【後編】東大生5人の頭脳でも導きだせない⁉「ケーキを公平に3つに分ける方法」を考えてみた
3人目が納得するか否かがカギ!
場合分け❷の条件で、Aの気持ちになって考える。
Aは①をちょうど1/3だと思っている。そして、2/3をちょうど2/3だと思っている。なぜならば自分で切ったから。
ここでBが2/3を①=②になるように切った。Bはそう思っているが、Aは①=②だと思っていないかもしれない。さらなる場合分けが必要だ。
・場合分け【甲】
Aが①=②だと思っている場合。
Aから見ると①=②=③になるので公平に分けることができる。
・場合分け【乙】
Aが①>②だと思っている場合。
場合分け❷では客観的に見て①は1/3以上の大きさで、①=②となるようにBが切った。Cが①と②のどちらを取ってもBは納得する。
ここで③を取ることになるAはこのように考えている。「①は1/3だ。①>②だから③>①>②だ。なぜならば、Bは2/3を半分に切ることはできなかった。③は1/3より大きい。」
よって3人とも納得する。
・場合分け【丙】
Aが②>①だと思っている場合。
ここで③を取ることになるAはこのように考えている。「①は1/3だ。②>①だから、②>①>③だ。なぜならば、Bは2/3をちょうど半分に切ることはできなかった。③は1/3より小さい。」
よってAが納得しない。
東大生5人でしばらく考えたが、場合分け丙となった場合に、公平に分けることはできないという結論に至った。
ただ、考えるうえで大事なのは、AとBの気持ちを別に考えること。そして、好きなように選ぶことができるCを無視することだ。
結論を正しく導く条件を素早く把握し、共通認識として持てることが東大生の素晴らしい点の一つだと感じる。
なお、ケーキを3つに分ける方法を灘高校数学研究部の生徒が紹介している。
▶「ケーキを分割する方法について」
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