セックスレス。したい私と、したくない夫。【40代、50代の性のリアル】#5(前編)

2023.04.25 LOVE

何度もふたりで話し合った

筆者はこれまでハウツー・セックス本を何冊か作ってきたが、そうした本では「セックスレスになってから復活させるのはとてもむずかしいので、そうならないように予防を」と書いてある。さらにはセックスレスにならないためにも、「ふたりでよく話し合いを」と続く。けれど、話し合うべきだとわかっていてもそう簡単に話せない、という声が多い。しかしサトミさんは、

「ウチは膝を突き合わせて話し合いましたよ、何回も。けれど、どれだけ話しても平行線。する日程をあらかじめ決めておこう、っていう案も出たんですけど」

忙しいふたりだから、その日に向けて予定を調整していくという考えなのだろうか。

「はい。でも、それって味気ないねって話になっちゃって」

そしてこの方法では、セックスレスになった理由の根本的解決にはつながらない。

「夫は、もう性欲がないそうですよ。私も結婚当初と比べると減ってきてはいますが、それでも週1ぐらいではしたい。いまのままでは欲求の持って行き場がないから不倫するしかない、と考えたこともあります。マッチングアプリを試したこともあるんですが、会うまでにも至りませんでした……それというのも、私が潔癖症だからです」

 

子どものころの影響が今も

恋愛やセックスに対して潔癖で、それは子どものころの体験に根ざしているーーとサトミさんは自分のことを分析する。サトミさんの母親は、常に男性に依存して生きていた。家にもしょっちゅう男性を呼び入れ、子どもの前でもお構いなしでイチャイチャしていた。小学生だったサトミさんは、母と男とのセックスまで目撃している。

これだけでも虐待に相当するが、母の再婚により義理の父親になった男性から性虐待を受けた。サトミさんはそのときから男性を信じられなくなった。

「10代のころは意識して男性を遠ざけたこともありますが、そのうち彼氏ができ、セックスを知って潔癖症も少しはやわらぎました。だけどいまも、すごく性にとらわれてしまうところがあるんです。性虐待を受けた人によく見られる現象らしく、潔癖症になったり依存症になったりするそうです。私の場合はその両方。仕事にはずっと依存しているし、若いころからセックスにも依存してきました」

 

【編集部より】

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