これが男性更年期?集中力と瞬発力の低下、やる気のなさ、だるさ。やがて頭痛、性欲減退。とどめが帯状疱疹
あまり知られていないことですが、男性にもホルモン分泌の変化が起き、ゆるやかながら男性更年期が起こり得ます。今回は、更年期かもと思っている52歳男性の体験談を紹介します。
【100人の更年期#80】後編
ケンジさん 52歳
製造工場経営。妻と2人の娘との4人暮らし。子煩悩で学校行事にも積極的に参加する
瞬発力が低下して、ついに追突事故を起こしてしまった
ケンジさんは、50歳前後から瞬発力の低下を感じることが増えたといいます。
「気持ちに体が追い付いていないと感じることが増えました。車を運転していて、視界に人や物が入ってからブレーキを踏むまでの感覚が前より鈍感になっている気がします。実は1度、追突事故を起こしてしまいました。それからは車間距離を十分にとるなど気を付けています。更年期とは関係ない、加齢による判断力の低下なのかもしれませんが、身体の衰えを感じることが増えたのは事実です」
他にも、新しい企画や開発のアイデアが以前ほど出てこなくて焦ったときには「このままうつになっていくのかも」と不安になったそうです。
「漠然と、自分の気持ちが落ち込んでいく感じがしました。当時、私より年上の取引先の男性がうつで心療内科にかかり始めたことも、考えてしまうきっかけになったかもしれません」
頭痛知らずだったはずが頻繁に頭が痛くなり始めて…
50歳になったケンジさんの工場には、コロナ禍で廃業した業者の仕事がまわってくるなどして、かなり忙しくなっていました。加えて、町内会の会長と子ども会の会長も引き受けたことで、休む日がないほど時間に追われるようになっていました。
「町内会も子ども会もコロナ禍での会長交代だったので、『コロナ禍だから仕事は少ないだろう』と、たかをくくって引き受けたんです。そしたら、コロナ禍だからこその手間がかかる仕事がけっこう多くて。仕事と家事と育児に会長業を加えると、1日24時間じゃ足りなくなりました」
それでもケンジさんは「忙しいことはありがたいこと」と、1日フル稼働し続けました。すると今度は、頭痛が頻発するように……
「めったに頭痛を感じることなんてなかったのに、頻繁に頭が痛くなるようになりました。どんと頭が重たくなるような鈍痛です。病院に行ってみようと思いましたが、通いの病院がコロナ禍で予約制になっていたので、『この程度で予約していくのもご迷惑かな』と思って、結局は行っていません」
52歳で帯状疱疹に。更年期との関係は…?
集中力と瞬発力の低下、やる気のなさ、だるさ、頭痛、そして性欲減退という悩みを抱えたまま、気が付けば52歳になったケンジさん。ここで新たな症状が現れました。
「左の腰に帯状疱疹ができました。この時ばかりは、すぐに病院へ行きました。処方された薬を飲んで1週間ほどで治まりましたが、帯状疱疹ができるほど自分にストレスがかかっていたことに、このときやっと気が付きました」
帯状疱疹が治ると同時にケンジさんの仕事は落ち着き始め、いまはまた、少しゆとりの時間ができたといいます。ただ、やはり時間に余裕ができると集中力が切れて、やる気がなくなるそうです。
「私に起こっている変化は更年期とは関係ないかもしれませんが、年齢的には、更年期だとしても仕方ないかなと思っています。いろんな症状が今も続いていますが、ただ一つ、性欲だけは復活しました。もしかすると、子育てが一段落して、心身ともに休む時間ができ、妻と夫婦の話をする時間が増えたからかもしれません」
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