更年期世代「好きなものを食べているときがいちばん幸せ」何を食べたら生活習慣が整うんですか?【高尾美穂先生の更年期の話#7】

雑誌の連載、テレビのコメント、ポッドキャスト……いつ、どこで触れても、同じようにあたたかく清々しい気持ちを受け取れる。そんな産婦人科医の高尾美穂先生に、普段からそっと心を支えてもらっている人も多いのではないでしょうか。

高尾先生をお招きして、主婦の友社の雑誌『健康』×オトナサローネ発の社会提言『アフタヌーンエイジプロジェクト』コラボレーションイベントのお話会が開催されました。

そのお話を7日連続で配信中。

 

「好きなものを食べているときがいちばん幸せ」何を食べたら生活習慣が整うんですか?

生活習慣を整えるというお話に関連して、「好きなものを食べているのがいちばん幸せで、この食生活が正しいのかがわからないため、サプリや予防できる食品をとりたいのですが、何がいいですか?」という質問をいただきました。

 

これ、とっても建設的な考えです。「足りなくなっていくなら、足せばいいじゃない」。この考えで医師が行うプロのケアが、女性ホルモンを足すホルモン補充療法(HRT)です。HRTは1か月の負担額が1000円前後で、何歳までにやめなくてはいけないという決まりもありません。ただし、乳がんの治療中や既往の人は使えないため、9人に1人は使えません。逆に言うと、9人に8人はこれを使えるとも言える。HRTを続けると、そのあと、女性ホルモン値が「低め安定」の状態になってからもいいことが多いんです。

 

一方、セルフケアでできることは、大豆製品を食べること。エクオールチェックを受ければ、体内でエクオールが産生できる体質かどうかがわかります。産生できる体質なら1日にお豆腐半丁、豆乳コップ1杯、納豆1パックのいずれかがとれたら、メンタルや手指の痛みなどにも、効果があります。

 

サプリメントの中にも「効果」と呼べる有効性を持つものが出てきているので、これらを選ぶのも一つの方法。私は体内でエクオールが作れないのでエクオールのサプリメントを飲んでます。とってみて、いちばん変化を感じたのはおでこのしわが減ったこと。小じわではなくて大路和でした。眉間など、飲んで半年もたったらずいぶん変わります。ですから、飲み始める前に比較用の写真を撮っておいてもいいかもしれませんね。

 

エクオールは食品なので、乳がんのリスクを心配する必要がありません。また、エクオールを体内で作れる人・作れない人を比べると、作れない人のほうが更年期の症状が重いというデータが出ています。半分くらいの人は産生できるので、比較すると更年期の症状が軽い群となっています。

 

身もふたもない事実ですが、もっというと、更年期の不調は偽薬(プラセボ)を投与しても3~4割がよくなります。エクオールのサプリではないものを飲んでいても、36%の人は調子がよくなるという結果が出ています。これ、「自分のためにいいことをしている」と思えることがとても大事だという証拠。更年期の不調はある程度までは心の持ち方も影響が大きいと思うといいでしょう。ご自身のために「いいことをしている」という感覚を持つために、サプリメントはありだと思っています。

 

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

みなさんがどんなことを思って過ごしているのか、どんなことで困っているのか、言葉をお届けいただける機会があったら嬉しいです。いいときもイマイチなときもあるのが人生ですが、毎年毎年「いいときが多かったな」と思える一年を重ね、そして「いいことが多かったな」と思える人生であったらいいなと思います。

 

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お話/高尾美穂先生

産婦人科専門医。女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガドクター。東京慈恵会医科大学大学院修了。同大学付属病院産婦人科助教を経て2013年より現職。

 

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