こんな補聴器は選んだらダメです!お金のかかる老後に賢く買い物するには【樋口恵子 老いの地平線】#3
親が年をとってきた。自分自信の老後も不安……と悩むことはありませんか?
「悲観することはありません」と語ってくださるのは、今年91歳の樋口恵子さん。
樋口さんに言わせれば、60代なんてまだまだ若い。70代は老いの働き盛り!90代になっても一つひとつが発見の日々なのです。
今回は、どんな世代にも読んでいただきたい話題の新刊『老いの地平線 91歳自信をもってボケてます』から、樋口さんからの痛快なメッセージを抜粋してご紹介します。
老いにはお金がかかります
老いはいつ、どういう形でやってくるかわかりません。心配してもしょうがないから、そのときが来たら「来た!」と思うしかないのです。私はあまり嘆かずに、何とか自分を使いこなそうと思っています。
私も少しだけ耳が遠くなり、補聴器のお世話になっていますが、娘からは補聴器の使い方が下手だと言われて、毎日のようにけんかをしております。
耳鼻科では「重症ではないですね」と言われたのですが、高齢社会をよくする女性の会の小田原大会に向けて、相手の話が聞こえないと困るからと思って、自ら補聴器を作ったのです。
これが高いのよ。落としたら大変です。
安いものだと雑音が入ってしまうらしいけれど、私が買ったのはそこそこいいものでしたから、すごくクリアに聞こえます。
私は読売新聞のコラム「人生案内」の回答者を長年務めていますが、「おばあちゃんに『補聴器をつけて』と頼みたいけれど、頑としてつけてくれません」という相談も寄せられました。
高齢者のいる家族内では、聴力にまつわるコミュニケーションがいちばん早くダメになるようです。一般に視力よりも早くダメになるのが聴力なのです。
どうやら安い補聴器では雑音が入ってしまうようです。それが不快で、二度と補聴器をつけなくなってしまい、家族が困っちゃう……。
もう少しお金を出せば雑音を抑えてくれるし、もっといいものなら自分の聴力の範囲に合わせて、相手の発する子音が聞こえにくくなるように調節もしてくれるとか。結局、快適さを求めれば高額になるのです。
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