歯が美しければ見た目年齢がマイナス10歳?「意外にも手をかけておくべき」パーツって

若いころにきちんとケアしなかったツケがいちばん現れるのって、実は肌ではなくて歯ではないでしょうか。美の維持だけではなく、切実な健康の維持のためにも歯はとっても大切……なんて気づいたころにはもう大抵手遅れなんですよね。

本当に悩ましい「大き目なメンテナンスのいる身体パーツ」、あなたの場合はどのへんですか?

SNSバズ常連の若き恋愛評論家・ジェラシーくるみさんの新著『そろそろいい歳というけれど』からお届けします。

歯のメンテナンス

年間29万円。

昨年の医療費の総額だ。

大腿骨を骨折したわけでも顔の工事をしたわけでもなく、歯医者と眼科と皮膚科と内科と婦人科の合計金額。主犯は奥歯3本分のセラミックだ。こやつらが金額の8割を占める。

たまに奥歯の歯茎がうずくので、半年ほど歯医者に行ってないことを思い出し、検診も兼ねて行ってみると、なんとまあ。

昔のようなモノクロのレントゲン写真ではなく、3DのCT写真が画面にでかでかと映し出されたではありませんか。自分の顔の下半分の骨と歯茎がご丁寧に色付きで。校舎の理科室以来の骸骨。

30分弱ほどかけてカウンセリングを行った結果、昔小さい虫歯にあてがったプラスチック(レジン)が劣化し欠けていること、歯の隙間から新たな虫歯ができていること、将来の口腔の健康を考えると今のタイミングでセラミックに詰め替えたほうがいいことを淡々と告げられた。

セラミックは自由診療なので6万円(税抜き)という法外な値段がかかる。

バカな! その手には乗らないぞ!と息巻いて周りの人への聞き込みやGoogle口コミ調査を行い、近所の歯医者を開拓した。セカンドオピニオンならぬフォースオピニオンまでたどり着いたが、どこもセラミックの値段は変わらず。

結局、ボンボンの知り合いに紹介してもらったサバサバしたベテラン女性歯科医のもとに通うことにした。長いものには巻かれてしまう生き方なので、ボンボンたちの情報網にも喜んで巻かれよう。

セラミックの値段は7万円(税抜き)に跳ね上がったが、予約のとりづらい人気歯科医だ。虫歯の治療やセラミックへの移行と並行で、歯科衛生士さんから歯の磨き方レッスンも二度ほど受けた。

小さい頃から「歯と目だけは大事にしなさい」と親から口すっぱく言われていたものの、自分がどれほど雑に歯を磨いていたか思い知った。

歯ブラシはグーではなく鉛筆のように持ち、小刻みに5~10ミリ間隔で「ゆっくり」動かす。シャカシャカと音が出るのはダメで、速すぎるもしくは動きが大きすぎるらしい。

今回は財布がボロボロに擦り切れるほど痛い目を見たので、夜はフロスと電動歯ブラシと手動歯ブラシで合計15分ほどかけて歯磨きをしている。ポッドキャストやドラマをお供にすると案外早く過ぎるものだ。

残業や飲み会のあとに歯を磨かずに寝ても虫歯ゼロ(!)という野生動物のような歯を持つ友人も何人もいるため、唾液の質や歯の硬度的に私は虫歯ができやすい体質なのだ、と肝に銘じている。

いくつか歯医者を回って、身にしみてわかったことがある。

治療というものに正解はなく、お医者さんによって治療方針はもちろん、治療を必要とする〝基準〟さえも違うということ。

虫歯には段階があり、Cシ ーOオ ーからC1~C4の順に深刻化する。COはフッ素の塗布や歯磨きの徹底など、対策をしっかりすれば虫歯の進行を防ぐことができる超初期段階。C1は歯の表面のエナメル質に小さな穴があいている状態。

実はこのC1の段階で、歯を削って詰め物をするべきか、様子見、つまりいったん放置をするべきかで歯医者さんごとに意見が異なるのだ。

そもそも、今の医療技術では、一度虫歯になってしまった歯の再生はできない。歯医者さんは、歯の再生力にかけて虫歯の進行を止めるか、虫歯を取り除いて人工物を入れるかの二択を迫られるわけだが、当然、前者の場合は虫歯が大きくなるリスクがある。後者の場合は周りの健康な歯を少し削る必要があり、人工物と歯の境目の「マージン」と呼ばれる部分から新たな虫歯ができるリスクが生じる。この二つのリスクを天秤にかけて、治療方針を決めなければいけないらしい。

どうりで、同じ歯について「今すぐ削って治療しましょう」派と「歯磨きを徹底して様子見しましょう」派に分かれるわけだ。

80歳で20本の歯を保つことができれば充実した食生活を送れると言われている。よく噛むことにより認知症の予防にもつながるため、1989年には政府主導で8020運動(80歳で20本の歯を保つことを目標とした歯の健康づくり運動)が始まった。当時、8020達成者は10人に1人にも満たないとされたが、2016年時点では2人に1人(約50%) を達成した。

虫歯にリスクなき治療なし。肝に銘じて今後も財布を握り締めて毎月の検診とクリーニングに励むとする。

加えて、30も近くなると体のあちこちに異変が出てくる。

人生初の不正出血を経験し、婦人科を受診。あの屈辱の台に乗せられて足を開き、右の卵巣が腫れていると言われた日からは定期的に受診するよう心がけた。子宮頸がん検診も毎年欠かさず行っている。

また、両目の痛みを覚えて十数年ぶりに眼科に行ってみると、目の表面に細かい傷と軽い炎症を指摘された。ついに、処方箋なしであらゆる事業者からカラコンを買って試していたツケが回ってきた。

私はその日から眼科で取り扱いのあるブランドでのみカラコンを買うようにした。今まで使っていたのは、コンタクトの縁にぼかしがついていて、アクセントにオリーブ色が入っているお気に入りのデザインだったが、目の健康には変えられない。

30代の目標は無病息災にしよう。

 

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