【40女の恋愛事情】story2 私は彼の特別になれますか?-45歳・真由子の場合(1)-
一人で大丈夫と思う日もあれば、ずっと一人でいることが不安になる日もある。
いろんな気持ちの狭間で揺れ動く私たちの世代。独身ならどんな恋愛をしているんだろう、既婚なら何を考えているんだろう。
あまり語られることのないアラフォー女性の恋愛事情をクローズアップした小説、【40女の恋愛事情】。
一緒に胸を痛めたstory1に続き、story2が始まります。45歳・真由子の場合を3回連続でお送りします。
舞台が終わると、劇場の周りにはどっと人が溢れる。
私はその人波から逃れるように、劇場前の信号を渡り、右に曲がり、街道に沿って歩き始める。
何分か進むと、公園がある。
私はそこで、彼を待つのだ。
さっきまで、舞台の上に立っていた彼を……。
公園といっても都心なので、足元はレンガが敷き詰められていて、土は見えない。
公園のベンチに腰を下ろす。
二人掛けの小綺麗な木目のベンチがあちこちに置かれ、ところどころに、花の鉢植えがある。
ベンチにいるのは、私以外は、カップルばかりだった。
でも、私だって、彼が来れば……。
彼が来れば、カップルに、見えるだろうか。
彼は23歳で、私とは20近くも歳が離れているけれど。
夜の公園は、ライトに照らされて、薄暗いような場所はない。
公園に隣接したカフェも、後片付けが始まっている。
もう夜の9時過ぎだった。
午後7時に始まった舞台の上演時間は、2時間ほどだった。
素敵な舞台だった。
ステージでは運命の恋の相手を探して、主人公は旅を続けていた。
ほんの一瞬、道ですれ違った女性。
たったひとこと交わされた言葉にピンときた彼は、世界の果てまでも彼女を探しに行く。
いつしか私は、主人公と自分を重ねていた。
私も、たったひとことの優しい言葉がきっかけで、彼を好きになったから。
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
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