汗や足のニオイ、頭皮の悪臭、そして口臭。身体のイヤ~なニオイの対策方法は?

内科医師でありながら“におい専門家”としても活動している桐村里紗先生に、更年期世代が気をつけるべきニオイの話しを教えてもらいました。前編は「更年期世代に変化するニオイ」について。この後編では具体的なケアについて伺います。(オトナサローネ編集部 井一美穂)

 

1・汗のニオイ → 発汗する習慣をつける

– ニオイの原因は、身体の内外両方にあります。特に体の内側から発生するものに関しては、生活習慣を整えることで体臭の適正化ができます。

 

内側から発生する代表株、「汗臭」には運動が必要です。普段から運動をしておらず、汗をかく習慣のない人がニオイやすいんです。更年期ごろには、若い頃よりべたべたとしたニオイやすいクサイ汗が出るようになるので余計に対策が必要です。

 

汗には大まかに2種類あります。

 

全身からかく汗は、暑いときに体温調節のためにかく種類の汗で、エクリン腺から出ます。

 

いっぽう、ワキガの原因になるのは、体毛の毛穴に開口しているアポクリン腺からの汗。

 

エクリン腺からの汗は、普段からかいているとどんどんかけるようになります。汗は血液をろ過した水分なので、ニオイがありません。

 

が、夏場暑いときにどんどんかく汗は汗腺のろ過機能がじゅうぶんに働いていないので、ミネラル成分が一緒に出てきてしまいます。このため蒸発しにくく、蒸れやすい。

 

さらに、皮膚常在菌がミネラル成分を食べて繁殖するので、余計ニオイやすい汗になります。

 

40代でも普段からヨガ、運動、入浴でしっかり汗をかいていれば汗腺がよく働くのでサラサラのよい汗になりますが、運動してこなかった人、浴槽につかる習慣のない人はなかなか汗をかけず、べたっとします。

 

だから、毎日「発汗」する習慣を取り入れるのは重要なんです。

 

ワキガの原因となる汗は、アポクリン腺から分泌されます。ワキガは日本人の10%くらいが遺伝的に持っていますが、遺伝なので、ある日急にワキガになるということはありません。

 

ストレスがかかったときに「手に汗を握る」ことがありますが、あの手の平や脚の裏、ワキにかく汗はアポクリン腺からも出ます。なので、緊張の汗は普通の汗よりはニオイやすい。

 

また、疲労があると汗自体からアンモニアがニオイやすくなるので、慢性的に疲れているときは汗自体がアンモニアくさくなり、ツンとします。慣れればニオイによって人の精神状態がわかるようになります。

 

また、更年期のホットフラッシュでかく汗がクサイとおっしゃる方がいますが、この汗は一瞬でどっとかくので、運動でかく汗よりはニオイやすいもの。主に首から上にかくので、顔や、顔回り、そして手足のニオイが気になるという人がかなりいます。

 

2・足のニオイ → 足裏の水分に対策が必要

自分でも気づくことが唯一多いのが足のニオイ。これは人は全員持っています。

 

ニオイを発生させるのは足裏の常在菌で、湿度、角質や汚れなど餌といった条件が揃うと確実にニオイが発生します。

 

日本はそもそも高温多湿なので悪条件。中でも夏場、汗をかく季節は靴の中の湿度が悪化します。

 

また、年齢を重ねると角質が肥厚し、その間の落としきれない汚れもどうしても増えます。

 

予防するには、まず高温多湿を防ぐため、足裏の発汗をおさえるクリームや、抗菌インソール、靴下を使ってください。クリームだけでも通勤中程度ならニオイはおさえられますので、お座敷で靴を脱ぐ日はぜひ活用を。

 

また、毎日同じ靴をはいていると湿度が高いままなので、靴は連続して履かず、毎日交換することが重要です。足の通気性をよくするため、できれば会社では靴からサンダルに履き替えてください。

 

足の角質ケアはしたほうがいいですが、こすりすぎると逆に肥厚することもあります。角質は足裏を守るために存在するため、ヘタに削るとますます分厚くなります。なので、お風呂の中でふやけたあとに手でこするだけで十分です。

 

保湿も、かさついているようならしっかり行い、角質がはがれ落ちて細菌の餌にならないように整えます。足裏のガサガサが手にひっかかり始めたら要注意です。

 

3・頭、耳裏のニオイ → 皮脂をオフする

頭皮のニオイが気になるという声も更年期世代から挙がります。頭皮のニオイは皮脂と汗の混合臭で、女性は男性より髪が多い分だけ蒸れやすくニオイが発生しやすいんです。

 

とはいえ、洗いすぎるのもNG。夏の頭皮は冷房で乾燥します。皮脂には皮膚のバリア機能もあるので、洗いすぎると取られた分だけ分泌され逆効果です。運動したとき以外は、1日1回洗えばじゅうぶんです。

