
令和最大の育児の進歩「液体ミルク」とは?親の実感は?#令和の子#令和の親
私自身、平成最後の年に1人目を、令和3年に2人目を出産し、そのたった3年の間に劇的に変わったことが1つありました。それは「液体ミルク」の存在。
赤ちゃん連れで出かける際、オムツ替えと並んで行動の軸になるのは「授乳」です。最近は百貨店やショッピングセンター、ターミナル駅などには「ベビー休憩室」があり、調乳用のお湯が手に入ることもありますが、外でミルクを飲ませるには基本的にお湯を入れたボトルや消毒済みの哺乳瓶などを持ち歩かなければなりません。それが、調乳いらずで飲ませることができる液体ミルクの登場によって、荷物も手間もぐっと減ったという実感がありました。
画期的なものだけに、登場した時は「こんなに便利なものがあるのか!」という驚きとともに「栄養面や安全面など、赤ちゃんに飲ませても本当に大丈夫なの?」という不安や「なんだかラクすぎて手抜きしてるような…」と罪悪感のようなものを感じた親は私だけではなかったはずです。しかし、その後4年ほどが経ち、今では子育てするうえですっかりおなじみのアイテムとなり、公園などで赤ちゃんに液体ミルクを飲ませる光景もすっかり浸透。防災グッズとしても広く認知されています。そんな液体ミルクがさらなる進化を遂げたいうことで、取材しました。
「明治ほほえみ らくらくミルク」がリニューアル
液体ミルクの国内トップシェアブランド「明治ほほえみ らくらくミルク」が、2種の容量のリキャップ式へリニューアル。そのお披露目イベントが5月に行われた。
哺乳びんに注ぐだけの液体タイプ。お出かけするとき、夜間授乳のとき、祖父母にお世話を依頼するとき…。共働き世帯が7割まで増加した現在、調乳が不要な液体ミルクは、限られた時間の中で育児をする令和のママ・パパには今や欠かせない存在になりました。ただ、月齢によって飲む量が違うため、これまでのプルタブタイプの240ml缶では「量が多くて飲みきれない」「残したミルクを外では捨てづらく、余った缶を持ち歩くのが不便」という声も。そういったユーザーの声に応え、今回あらゆる赤ちゃんにちょうどいい、リキャップ式の2種の飲みきりサイズに一新。容量もすべての赤ちゃんを網羅できるよう、さまざまな調査が行われたそう。
「それぞれの月齢の飲用量に加え、完全ミルク育児、母乳と混合、その中でもミルクが多い、母乳が多い。ECサイトのレビューや、インスタなどのSNSにあげられた液体ミルクに関する投稿も調査。育児をする方の求める量を徹底的に分析して、いちばん多くの赤ちゃんに対応できる量として、低月齢から使いやすい120ml、高月齢時に使いやすい200mlに設定しました。また、一度あけても閉められるリキャップ式にしたことで、飲み残しても蓋をして持ち歩くことができるように。日常的に育児に寄り添う設計を目指しました」(株式会社 明治 乳幼児・フェム二ケアマーケティング部 江原秀晃さん)
哺乳びんシェアNo.1のピジョン「母乳実感」の乳首がつけられる専用アタッチメント(企画品に付属)を装着すれば、缶のまま飲ませることもできる。哺乳びんに移し替えて飲ませる場合は、缶に余ったミルクは蓋をしめておけば2時間以内なら使用可能。授乳間隔の狭い低月齢の赤ちゃんにはありがたい。
なぜ?海外では一般的な液体ミルクが日本になかった理由とは
手軽で便利。海外ではごく一般的だった液体ミルクが、なぜ最近まで日本になかったのか。その理由は、製造・販売するための規格がなかったことだという。
「液体ミルクの存在が日本で広く知られるようになったのは、2014年の熊本地震が大きなきっかけ。フィンランドから液体ミルクが緊急輸入され、日本中で液体ミルクの存在があきらかになりました。『こんなに便利で安全なものがある』と、海外で生活する有名人やインフルエンサーが液体ミルクをSNSで紹介・呼びかけたこともあり、栄養が取れず母乳が出ない、ミルクを作るためのお湯を沸かせない、清潔な哺乳びんも手に入らないといった災害時における液体ミルクの必要性に注目が集まり、各地で署名活動が展開。日本中に液体を作らなければいけない雰囲気が広がり、いよいよ国が動き出して小池都知事などの女性議員が中心となり、液体ミルクの法整備が急速に進み、2018年8月に液体ミルクの製造・販売が解禁となりました。2019年3月、明治は日本初となる液体ミルク「明治ほほえみ らくらくミルク」を発売。現在は4社が販売しています」(江原さん)
液体ミルクを開発する上での一番の「課題」は?
