パンプス迷子は「ふわふわな中敷き」に要注意。なぜ「最初に履いたときの感覚が続かない」のかプロが解説

パンプスを試し履きした際に今までにない「ふわふわな中敷き」の感覚に出会い、下記のように思ったことはありませんか?

 

■自分に合ったパンプスをやっと見つけることができた!

この感覚絶対間違いない!今までどれだけのパンプスを試しても、土踏まずがスカスカで、足にフィットするものが見つからなかったけども、今回見つけたパンプスは、まさに私の足にピッタリとフィットしてる。

 

■足に負担がかからない感じがする

歩くのが楽しくなっちゃう。今までのパンプスと比べ物にならないほど、履き心地が良くて、これだったら痛くならないかも!やっと自分に合ったパンプスを見つかった!ファッションの幅が広がりそうで、楽しみ。

しかしそこには大きな落とし穴が……

 

もしかしてパンプス選びを失敗したかも?

試し履きで感動した靴を実際に履いてみると、思わぬ問題が発生することがあります。

 

「この感覚ワクワクする!」と履いてみたものの、昼頃になると「なんだかおかしいかも、擦れている気がする」感じ、2日目には「少し緩いし、やっぱり足がすれている」と思い、3日目にはあのふわふわの感覚がなくなっていました。

 

試し履き時の感動はいったい何だったのでしょうか?

 

中敷きに使うスポンジの不都合な真実

多くの人々は、足にぴったりとフィットして、とても柔らかく、快適な中敷きに魅了されているのかもしれません。しかし、そこには長期的に見ると欠点があります。

 

■中敷きのスポンジは耐久力が低い

擦れる原因として、むくみの可能性も考えられますが、多くの場合はスポンジがへたってしまった可能性があります。

中敷きに使われるスポンジは、柔らかく作るために耐久性が低くなっています。繰り返しの圧縮によって、わずか1000回でもスポンジは劣化してしまう事もあります。

1日に3000歩から、多い方だと1万歩、あるく場合もあります。初日、履いている最中に変化が起きる事もあります。

 

■スポンジが多いのは演出のため

店頭で履き心地がよくなるように演出として利用されています。土踏まずのあたりやカカトの中心などに大量にスポンジを盛っているパンプスもあります。

 

■過剰なスポンジは悪影響

スポンジは筋肉をサポートしたり、着地の衝撃を吸収する役目も果たしますが、逆に筋肉が動きにくくなって、靴を脱がしてしまう力が発生することもあります。

鈍感な足裏へのアピールのためのスポンジは着地も安定しなくなるため、グラグラして捻挫しやすくなります。悪循環は巡り、そのぐらつきを吸収するために足が疲れやすくなってしまいます。

 

40代から始めたいオーダーメイドパンプス。骨をしっかり受けとめるパンプスを選ぼう

ピッタリ合うパンプスを見つけられることもありますが、一律に作られている中敷きが個人個人の足に合うことは少ない傾向にあります。

ではどのようにパンプスを選べばいいのでしょうか。

 

■まずはスポンジマジックから目を覚まそう

スポンジがあるよりも、無い方が先に挙げたような変化が発生せず、長い間同じ状態をキープ出来るので、スポンジの少ない足に合った靴が見つかればその状態が長く続きます。

スポンジがへたり隙間ができると、足が靴の中で動きやすくなり擦れやすくなってしまいますので認識(知識)のリセットをしましょう。

 

■足の形状を知ろう

オーダーメイドの靴屋さんに相談すると、足の形状を計測して、足の特徴を教えてくれます。
筆者の店舗でお客様に、どちらの足が大きいと思っているか聞くと、8割ほどが間違った足を大きいと錯覚されています。そんな、分かりやすい足の大きさでさえも、個人の認識が間違っている事があるので靴選びは難しいと感じるのです。しっかりと足の特徴を理解出来れば簡単になります。

 

■今こそパンプスの履き方を学ぼう

ふわふわな中敷きから卒業して、骨にあったパンプスを専門家と一緒に探してみてはいかがでしょうか。
専門の方と足の特徴の理解や、こんなパンプスを探して調整して履くと良いですよ、というお話をさせて頂くだけでも今後の参考になると思います。筆者の店舗にご来店頂き、ぜひ相談してみてください。

 

年を重ねた今だからこそ、足を労りおしゃれを楽しみませんか?
ご自身の足の特徴を知ってもらい、間違った知識によって、パンプスの迷宮でつらい思いをされている方のお役に立てれば、それだけで嬉しいです。

株式会社crossDs japan 代表取締役 諏訪部 梓

プロフィール:
1984年生まれ。ガンダムが好きで、ロボットを作りたいとロボット造りが学べる国立沼津高専に入学、NHKのロボコンに参戦。2002年大会ではチームリーダーを務め、地区大会優勝、全国大会ベスト4の成績を修める。国立長岡技術科学大学の経営情報工学科に進学、ITと経営について学び、2007年からITコンサルタントとして小売業を中心に10年以上、顧客の経営革新や最新IT技術を使った取り組みに携わる。ITコンサルの時に3Dプリンタの特許が切れ、手軽に3Dプリンタが使えるようになり、3Dプリンタを使ったもの作りにチャレンジしようと考えオーダパンプスにたどりつく。

 

個人専用に木型(靴型)を3D計測データを使い、3Dプリンタで製作するオーダーメイド3Dシューズの提供サービスAYAME|菖蒲を2020年2月にスタート。同世代の靴作りの仲間や靴職人60年以上の大ベテランを率いている。オーダーパンプスを修理付きのサブスクという新しい利用の仕方で消費者に提供中。パンプス以外に紐靴、スニーカー、ブーツなども3D製作している。男性ではあるが、日頃から製品研究のためにパンプスを履いて仕事をしている。工房にはパンプスを求める男性客の来店も増えてきている。

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