 

「耳の後ろがクサくなった気がする」と言われることがありますが、実は皮脂の分泌が増えるのは後頭部。男性特有と言われるミドル脂臭は汗と皮脂の混合臭ですが、後頭部から出るのがまさにこの混合臭なので、寝室の枕がおじさん臭くなるというわけです。

 

加齢臭は背骨のあたりに、混合臭は後頭部に出ます。

 

ですので、特にニオイの出やすい夏場は1日1回適切にこれらの場所を洗い流し、頭部には専用の制汗スプレーを使うといいでしょう。また、皮脂が残ると脂臭さの原因になるので、頭皮の毛穴ケア用アイテムを使い、しっかりと毛穴の汚れを落としてください。

 

あまりに皮脂を取りすぎると、かさつくのに脂っぽい混合肌になってしまいます。気になる人は頭皮用の化粧水で保湿してください。冬場は洗浄力のおだやかなアミノ酸系シャンプーがいいでしょう。

 

4・口のニオイ → 原因は歯周病かも。歯ブラシだけではNG

特殊な病気を除くと、ヒトのニオイは口臭が一番多く発生します。特に糖尿病など生活習慣病と関連して、互いに悪い影響を与えあいます。なお、口と足のニオイは関連しません。

 

女性が気にしておらず、盲点になっているのも口臭です。口臭には誰にでも発生する「生理的口臭」と、疾患が原因で起きる「病的口臭」の2種類があります。

 

「生理的口臭」は食後時間がたてば出るものです。唾液が減るとより起きやすくなるので、加齢が進むほど口が乾き、口臭が出ます。また、普段から柔らかいものばかり食べて唾液分泌の能力が下がります。

 

このほか口呼吸になったり、緊張やストレスをかけすぎても口の中が乾いて口臭の原因になります。鼻呼吸を心がけ、ストレスをオフする必要があります。

 

いっぽう、「病的口臭」の原因の大半は歯周病。40代ならば8割が歯周病を持っています。日頃のデンタルケアが歯ブラシだけという人は一層注意が必要です

 

歯周病には歯ぐきが腫れている「歯肉炎」の段階と、もっと進んで骨に影響の出る「歯周炎」の2つの段階があります。

 

歯科医には歯が痛くなったら行くという人が多いのですが、自分が歯肉炎と歯周炎のどの段階にいるのかは歯科医にしかわかりません。

 

歯周炎まで進行していたら迅速に医学的治療が必要ですし、歯肉炎でも日常のより高度なケアが必要。歯科の定期検診、予防検診は最低でも半年に1回は予定してください。

 

40代の口のケアに必要なものとは?

最近、口臭の中でも「ザリガニ臭」が話題ですが、これは私たちが口腔ケアとして歯ブラシしか習っていないのも原因の一つ。歯ブラシだけでは歯周病の原因になる歯垢は4割磨き残してしまいます。

 

歯垢を長年放置していると歯垢が歯と歯の間や、歯と歯茎の間に残ってしまい、歯と歯茎の間にポケットができます。歯周ポケットの中は酸素がないので、ドブの中と同じような環境ができ上がります。

 

食べ物のかすなど豊富な餌があり、歯周病菌が発生して増殖、ザリガニやドブのようなニオイを発生させるのです。この菌の密度は糞便以上だと言われます。硫黄くさいニオイを感じるならこの状態です。

 

女性の場合はデンタルフロスや歯間ブラシを使っている人が多いのですが、それでも歯垢は2割は残ってしまいます。なので、フロッシングはもう常識、必ず全員やっていただき、さらにプラスのケアとして歯周ポケットの中の洗浄をしてください。

 

私が個人的に愛用しているのはジェットウォッシャードルツ。超音波水流で効果的に歯垢を流します。最近はハンディタイプのタンク容量がアップし、1回の給水でだいたい1分使えるようになりました。

 

ジェットウォッシャードルツ EW-DJ52 オープン価格/パナソニック お風呂でも使える防水コードレスモデル。編集部調べでは、1万4000円前後(税別)。

私は歯ブラシも音波振動ハブラシドルツを愛用しています。歯ブラシ自体は毎回3分くらいで、その後デンタルフロスを2~3分使って歯間の歯垢を落とし、最後にジェットウォッシャードルツで3分ほどかけて歯間に一通り当てます。3回ほど給水しながらです。このように、毎日の歯のケアに10分程度を使っています。

 

体臭はあって悪いものではありません。誰にでもあるものですが、さぼっているとより悪化します。

 

更年期以降の加齢臭は、フレグランスの専門家いわく、円熟味を感じる香りでもあります。単にクサイだけではなく、その人の深みが現れる香りでもあるので、こうしてライフスタイルを整えてもなお出るニオイは円熟味だと思えばいいと思います。

 

>>>前編ではこのニオイが出てしまう理由について詳しく解説!

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