「1923年に粉ミルクを発売して以来、母乳研究と発育研究を進め、さらに調査して母乳に近い成分と赤ちゃんの成長が得られる栄養設計にしています。粉ミルクの場合、液体の中にさまざまな成分を入れて乾燥させますが、液体ミルクは缶の中に液体を詰めて高熱で殺菌をする。作り方が全く違うので、同じ原料でも同じ栄養成分にならない。粉ミルクと同じ栄養素を保つために細かな調整が必要でした」(江原さん)
現在、先進国の乳児用ミルク市場における液体ミルクのシェア率は約10%。日本は2.6%が現状。とりわけ災害が多く発生しやすい日本では、最低でも15〜20%程度液体ミルク市場は拡大していくと考えられている。
さらに「明治ほほえみ らくらくミルク」は平常時と非常時の壁を取り払うという新しい概念の「フェーズフリー認証」を、乳幼児向け商品では日本ではじめて取得。
「ふだんから液体ミルクに慣れていないと、いざというときに飲んでくれないことも。日常的に液体ミルクを使用することで、いつ災害が起きてもスムーズに飲んでくれるように。母乳で育てている方も、非常時に備えて夜間授乳や外出時など、使い慣れておくことも大切です」(江原さん)
なかには、10人に1人くらいの割合で常温のミルクを嫌がる赤ちゃんもいるのだとか。そんなときは、缶や哺乳瓶に移し替えたミルクを軽く湯煎して人肌程度にあたためてからあげるのがポイントだそう。与える前にはかならず手首の内側に缶や哺乳瓶を当てて温度が高すぎないことを確認して。
育児中のママ&パパの反応は?
イベントでは授乳中の赤ちゃんを育てるママ・パパ向けの「明治ほほえみ らくらくミルク」の先行体験会も行われた。
「液体ミルクをあげたのは今回が初めてでしたが、粉ミルクと変わらずごくごく飲んでくれました。5ヶ月をすぎてお出かけが増えてきたので、お湯や哺乳瓶などの持ち歩く荷物を減らせるのはうれしいですね。育休を取得しているので、夜間は僕が授乳担当することも。眠くて調乳するのも一苦労ですが、液体ミルクならそのまま注いで飲ませるだけなので手間がなく、泣いている赤ちゃんを待たせるストレスがないのも助かっています。妻も僕も実家が遠く、二人だけで育児をしているので、少しでも負担を減らせるのはとても心強いですね」(神田●●さん/5ヶ月男の子のパパ)
2014年の熊本地震をきっかけに災害備蓄を前提に開発されたため、長期保存が可能なスチール缶タイプに。また、乳幼児の1回あたりの最大哺乳量の目安である240mlに設定し発売。それが、実際に蓋をあけてみると、利用目的の1位は災害備蓄ではなく「日常生活の外出時に使用」だったという。
共働き世帯の増加に加え、育児休業法の改正、新型コロナの影響による働き方の変化で、夫婦一緒に子育てをすることがだいぶ浸透しつつある令和のママ・パパ。今回のリニューアルを受けて日常の利用シーンはさらに拡大し、ますます子育てに欠かせない存在となりそうだ。
明治 お客様相談センター TEL:0120-358-369
(取材・文/村上 歩)
※この記事はオトナサローネとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
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