えっ、バリキャリのくせにその「言葉づかい」…?職場でヒヤッとしたミス5選
ほとんどの人が自信がないという「言葉遣い」。自分のことだけならまだしも、仕事上のこととなると、責任が伴うので、緊張して余計失敗するかもしれないと思いますよね。去年、クロレッツのアンケートで「バリキャリが自分自身で気を遣っていること」の2位、「他のバリバリ働く女性が気遣えていなかったら不快に思うこと」の1位に「言葉遣い」が入っています。みなさん、相当気にしているようです。今日は、ヒヤッとした言葉遣いのミスを解説します。また、今さらながら、どうしたらいいか考えてみましょう。
1「はい」と返事をしている時、時々「うん」と言っている(汗)
相手の人が気さくに話しかけてくれる時があります。こちらの緊張を解きほぐそうとしてくれているのですが、言葉の使い方が上手な方だと、それがまた効果抜群で、本当にリラックスしてしまいますよね。そんな時、「はい」が思わず「うん」になってしまうことも。どんなに気さくに話しかけられても、けして同等ではないということを心にとどめておきましょう。その為には、緊張した正しい姿勢で相手の話を聞くと良いそうです。心がゆったりリラックスしても姿勢さえ緊張していると「うん」という言葉はあまり出てこないようです。電話での応対も同じです。相手からは見えなくても、背筋をしゃんと伸ばして話をすれば「うん」という言葉は出てきにくくなります。さあ、きちんとした姿勢になってみましょう。
2「○○さんはいらっしゃいますか?」と聞かれ、つい「はい、いらっしゃいます」と答えてしまった(汗)
日本語は本当に複雑です。私は小学生を相手に敬語を指導することもありますが、尊敬語と謙譲語で言葉がまったく異なる場合もあり、子どもたちに「どうして?」と聞かれると困ってしまいます。
尊敬語と謙譲語で言葉が違うもの
・「居る」……尊敬語「いらっしゃる」・謙譲語「おる」
・「行く」……尊敬語「いらっしゃる」・謙譲語「参る」
・「来る」……尊敬語「いらっしゃる」・謙譲語「参る」
・「聞く」……尊敬語「お聞きになる」・謙譲語「承る・伺う」
・「する」……尊敬語「なさる」・謙譲語「いたす」
・「食べる」……尊敬語「召し上がる」・謙譲語「いただく」
・「見る」……尊敬語「ご覧になる」・謙譲語「拝見する」
・「言う」……尊敬語「おっしゃる」・謙譲語「申す」
これらは、中学受験用の教材として、ずいぶん昔から一覧表となっているものです。
出典『読解と知識の手引き』ぶQ出版センター
頭では分かっていても、例えば相手の言葉をオウム返しにしてしまうと、尊敬語と謙譲語が逆になってしまうのです。
例
・「昼食はもう召し上がりましたか?」「はい。召し上がりました。」
正解……「はい。いただきました。」
・「あの資料ご覧になりました?」「はい。ご覧になりました。」
正解……「はい。拝見しました。」
自信がない場合は、むやみにオウム返しをしないことも大切です。例えば、「昼食はもう召し上がりましたか?」と聞かれたら、そのまま返すのではなく、「はい。」で一旦止める。分からなくなりそうだったら別の言葉で返すこともできます。「はい。済んでおります」「いいえ、まだです。」そうすれば間違いが少なくなりますね。
3「させていただきます」の30連発!?(汗)
先日、ある会議に出ましたら、そこの進行役の方が敬語をかなり多く使っていて、何を話しているか分からなくなるほどでした。
えー、次の議題に移らせていただきます。次の議題は○○についてとさせていただきます。この議題につきましては、お手元の資料をご覧いただくという形にさせていただきます。またこちらでご紹介させていただいております通り、○○に関しましては、○○ということにさせていただいており、先日開催させていただきました○○の結果に照合させていただきますと、この件に関しては従来通り運営させていただくという形で決定させていただきたく、ここに提示させていただいた次第でございます。
私は思わず彼女が何回「させていただく」を言うのかカウントしてしまいました。30回でギブアップ。おそらく、彼女は気づいていないのでしょう。「です」「ます」の代わりに使っている感覚のようです。
「させていただく」の使用に関しては議論が分かれる場合もあるのですが、多用に関してはうんざりする人も多いでしょう。「もしかして、私、そうなのかな?」と思った人は、一度自分の発言をスマホで録音してみると良いと思います。
ちなみに、さきほどの文は「させていただく」を省くと、こんなにスッキリ、内容がスムースに伝わる素晴らしい文章になります。
次の議題に移ります。次の議題は○○についてです。この議題につきましては、お手元の資料をご覧ください。またこちらでご紹介しております通り、○○に関しましては、○○ということにし、先日開催致しました○○の結果に照合しますと、この件に関しては従来通り運営する形で決定したく、ここに提示した次第でございます。
はー、スッキリ。
4「えっとですね」「あとですね」「だからですね」丁寧にしようと思ってしどろもどろ(汗)
「えっと」「それで」「だから」など、ちょっと幼い印象を持つ言葉があります。「えっと」はまず言わない方が良いですし、「あと」は「また」、「だから」は「ですから」などと言い換えることができるはずです。でも、つい口に出してしまい、慌ててそれを取りつくろうとし、「です」を付けてしまうことがあります。これは、不安な要素を前面に押し出してしまいますので、特にビジネスには向きません。特に「若い」と許される年齢を過ぎてしまった場合は要注意です。
「えっと」「あと」「だから」と言いそうになったら、ぐっと押しとどめること。1の「うん」と同じで、緊張感を持っていると出ない言葉です。
5「電話があったと、お申し伝えください」(汗)
電話をしたけれど、担当者が不在。そのような場合は「電話があったとお伝えください」「電話があったことをお伝えいただけますか」とするのがベスト。「申し伝え」は「はい。申しておきます」「はい。伝えておきます」と、相手が言うセリフ。「申し伝えてください」は、こちらがそれを強要する形となり、敬語にはならないのです。このような言い回しは、もう丸覚えしかありません。ビジネスマナーの本の基本でもありますので、口が覚えるまでしっかり練習しましょう。
最低限の敬語を覚えることは、大人として必要なことです。そして、とっさの時に言い間違えないよう、人と話をしている時には適度な緊張感が必要です。
適度な緊張感は、姿勢を正しますので、敬語のみならず、ルックスや美容にも良い影響を与えますので、一石二鳥ですね。
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