恋愛不要、セックスだけ欲しかった女性に変化が。【40代、50代の性のリアル】#3(後編)
これからの時間を一緒に過ごす人
しかし40代を迎え、曲がり角を迎えた。
「パタッと性欲がなくなったんですよ」
まさか自分にそんな日がくるとは思っていなかったと、エイコさんはいう。
「もしかすると年相応の変化なのかもしれませんが、自分のなかの欲求がなくなって火が消えたようなさみしさがあります。若いころから愉しんでいたものがひとつ欠けちゃうっていうことに不安も覚えます。その一方で、もう少し遊びたいなぁっていう想いもあるんですよ。でも40代になると急に、お互いセックスを愉しみましょう、という合意を得られる男性と出会うのがむずかしくなりましたね。私自身は年齢をほとんど気にしたことがないのに、40代って周りからそういう対象として見られにくくなるんだって、ひしひしと感じています」
これまでエイコさんが出会いの場としていたところでは、若さが評価される傾向がある。それはしょうがないこと、と一抹のさみしさを感じるエイコさんだが、そのことが自分が本当に求めているものを見直す機会にもなったようだ。
「遊びたい、セックスしたいといっても、即物的に愉しんでいたこれまでと違って、一緒に映画観にいくとかデートっぽいことをしたいな、って思うようになったんです。肌のぬくもりがほしい。結婚は特に考えていないですが、パートナーと呼べる人ができて、この先の時間を一緒に過ごせればいいな、と強く思うようになりましたね」
そういう人とはどこで出会えばいいのかわからないですけど、とエイコさんは小さな声で話を締めくくった。
40代の出会いのむずかしさはさておき、これまでのエイコさんは自分が求めるものにとても忠実に生きてきた。これから先も、したいこととしたくないこと、欲しいものと欲しくないものをはっきりさせながら、初めての「パートナー」を探していくのだろう。そんな彼女を好きになる人は、きっといるに違いないと思わされた。
>>次のお話「セックスは嫌いだった、不倫の恋に落ちるまでは」(4/ 24 更新)
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