閉経前最後の恋は終わり、代わりに乳がん治療が始まった【100人の更年期#92】後編
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
前編『閉経間近のオンナって、気持ちじゃなくてカラダが「最後の恋愛」をしたがるんじゃないかな』に続く後編です。
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【100人の更年期#92】後編
サエさん 50歳
夫と子ども3人との5人家族。50歳の誕生日に乳がんと診断され手術。現在は抗がん剤治療中
やせてキレイになった姿を彼に見せたい一心で8キロのダイエットに成功したが
それからしばらくして、彼も私も職場を離れ、会うことはなくなりました。二人とも期間限定の職場だったため、一緒に働けたのは3~4カ月でしたが、その間は恋する乙女になることができてとても幸せな時間でした。
一緒に働ける日が終わりに近づいたある日、休憩時間に彼と食事の話をしました。私が「白ごはんが大好きで、朝から2杯食べるの」と言うと、ジムで体を鍛えている彼は「あまり食べすぎると体形が崩れるよ」と冗談めいた口調で返してくれました。
私はこのとき「やせてキレイになった姿を彼に見せたい」と思い、ダイエットを開始。これまで何度もダイエットに挑戦しては失敗してきたのに、恋の力ってすごいですね。炭水化物をほとんど食べず、代わりにプロテインを飲んでいたら、4カ月で8キロもやせました。でも、やせた姿を彼に見せる前に、会えなくなったんですけどね。
このとき、疲れた体に無理をしてダイエットしたことも、乳がんの進行につながってしまったんじゃないかと、後々思いました。本当のところは分かりませんが。
そんなこと、まったく予期していなかった…50歳の誕生日、乳がんの宣告を受けた
そして、49歳になったある日。自治体の健康診断を受けたところ、「検査を受けてください」と書かれた封書が届きました。何事かと思いつつ、まさか自分にがんがあるなんて思いもせず、病院へ行きました。
検査を終え、「2週間ほどで結果がでるので、また来てください」と言われて帰ったのに、予定よりもずっと早く、病院側から連絡がきました。このときはさすがに、「何か悪い結果が出た」と察知。そして7月に、乳がんのステージⅡBと告げられました。宣告された日は、私の50歳の誕生日でした。
ステージⅡBとは*、がんの大きさが2~5㎝で脇下のリンパ節に転移しているか、リンパ節などへの転移はないものの、がんの大きさが5㎝を超えている状態をいいます。これまで胸にしこりを感じたことはなく、定期的に健康診断を受けていたので、乳がんは他人事で、まさか自分の身に起こるなんて思いませんでした。
*国立研究開発法人国立がん研究センター公式サイト参照
女性がこんなふうに性の話をするのは「恥ずかしいこと」ではない。もっと語れたほうがいいと思う
乳がんを宣告された翌月の8月、これまでにない感覚の生理がありました。まるで花火のクライマックスのような大量の出血があったんです。かと思えば、翌9月の生理の出血は少量で。そして、昨年9月の生理を最後に、今日まで生理はきていません。
その後10月に、右乳房の摘出手術をしました。この時点ではまだ仕事を続けていましたが、手術後に、転移防止を目的とした抗がん剤治療が決まっていて気持ちが安定しなかったので、仕事は辞めました。
現在は、抗がん剤治療の点滴を受けながら生活しています。結局、さまざまな体調変化が更年期によるものか、更年期と乳がんに関係があるかなどは分かりません。ただ、「閉経前のカラダは最後にひと花咲かせたがる」という点は、誰でも起きうるんじゃないかと私は思いました。
私たちの世代は、女性が性的な話をしたり考えたりすることは恥ずかしいことで、秘めるべきものという感覚があります。でも、本当はごく自然なことで、もっと性についてオープンに話したり、情報共有したりしてもいいんじゃないか、そのほうがみんな幸せじゃないかと思うんです。
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