36歳なのに更年期みたいな症状が続き、47歳で子宮筋腫の全摘手術【100人の更年期#96】後編

父の遺言を守るため自分の体調不良を後回しにした36歳

ミサコさんも自身の体調不調を感じていたころ、ミサコさんの実父と祖母も闘病中でした。しかし、東日本大震災の年に他界。実父は亡くなる3週間前、吐血した後の血の匂いが残る手でミサコさんに触れ、「家族と会社を守ってほしい」と言ったそうです。

 

この日あたりから、ミサコさんの生理が半年間止まり、同時にめまい、吐き気、不眠、発汗、経血の塊のぜんぶが襲い掛かってくるようになりました。

 

「2つの筋腫はまだ持っていたので、そのせいかなと思いました。ただ、当時の私は『家族と会社を守ってほしい』の言葉を背負っていく一心でしたし、36歳で体力もあったので、なんとかなるだろうと思って病院へは行きませんでした」

 

 

医師から怒られるレベルに悪化した子宮筋腫。47歳で全摘出

ミサコさんの決意とは裏腹に体調はどんどん悪化し、ついには食欲がなくなり、下痢をするようになりました。それでも体調不良をやり過ごしながら9年の歳月が流れ、世の中はコロナ禍に……。

 

「コロナ禍で仕事が少し減って、自分のことを考える余裕ができたんです。そのとき、生理じゃないのに出血していることに気付いて。人間ドックは毎年受けていましたが、筋腫の状態も気になっていたので、思いきって婦人科へ行きました。そしたら、怒鳴られるレベルで怒られました。『なんでこんなになるまで筋腫を放っておいたの!』って」

 

癌の可能性もあるため、すぐに大きな病院へ行くよう言われたミサコさん。そこではっきりと子宮筋腫だと告げられ、翌日に手術。47歳の年に、ミサコさんは子宮を全摘出しました。

 

悪い知らせは、これだけは終わりませんでした。同時期、長男にも病気が発覚しました。さらに、次男はスポーツの名門高校への進学が決まったものの、頻繁に遠征に出かけることになるため、その付き添いも必要になりました。協力的な夫も仕事が多忙になり、甘えてばかりではいられなくなりました。そのため、ミサコさんは体を休める間もなく5日間で退院し、仕事と家事、育児の生活に戻りました。

 

 

癒しの時間と相談できる場所をつくったら楽になった

結局、休むことなく動き続けたミサコさん。手術後から気分の強いアップダウンを感じるようになったものの、それでも立ち止まることはできません。そこでミサコさんは、忙しい中でも癒される時間をつくろうと、ネイルやアロマのスクールへ通い始めました。

 

「スクールには、私と同じように病気や更年期、子育てなどに悩んでいる人がいます。ここで気持ちを共有したり悩みを相談したりすることで、ずいぶんと心が楽になってきました。もっと早くから、誰かに話せばよかったと思います」

 

48歳になった現在も変わらず多忙な日々をおくり、心身もけっして健やかとはいえない状態のミサコさんですが、癒しの時間をつくったことで、以前よりは穏やかな気持ちで生活でき、笑顔も増えたそうです。最近は、朝、目覚めたときに自分の心身がどんな状態かを、1分でもよいので向き合うようにしているといいます。

 

「25歳から付き合ってきた体調不良が更年期と結びつくかどうかは、いまもはっきりとは分かりません。ただ、いまは更年期でもおかしくない年齢ですし、更年期症状だとしたら終わりが見えないので、自分の心身の健康と機嫌を1番に考えて、これからも私らしく、笑顔で過ごしていきたいと思います。
また、女性の体である限り、女性特有の病気や体調不良がおきる可能性は誰にでもあります。異変を感じたら、誰かに相談したり病院へ行ったりして早めに対処したほうがいいと、自分の経験から強く思います」

 

1 2

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク