同い年なのに老けて見える人の特徴は?【悩みを手放す21の方法#3】
曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職で、庭園デザイナーの枡野俊明さんの新刊『悩みを手放す21の方法』(主婦の友社)の中から、自分がラクになれるヒントを8回に分けてご紹介します。
今回のテーマは「姿勢を正す」です。
▶前回のテーマは「呼吸」
『心を整える第一歩が「息を吐く」こと。正しい呼吸法を身につけて』
正しい姿勢は、心と体を健康にします
同じ年齢にもかかわらず、見るからに若々しく感じられる人とそうでない人がいます。その違いはどこにあるのでしょう。
いちばんの違いは姿勢です。姿勢はその人の全体的な印象を形づくるのです。
年齢とともに筋力が衰えると、少しずつ背中が曲がり、骨盤が傾き、顔や首がうつむきがちになります。その姿が「老い」をイメージさせてしまうのかもしれません。
若さだけではありません。「美しさ」もまた、正しい姿勢の中に感じられます。立つとき、歩くとき、食事するとき、正しい姿勢を保っていると動きにムダがなく、見た目にも軽やかで美しい印象を与えます。
正しい姿勢は、健康を保つうえでも重要なことです。ねこ背の姿勢になると、首が前に出て頭が下がってしまいます。頭は重いので、本来は背骨全体で支えるものです。しかし首が前に倒れると頭の重さを支えるのが首や肩になるため、肩こりや頭痛を引き起こします。また、ねこ背になると胸や腹部が圧迫され、内臓の働きも悪くなります。
なかでも大きな問題は、呼吸が通りにくくなることです。試しに背中を丸め、うつむいた状態で呼吸してみましょう。吸い込んだ息が胸のあたりでつかえてしまい、おなかまで吸い込むことができなくなるはずです。
呼吸と姿勢は、車の両輪のようなもの。姿勢が正しくなければ深い呼吸はできませんし、呼吸が浅い人は姿勢も悪いと思って間違いありません。
では、 「正しい姿勢」とはどのようなものでしょうか。ひと言で言えば、頭のてっぺんと尾てい骨が一直線上にあるような立ち方です。
人間の背骨はS字形にゆるやかにカーブしていて、頭頂部と尾てい骨は、床から垂直に伸びる直線上に位置するのが本来の形です。その姿勢で立つと、体のどこにも無理な力が入りません。頭の重さは背骨で負担なく支えられますし、左右の足に均等に体重がのるはずです。肩に余計な力が入らないので、胸も開きます。
どうすればそのような姿勢をつくれるのかというと、下腹に力を入れることです。へ その下二寸五分の場所を「丹田」といいますが、ここに力を入れることで自然に骨盤が立ち、背骨がまっすぐ伸びるのです。
▶▶〈つづきを読む〉『実年齢よりも若くみえるためには、常に「姿勢」をキープ!』
悩みを手放す21の方法(枡野俊明著/主婦の友社刊)
プロフィール
枡野俊明(ますの・しゅんみょう)
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職。庭園デザイナー。多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。「禅の庭」を通して国内外から高く評価される。芸術選奨文部大臣新人賞受賞、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。『禅僧が教える不安に負けない心の整え方』(主婦の友社)など著書多数。
続きを読む
スポンサーリンク