【更年期卒業者の体験談】ホルモン補充療法で月経が60代まで続く場合、閉経はどう判断する?

月刊女性誌の専属ライターとして美容全般、健康、予防医療、旅、ライフスタイルなどを約11年担当してきたフリーライターの葉山より子さん。ライター業に足を踏み入れる前には、23年以上に渡って海外旅行のツアーコンダクターを努めていたという異色の経歴の持ち主です。

ベテランコンダクターとして指名のお客様も多く、海外に渡航するたび目の肥えたマダムから現地でのアレンジリクエストを受けるため、自然と世界の美容や健康法にも精通したという葉山さん。長年の取材と経験から「美は心身の健康の上になりたつ」を実感しているそう。

そんな葉山さんが「更年期世代の乗り切りにぜひおすすめしたい」というのがホルモン補充療法(HRT)。体験を教えていただきました。

前編『現在60歳の私が振り返る「更年期の始まりから終わりまで」。49歳、ホルモン補充療法を始めるとどうなる?』に続く後編です。

 

気になるのは「副作用」。生理のような出血(消退出血)が出るか出ないかは人それぞれ

お腹の張りや吐き気、乳房痛などの副作用は、私の場合、特に感じませんでした。

 

出血は、58歳まで黄体ホルモンのプロペラを月に11日間服用する「周期的投与法」をしていたので、飲み終えた後に3〜4日間前後、生理のように起こっていました。出血量が大量な時もありました。ですから、私はいつ閉経していたのかがわからないのです。現在は、黄体ホルモンを毎日服用する「持続的投与法」に変更しているので出血はありません。目が乾く、喉が乾くなどの症状を訴える人もいるので、体調の変化には忙しくとも敏感になったほうがいいですね。

 

受診は、3ヶ月毎。担当の先生と体調や精神面について話せるのことで、副作用の心配は軽減しています。年に1回の乳がん検診と子宮がん検診も欠かさず、職業柄不規則な生活になりがちなのですが、食事や生活習慣、運動など気をつけるようになり健康意識が高まりました。

 

HRTの効果をとりわけ強く感じたのは、初めてから5年たってからでした

ホットフラッシュに対しては開始してすぐに効果があり安心できましたが、HRTの効果を強く実感したのは、5年目ぐらい、54歳ごろの時。仕事と用事が立て込んでしまい、受診ができず1ヶ月ほど服用できなかった際、関節のこわばりが強くなり、気持ちはどんよりとどんどん暗くなって、以前より疲労感を強く感じました。

 

服用を再開すると、いつの間にか改善し元気に過ごせるように。それ以降、後戻りが怖いので途切れないよう気をつけています。

 

寝付けない、すぐに目が覚めてしまうという睡眠障害や落ち込みやすさ、疲れやすさなどはずっとあるので、漢方薬や鍼灸、オイルマッサージ、アロマテラピー、サプリメント、ヨガや筋トレなど色々と試してきました。しかし、もしHRTをしていなかったら不調のオンパレードで一体どうなっていたのだろうとHRTをしていて本当に良かったと思っています。

 

最近は、登山での下山中、大雨で急斜面を滑り落ちてしまった際、骨折しなかったことで、これはHRTの骨粗鬆症予防の効果のお陰かもしれない!?と感じました。始めたころは知らなかった予防効果です。

 

ところで、HRTっていつ「やめる」のでしょう。そして「更年期の終わり」はどう訪れる?

11年前、ネットで「5年以上のHRT継続で乳がんと子宮体がんの発生リスクが上昇するので、5年未満で終わらせた方がいい」という指標を読みました。でも、「54歳はまだ更年期中で止められないでしょう」と思っていました。

 

現在のガイドラインでは「年齢や投与期間の制限はない」とされています。60歳を過ぎてからホットフラッシュを起こす人もいるそうなので、HRTを止めて症状が再燃するのは、1ヶ月服用しなかった時の経験からも怖く、当分続けたいと思っています。

 

HRTをしている人にとって、更年期の終わりは「いちどHRTを止めてみて、心身の変化がなければ終わっている」という判断なのでしょうね。私はいちどお薬を止めたときに体験した不調があまりに強かったため、まだ確認する踏ん切りがつきません。ですから、年齢的には不調は終わっているかもしれませんが、「終わりはわからない」、でもわからなくても体調がよければそれでいいのではないかと思っています。

 

また、仮にHRTを止めて、調子が悪くなったとしても、再開できることを知っていて、しかもそれで回復することを身をもって知っているため、気が楽です。

 

これから更年期のみなさん、「かかりつけ医」を持つことが本当に大切です!

世の中には、更年期に関する情報や宣伝広告があふれていて、何を選択したらいいか悩みます。体に合わないサプリメントを摂って健康被害を生じたり、間違いも起こります。ですから、まずは、「婦人科のかかりつけ医」を持って、定期的に受診し、専門医に相談することが何より大事だと感じています。

 

更年期に入り、なんだか体調が悪いと感じていたら、我慢せず早めに、専門の「更年期外来」や「女性ヘルスケア専門医」を検索して、訪ねてみてはいかがでしょうか? 不安が安心に変わると思います。

 

更年期に重なる仕事や家庭、親の問題などを健やかに乗り越え、前向きな気持ちで人生を過ごしていきたいですね。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク