面倒な仕事のお礼メールも簡単に書ける!3つの魔法のコツ
「メール見たよ!これでOK!次行って!」 仲間うちのメッセージだと20文字くらいで済みそうな用件でも、相手が取引先なら話は別。ほんと、簡単に書けたらいいですよね。さらにメールで敬語を使うとなると、使い方が合っているかどうか不安で、ネットで調べたり、辞書を引いたりする人もいるのではないでしょうか。今日は、小学生に国語を教えている私から、簡単にシンプルなビジネスメールが書ける方法を1つ伝授します。そしてそこに女性らしさも加えてみましょう。
コツ1 最初、つまり「前文」から書かない
小学生がおじいちゃんに手紙を書く時のワザをお伝えします。
夏休みやお正月が過ぎたあたりでしょうか、おじいちゃん、おばあちゃんにお礼の手紙やハガキを出したいけれど、書き方が分からないと相談を受けることがあります。おそらく、お年玉やお小遣いのお礼を出すように、親に言われたのでしょうね。
で、親もどう書かせたら良いかわからず、こちらに回ってきます。最近では、お礼を電話で済ませる家庭も多いようですね。私が思うには、この「電話で済ませた」世代が、今、お礼文が書けなくなっているのではないかというわけです。
小学生に手紙を書くアドバイスをするわけですが、教科書通り、まず、「前文」を書き、次に「本文」を書き、最後に「末文」を書いて、「後付」を添える。大人のメールもこの流れで書きますよね。でもどうでしょうこれ、楽しくありませんよね(笑)。
「前文」から切り出してしまうと、「難しそう」「めんどくさい」から「いやだ」に流れてしまいます。これは大人でも同じなのです。こういう人と人とをつなぐコミュニケーションの場合、実は形から入るのは非常によろしくないのです。では、どうしたらいいのか?
そうです。「本文」に該当する「相手に何を伝えたいのか?」というところから入ります。相手に伝えたいことがある。型はその結果生まれたものですが、何も最初からしなくてもいいのです。このコツさえつかめば、まず気が楽になります。
コツ2 何を伝えたいのかをはっきりさせて、それを伝える
「おじいちゃん、おばあちゃんに何を伝えたいの?」
「お小遣い届いたからありがとうって。それで、ほしかったゲームを買ったの!」
「じゃあ、そう書けばいいのよ」
「え?そうなの?」
そうなんです。それを書けばいいのです。
「んー、でももう少しちゃんとした言葉で書きたい。」
「そういうときは『です』『ます』をつけるだけでいいんだよ」
「えー?それだけ?」
そうなんです。
- お小遣い届いた→お小遣いが届きました。
- ありがとう→ありがとうございました。
- それでほしかったゲームを買ったの→それでほしかったゲームを買いました。
基本はこれでOKです。
「どんなゲームなの?」「どこがおもしろいの?」と聞くともう止まりません(笑)それに全部「です」「ます」を付ければいい、あとは「おじいちゃんへ」って書けばOK。
そう伝えました。きっと彼には、手紙で気持ちを伝える楽しさが伝わったと思います。そう、もともと手紙とはコミュニケーションツール。シンプルに伝わると楽しいものなのです。
ビジネスメールではどうする?
ビジネスメールも同じです。コミュニケーションツールなので、相手に伝わることが目的です。その後のお付き合いが円滑に行くことも大切ですね。こちらも同じ方法で、「前文」や「前書き」は後回しです。どうも日本人はきまじめで「拝啓」から考えるのでややこしくなるんですね。
冒頭の例で考えてみましょう。
「メール見たよ!これでOK!次行って!」
仲間内ならそれこそ、これでOKというメッセージ。これを取引先に送ります。小学生の手紙の場合と同じように、まずは「です」「ます」を付けてみましょう。
- メール見たよ→メールを見ました。
- これでOK→これでOKです。
- 次行って→次に行ってください。
本来ならこれで良いのです。スピードを重視するメールで、普段から前文や後付けを省略している取引先の場合は、これでも良いと思いますが、もう少し「形良く」しましょう。
- メールを見ました。→メールを拝見しました。メールを拝見いたしました。
「拝見する」は、「見る」の敬語です。 - これでOKです。→これで結構です。
「OK」はラフなので日本語に直します。
また「これ」が何を指すのかを詳しく言うこともできます。
これで結構です→この方向性で結構です。 - 次に行ってください。→次の行程に進めてください。次の行程に進めてくださいますよう、お願い申し上げます。
「次に行く」とは具体的に何をすればいいのかを伝えます。これがこの文章の一番の要点ですから、しっかり伝えましょう。
元の文
メール見たよ!これでOK!次行って!完成した文
メールを拝見いたしました。
この方向性で結構です。
次の行程に進めてくださいますよう、お願い申し上げます。
このコツをつかむと、一番言いたいことが行方不明になったり、ぼやけたりしないしっかりした本文ができるというわけです。
コツ3 クッション言葉もつけよう
普段から良好な関係が保たれている場合はこのままで大丈夫です。
もう少し、感謝等の気持ちを込めたい場合は、クッション言葉やつなぎの文を入れます。先週のクッション言葉のコラムは好評でした。このメールにもクッションになる言葉を入れてみましょう。ここで、女性らしい気配りが感じられるようになります。
メールを拝見いたしました。
お忙しい中、すぐにご連絡をいただきまして、ありがとうございます。(メールのお礼)
この方向性で結構です。
重ねてのお願いで申し訳ございませんが、(依頼のクッション言葉)
次の行程に進めてくださいますよう、お願い申し上げます。
そして、最後に末文にあたるものを簡単に添えます。
用件のみにて失礼いたします。
用件+クッション言葉。もうこれ以上付け足さなくても良いでしょう。このコツをつかめば、女性らしさがプラスされるというわけです。
必要なら挨拶を入れよう
「用件だけで良い」とされている場合以外は、冒頭に挨拶を入れましょう。それが「手紙」の「前文」にあたるものです。
- いつもお世話になっております。
- いつもお引き立ていただき、ありがとうございます。
などの当たり障りのないものが良いでしょう。ここで変に凝った文章を書かなくても大丈夫です。なお、手紙のルールにあるような季節の挨拶などは、ビジネスでは省略して大丈夫です。
後付けに当たるものは、ヘッダとフッタに分ける
手紙では、本文のあとに、相手の名前、日付け、こちらの名前と書きますが、日付けはメールでは不要です。相手の名前についてですが、受け取りミスなどを防ぐために最初に書きます。自分の名前は最後に書きます。署名ツールを使用する場合もあるでしょう。
元の文
・メール見たよ!これでOK!次行って!完成した文
○○会社 ○○○○
○○部 ○○○○様いつもお引き立ていただき、ありがとうございます。
メールを拝見いたしました。
お忙しい中、すぐにご連絡をいただきまして、ありがとうございます。
この方向性で結構です。
重ねてのお願いで申し訳ございませんが、次の行程に進めてくださいますよう、お願い申し上げます。
用件のみにて失礼いたします。○○会社 ○○○○
○○部 ○○○○
どうでしょう?たった150文字程度ですが、用件も伝わり、つっけんどんでもない文章ができました。もちろん初めてメールを出す場合や、お詫びのメールはもう少し長くなるでしょう。しかしそれも、今回と同じ方法で書くことができます。まず、友達に書くようにシンプルに書いてみる。それを敬語に直す。クッション言葉を入れる。前文と後付けを書く。その方法でシンプルでも良いメールが書けます。
【こうすれば書ける!シンプルなのに女性らしいビジネスメール】
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