
男性に愛されるなんて久しぶりすぎて【年下小説・あなわた#18】
おひとりさま40代の私の部署に、年下の男性が配属されてきた。 歓迎会に誘っても「そういうの迷惑なんですよね」と言い放つ、協調性のない若い男の子、高坂くん。 ところが、ひょんなことからお互い「犬が好き」なことに気づく。 女性と2人で出かけたことすらなかったピュアな高坂くんと、私の関係は、少しずつ変化し……。
おためし期間
結局、その日から、私は高坂くんと付き合うということになった。
彼の勢いに押し切られて、そういうことになってしまった。
確かに私は、彼が少しそっけなくなってから、彼のことが気になってしかたがなかったし、とてもさみしかった。
それを、高坂くんに「僕のことを好きなんじゃないんですか?」と聞かれたら、そうなのかもしれない、と答えるしかない。
「僕も、好きなのかもしれない」
高坂くんはそう言った。
私が他の男の人と話していると、気になるんだという。
そんなことを職場で彼が考えていたなんて知らなくて、体が熱くなる。
男の人に、気にされるなんて、本当に、ひさしぶりのことだったから。
高坂くんは、こう言った。
「お互い、まだはっきりとはしてないけれど、かなり恋愛感情に近いものを持ってますよね。だったら、それを確かめるためにも、おためしで何日か付き合ってみませんか?」
ふたりきりのランチ
月曜日には、社員食堂で高坂くんとふたりでランチを食べた。
これは偶然だった。
私が電話対応をしていて少し遅めのランチになったので、一人で食べていたら、正面に高坂くんが座って、まるでふたりきりで食べているかのような状態になってしまって気恥ずかしかった。s
目の前で本日のパスタを食べている高坂くんは、おためし期間の彼氏だという。
ひとまわりも年下の男の子と付き合うだなんて、どんな風に接したらいいのか見当もつかない。
それを言ったら高坂くんは笑った。
「僕なんて、誰とも付き合ったことがないから、何もかもどうしたらいいのかわかんないですよ」
「どうして私と付き合いたいって思ったの?」
「うーん」
彼は困ったような顔をしながら、正直に打ち明けてきた。
「この人だったら、付き合ってくれそうって、思ったからかな」
優しくしてくれるし、何かと一緒にいるし、自分のことを好いてくれていると感じたのだという。
彼の話を聞いてると、私のほうが彼に近づいたんだな、とはっきりわかる。
もしかしたら恋の始まりなんて、こんなものなのかもしれない。
気になって話しかけたり、近づいたり。
そんなことから始まていくのかもしれない。
一緒に帰ること
偶然のふたりきりのランチの後は、時間は静かに過ぎていった。
けれど、振り返れば、おためしの彼がいるという環境なので、何だかそわそわしてしまう。
高坂くんはこんな気持ちにはなっていないらしく、テキパキと仕事をこなしている
「今日は高坂くんは元気だね」
と誰かが声をかけているのが聞こえる。
「そうですね、ちょっといいことがありましたんで!」
彼が明るい声でそう答えている。
彼の元気の素は、もしかしたら私なんだろうか。
そう考えると、不思議な温かさが心の中に満ちていく。
長いことひとりでいたから、この感覚には、しばらく慣れそうもないけれど、くすぐったいような嬉しさが、こみあげてくる。
そして午後5時になり、終業のチャイムが鳴った途端、高坂くんは私のデスクの脇に立った。
「一緒に帰りませんか?」
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