思春期の息子を思うとどうしても恋愛にその気になれない。そんな私を待ち続けてくれた彼【オトナ婚/第15話(前編)】

2022.12.01 LOVE

40代以降で結婚した人=オトナ婚の経験者にインタビューするシリーズ第15回目は、息子さんが1歳の時に離婚、以来10年以上シングルマザーとして仕事に邁進してきたつくみさん50歳。同じ職場で出会い47歳で結婚した旦那様は、現在実家のお寺を継いで僧侶となっています。

どこで彼と出会ったの?

彼はどんな人?

どうしたら結婚できたの?

などなど、気になるオトナ婚の実態に、ライターのミナト薫(47歳)が迫ります。

 

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出会いは病院の正看護師と看護助手の関係

旦那様との出会いから教えてください。

「彼と出会ったのは9年前、私が職場である病院に入社した時ですね。私が看護助手として入社した時、当時正看護師だった夫が私の研修担当をしてくれました。第一印象は『すごく大きいな』というくらい(笑)。背も横幅もとても大きかったんです。今はだいぶスリムになりましたけど(笑)。

ちなみに夫から見た私の第一印象は『小っちゃい人が入社してきたな』という印象だったみたいです(笑)」

最初の研修以降はしばらく接点はなく、その後旦那様が異動してきて直属の上司になられたんですよね。

「はい。1年ぐらいして、夫が自分の働いている病棟に異動してきました。一緒に働くようになり、彼の患者さんへの接し方を見て『優しい人だな』と思いました。いつもニコニコしているし患者さんに対する態度や言葉がけも丁寧なんです。私たち職員に対しても優しかったですね。

とはいえ、まだその時点では彼に特別な感情はありませんでした。私自身が上司とそんなに距離を縮めるタイプではなかったので、単純に『上司が優しい人でよかった』という程度の印象でしたね」

 

泊まり込み勤務の彼の下着を洗ったことで距離が縮まる

連絡先を交換する機会はいつあったんですか?

「ある年に大雪が降った日があったんです。道路が通行止めになって電車もすべて止まるくらいの歴史的な大雪でした。そんな事態だったので、彼を含む何人かのスタッフは病院に1週間以上泊まりがけで働いていました。

他の病院スタッフもいろいろなお手伝いをしていて、泊まり込みの人たちの洗濯物を預かって洗濯をしたりもしていたんです。その流れで彼から「俺のパンツを洗ってくれないか?」と言われ、私も「はい、いいですよ(笑)」となって、その時に初めて電話番号の交換をしました。

とはいえ、私としてはあくまで業務の一環。それ以上の感情はなかったですね」

つくみさんの方は特別な感情はなかったとしても、旦那様の気持ちとしてはどうだったんでしょう?

「電話番号を交換してから、何度か仕事で電話をする機会も出てきました。そうやって少しずつプライベートな会話をするようになり、ある時彼から『自分を上司ではなく、男性として見てほしい』と言われました」

 

子供が1歳の時に離婚しシングルマザー歴は10年以上

旦那様からアプローチを受けていたつくみさんさんですが、すぐにOKと言えない事情があったとか。

「はい、実は私、バツイチ子持ちなんです。息子が1歳の時に離婚しました。息子が小さいときは『新しいパパが欲しい』を言われたりもしましたが、私としてはこんな苦しい思いはもうしたくない、という気持ちが強かったので再婚する気はまったくありませんでしたね」

 

一度目の結婚は大変だったんですね。

「そうですね。私の親も『毎日そんな悲しい顔をするぐらいなら離婚しなさい。自分が楽しいのが一番だし、子供にとっても母親が幸せなことが大切だから』と言われました」

そこからずっとシングルマザーとしてやってこられたと。

「はい。毎日の生活や子供のことで手一杯でしたね。若いうちは再婚を意識することはほぼなかったのですが、年齢を重ねるにつれ、時々不安に感じることもありました。

例えば、私と息子は当時団地に住んでいたのですが、団地のお手伝いなどで役員になるとさまざまな仕事が与えられるんです。なかには女性では難しいような力作業もあったり。周りの男性に頼ったりはしていたのですが、やっぱり女性一人ですべてをこなすことの難しさを実感しましたね」

 

二人の気持ちより思春期の息子の気持ちを優先したい

10年以上親子二人で支え合ってきた日々ですが、旦那様から交際を申し込まれたときはどういう気持ちでしたか?

「彼が私に好意を伝えてきたのは、息子が中一の頃でした。思春期ど真ん中だったので、本当に悩みましたね」

たしかに、そう簡単に「はい、付き合いましょう」とは言えないですね。息子さんの気持ちも大切にしなくてはいけませんし。

「息子と彼のファーストコンタクトは、『夏休みの宿題』でした。ちょうど息子が学校の夏休みの宿題に苦戦していて、私がそのことを職場で彼に話したんです。そうしたら彼が職場で一緒に考えてくれて、わざわざ紙にアドバイスまで書いてくれたんです。帰宅してそれを息子に見せたら息子も喜んで、おかげで宿題を完成させることができました。それで息子に『それ書いてくれた人お母さんの上司なんだけど、今度お礼に家に呼んでご飯をごちそうしようか』という話をしました。それが息子と彼の初対面でしたね」

自宅での食事会は雰囲気良く進みましたか?

「はい。すごく盛り上がったわけではありませんが、息子に合わせてゲームの話などたくさんしてくれて和やかに過ごせました。そこでも彼のことを『ああ、優しい人だな』と思いましたね」

 

2年間の看護学校通学を献身的にサポートしてくれた

まだこの時点でもお付き合いはしていなかったんですよね。交際がスタートしたのはこの後ですか?

「その頃、私が看護学校に入学することを検討していたんです。正式に看護師の資格を取ればもっと生活が安定するし、仕事の幅も広がります。この先のことを考えてもその方がいいかな、と思って。彼には相談に乗ってもらっていました。その間もずっと交際は申し込まれていて、『じゃあ付き合いましょう』ということになりました」

晴れて交際スタートしたつくみさんと旦那様ですが、つくみさんはそこから2年間、看護学校生としての忙しい日々が始まります。

「看護学校に通っている2年は本当に大変でした! 辛すぎて毎日辞めようと思っていたぐらい(笑)。そんな私を彼はずっと支えてくれました。学校に迎えに来てくれたり、勉強を教えてくれたりしてくれましたね。

私がこれまで付き合ってきた人や最初に結婚した人は冷たい人が多かったので嬉しかったですね。それに私自身離婚後はずっとフリーだったので、人に心配されるという経験も久しぶりでした(笑)。それは今でも感謝しています」

 

一生かけて恩を返していこうと思い、プロポーズを承諾

 

結婚を意識したきっかけはありますか?

「付き合い始めてからも彼から何度か『結婚してほしい』と言われていたんです。私が本当に決意したのは、看護学校時代を本当に献身的に支えてもらって、『この人には一生頭が上がらないな、人生かけて御恩を返していかなきゃ』と思ったからですね」

つくみさんの気持ちもついに固まったんですね! そうして結婚の決意を固めたお二人ですが、息子さんの反応はいかがでしたか?

「その頃の息子の態度としては、たまに彼が家に来ると自分の部屋にこもるような感じでしたね。年齢的にしょうがないことだと、私も彼も思っていました。

そしてある日『お母さん結婚しようと思うんだけど』と伝えました。その時息子が言ったことは『俺はあの人をお父さんと呼ぶことはできないけど、しょうがないよね。別にいいよ』」と。息子からの了承を得た後、あらためてホテルで正式にプロポーズされて、私も「はい」と答えました。

 

仕事と育児をしながらの2年間の看護学校生活を支えてくれた彼のプロポーズを受け入れたつくみさんですが、「すぐに結婚」とはなりませんでした。気になるその理由とは……!

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