60代のショコラさんに学ぶこれからのこと。 貯蓄や備えは、“いつやめてもいい”というゆとりに。

2022.10.16 WORK

『私らしく、働くということ』で見つける、これからの働き方のヒント③

 

30代、40代の女性からすると、老後や年金はまだまだ先。そう思いつつも、「私、この先暮らしていけるの?」と、不安になる人も多いのではないでしょうか。

 

40~60代のひとり暮らしの女性14名に取材をした書籍、「私らしく、働くということ」(主婦の友社)から、今回ピックアップするのは、60代のショコラさん。

 

年金を受給しつつも、パートタイムで仕事を続けているショコラさんは、「仕事は自分を幸せにする、生活を楽しくしてくれるもの」と話す一方、「いつやめてもいい」という気持ちのゆとりも。その背景には、40代、50代のときの決断も影響しているようです。

46歳のマンションン購入、56歳からのリスタートが、今の暮らしにつながる

日々の暮らしを書き残すつもりで60歳から始めたBlogが大人気で、書籍も出版しているショコラさん。別居、離婚を経た現在は、分譲マンションでひとり暮らしをしています。

 

結婚前は一般事務のOLとして、6年間勤務。寿退社で専業主婦になったものの、「社会と関わりたい」「自分で稼ぎたい」という気持ちから、製薬会社の営業補助など、やりがいのある仕事をこなしてきたそう。40代前半で別居をしてからもがむしゃらに働く日々でしたが、体調を崩したことともあって、56歳のときに早期退職をしたのだとか。

 

定年まであとわずか。傍から見ると微妙な年齢での退職と思えるのですが、実は、ショコラさんはこのとき、46歳で購入したマンションの住宅ローンをすべて完済」という、ひとつのターニングポイントを迎えます。「今後、家賃を心配せずにやりくりできる」という確信があったことで、早期退職に踏み切れたそうです。

 

そして、退職後は今も続ける職場で働き始めるのですが、56歳という年齢でのリスタートが、結果的にはよかったそうです。というのも、60代と50代で求人が段違い。50代だったからこそ、次の仕事を選ぶのに有利になり、そのおかげで、今の仕事に出会うことができたのだとか。

 

50代は50歳を超えてから、60代は60歳を超えてから考えればいい。少し先の未来のことは、そんなふうに捉えがちではないでしょうか。でも、ショコラさんのこれまでを振り返ると、40代の決断が50代の働き方を決め、50代の決断が60代の今の「自分らしい、働き方」へとつながっています。人生の先輩であるショコラさんのストーリーは、将来の生き方につながるヒントを教えてくれるはずです。

貯蓄と予備費、早期完済した老後の住まいが、精神的なゆとりに

65歳からは年金受給をスタートしたというショコラさん。日々の生活費は年金12万円弱でまかない、週4日勤務するパートの収入は自宅の修繕費や、家電の買い替え、病気やケガの治療費などに備える、予備費としてとってあるそう。また、正社員のときの退職金の半分も、予備費に。さらに、もう半分は完全リタイア後の生活資金として貯金しているそうです。

 

月12万円弱で暮らしていけるのは、「完済している分譲マンションのおかげ」。さらに、「仕事はいつやめてもいい」という精神的なゆとりがもてるのは、「貯蓄と予備費のおかげ」と、ショコラさん。そんな暮らしの中で、貸しスタジオでピアノの練習を始めたり、読書やAmazonプライムでのドラマ鑑賞に楽しんだり。そしてもちろん、自分のペースでBlogも続けています。

 

暮らしとはどうしても切り離せない、お金のこと。ある程度の貯蓄や備えは、60代を迎えた心のゆとりにつながり、自分らしい暮らしの支柱になる。そんなことを、率直に教えてくれるショコラさんのストーリー。まだ先の、60代。でも、そこにつながる40代、50代はもう目前だったり、最中だったりという人も多いはず。今も将来も、「自分らしく、働く」ために、ぜひ、ショコラさんのストーリーを参考にしてみてください。

 

『私らしく、働くということ』で見つける、これからの働き方のヒント

ひとりめ、イラストレーターの柿崎こうこさんの記事はこちら

ふたりめ、人気整理収納アドバイザーsakkoさんの記事はこちら

 

文/柿沼曜子

■書籍情報

私らしく、働くということ

書名:私らしく、働くということ

出版社名:主婦の友社

判型・ページ数:A5判・128ページ

定価:1,540円(税込)

ISBN:9784074523405

出版年月日:2022年8月25日

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