二度目のベッドでは、私からローションを差し出した【40代、50代の性のリアル】
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いまやマッチングサービスは、世代を問わず不可欠な出会いのツールとなっている。40~50代でも、婚活や恋人探し、飲み友だち探しとさまざまな目的で利用している人が少なくないことは、OTONA SALONEの読者ならご存知のとおり。相手の人となりをある程度把握したうえで会えるということで、コロナ禍に入ってからサービスに登録した人もいるだろう。
どんな人と出会えるか。それは楽しみであると同時に、不安でもある。もし意外すぎる人とマッチングされてしまったら? たとえば、古い友人の家族とか……。
この話の前編は>>44歳、バツイチ。まさかの相手とベッドを共にすることに…?
でも、15年ぶりに…。涙が出てしまった理由って
「それより問題は、ブラジャーだったんです!」
……勝負下着下着ではなかった?
「それどころか、ブラトップです。私にもこういうときは勝負下着だというイメージがあったのですが、子育てに追われた15年間ブラトップしか着けたことがなくて、その日もそれ。でも勢いも手伝ってホテルに行っちゃいました。生活感がにじみ出た自分をさらけ出しても、この人なら大丈夫って思えたんです。幼なじみの話をたくさんしたのもあって、懐かしさのようなものを彼に感じていたのかな」
15年ぶりの、セックスである。かつてセカンドバージンという言葉もよく聞かれた。はじめてではない、だが緊張の度合いとしては同じくらい、もしかするとそれ以上かもしれない。
「気持ち以上に身体が緊張しちゃって、ぜんっぜん濡れなかったんです。15年ぶりということも話していたし、彼はとてもやさしくしてくれたのですが、せーの! で挿入したらアイタタタ……ッ!! となりました。目に涙がにじんで、彼は『痛かった?』と心配してくれたんですけど、違うんです。痛みではなく、人に抱かれる安心感や肌のあたたかさを感じたら泣けてきて。20代で経験したセックスは、子どもを作るためだったり元夫の性欲を満たすためだったりで、自分が愉しむということをまったく考えてなかったなぁ、私はさびしかったんだなぁって考えていました」
この人の気持ちが伝わってきた。肌をとおしてわかること
ノブオさんもちょうど、離婚から1年が経ったころだったという。ヨシミさんが感じていたのと同じぬくもりを、彼も感じ取っていたのではないか。
「私は看護師という仕事柄、肌のふれあいや表情で、その人の本音のようなものがわかるんです。たとえば何かの処置中に『痛くないです』と患者さんが言っても、言葉のとおり受け取るんじゃなくて、動作や表情で本当は痛いんだろうなと読み取る。この夜、肌をとおして彼のことをやさしい人だな、と思ったんです。だから濡れなくて痛かったんだけど、満たされました」
ヨシミさんは最初、ひと晩かぎりの関係でもいいと思っていた。けれど、もう一度セックスを試してみたいという気持ちがわいてきた。自分はちゃんと気持ちよくなれるのか。ノブオさんを誘い、待ち合わせ場所に向かう。バッグには、セックスローション(潤滑剤)が入っていた。
「産婦人科に勤務する友人から教えてもらったんです。彼の前でローションをバーンッと出して、『あなたとのエッチはよかったから、もう一度これを使って試したい!』と伝えました。私は看護師なんだし、もう開き直っちゃおう、と。これで最後かもしれないと思っていたから、こうしたい、もっとこうしてほしいということもはっきり伝えて……そしたら、痛みはゼロではないんだけど、とてもスムーズにできました」
▶息子も気がついた、私の変化
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