更年期の「口の渇き」に隠れた難病指定のシェーグレン症候群とは?
【 Q 】50代になって口の渇きが気になるように…これも更年期の症状ですか?
【 A 】
はい。いわゆる更年期世代と呼ばれる50歳前後の女性は、女性ホルモンの分泌量が低下し、からだにさまざまな影響が出始めます。
そのひとつに挙げられるのが口の渇き。
医学的には「ドライマウス(口腔乾燥症)」と呼ばれています。
ドライマウスの原因としては、更年期の女性ホルモンの低下以外にも、加齢やストレス、乱れた生活習慣が挙げられます。
唾液は口のなかの細菌の増殖を抑えたり、粘膜を保護して修復したりする役割があるため、口臭から口の渇きが気になるようになることも。
しかし、それらとは別に、別の病気からきている症状の可能性もあるのです。
【 Q 】口の渇きの原因として考えられる病気にはどんなものがありますか?
【 A 】
口の渇きの原因として挙げられる病気に、「シェーグレン症候群」があります。自己免疫疾患という種類の病気で、国の指定難病にも認定されているものです。
本来外敵からからだを守るためのシステムである免疫力が、自分自身を攻撃することによって起こるのが自己免疫疾患です。
シェーグレン症候群はとくに女性に多くみられ、発症年齢は50代がピークとみられています。
シェーグレン症候群の原因はひとつではありません。女性ホルモン、免疫異常、遺伝、ウイルスなどの外敵要因が絡み合い発病するといわれています。
【 Q 】口の渇きの原因を見極めるにはどうしたらいいですか?
【 A 】
口の渇きを感じる場合は、まず医療機関で診察してもらい、原因を特定することが大事です。
女性ホルモン関連の場合は婦人科や更年期外来、シェーグレン症候群の場合は膠原病科になりますが、迷った場合はまずは内科を受診すれば大丈夫です。
渇き以外の自覚症状があるなら、すべて医師に伝えましょう。
とくにシェーグレン症候群の場合は、渇きのほかに痛みやだるさなども生じることが多いので、病気を特定する判断材料になります。
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口の渇きが更年期由来だった場合、対処法は?
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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