「夫は私に関心がないんです」1歳の我が子を預けて不倫する、42歳女性の心の暗闇とは【不倫の精算 ・リバイバル4】後編
そもそも、夫は私に微塵も興味を持っていない
「もちろんよ。
あの人の会社からなるべく遠くにするつもり。
それに、どうせ私が何をしたってあの人は関心がないんだから、来ようなんて気も起こらないわよ」
中を飲み干したカップに目を落としながら、Gさんはつぶやいた。
そう、夫の無関心を誰よりも感じるからこそ、こんな“決断”ができるのだ。
何をしていたって、夫は収入が自分より高いことに嫉妬し続け、モラルハラスメントを繰り返すことで溜飲を下げる。妻の大変さを見ようとはしない。
仕事部屋が実は不倫相手との逢瀬の場でもある事実など想像もしないだろうし、そもそも訪ねるほどの愛情も、興味もない。
それを一番知っているのがGさんであり、この大胆な計画は、夫への意趣返しでもあるのかと感じた。
「ねえ」
伝票を引き寄せながら声をかけると、Gさんはゆっくりと顔を上げてこちらを見た。
「仕事、うまくいくといいね」
力がこもらない言葉に、Gさんは曖昧な表情を作って頷いた。
自分の選択は「破滅の入り口」でもあることを、誰より覚悟しないといけないのは彼女だ。
きっと、それもとっくに気がついているはずなのだ。
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この記事は2021年3月に初回配信されました。
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