすくなります。
漢方医学では、ホルモンバランスの乱れ以外にも疲労や緊張、ストレス、不安、血行不良などが睡眠時の動悸の原因と考えられています。
睡眠時の動悸には、自律神経のバランスを整えて緊張した神経を落ちつけたり、気分の落ち込みを改善したりする生薬、興奮を鎮める抗ストレス作用のある生薬、胃腸の動きを整える生薬、血流をよくする生薬などを含む漢方薬で治療を行います。
また、心とからだのバランスを整えることで、睡眠時の動悸だけでなく、頭痛や冷え、疲労感など、男性更年期のさまざまな不調を同時に改善することが可能です。
からだの内側からやさしく働く漢方薬なら、毎日のむだけで不調の解消と根本的な体質改善を目指せるでしょう。
<更年期の睡眠時の動悸におすすめの漢方薬>
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):立ちくらみや息切れが気になる方に。
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):のどのつかえ感や精神不安が気になる方に。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):イライラや不眠が気になる方に。
漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。
うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるために、専門家の力を借りるのがおすすめです。
漢方に詳しい薬剤師がAIを活用し、お手頃価格で個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「あんしん漢方(オンライン個別相談)」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
相談もスマホで完結するので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。
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更年期の悩み、睡眠時の動悸から抜け出そう!
あなたを悩ます睡眠時の動悸の原因は、更年期かもしれません。
女性だけではなく、男性にも更年期があります。
ひとりで我慢せずに専門家に相談してみませんか?
漢方薬でからだの内側からバランスを整えて、更年期も笑顔で過ごしていきましょう。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師 JAMHA認定ハーバルセラピスト
製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。
現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中です。
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