
東大の授業で学ぶリーダーシップ論。「失敗した部下にはビールを注げ」が意味するもの
東大の授業をサボりたくないと思うワケ
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先生たちは、授業の後に提出するリアクションペーパーで質問をすれば次の授業で必ず答えてくれます。
ぼくが日本大学に通ってたころには、そのような制度がありませんでした。そもそも質問をする学生すらいなかった。
東大の先生たちは授業で扱った内容に関する質問だけでなく、授業からやや外れた内容でも専門知識を活かして答えてくれます。
ここでぼくが行政法の授業で行った質問を紹介します。
「昔、友人・甲が渋谷の駅前に自転車を停めました。ワイヤーチェーンでガードレールと自転車を結び、容易には撤去できないようにしていたそうです。買い物をして2時間後にその場所に戻ると、自転車は撤去されていました。自転車があった場所には〇m撤去した旨と保管場所が明記されています。行政はワイヤーを切断して、自転車を運んだようです。甲は撤去されることは想定していたが、まさかワイヤーを切るとは思わなかった。他人の所有物を破壊してまで自転車を撤去することができるのだろうか。法的根拠があるのだろうか。甲は疑問に思って、友人・乙、友人・丙、そしてぼくに相談しました。この話を聞いた乙と丙は同じことを言います。『自転車を止めていたお前が悪い』。ぼくは残念な気持ちになりました。甲が悪いのは間違いありませんが、甲が言いたいのはそういうことではありません。行政の行為には法的根拠が必要で、ワイヤーの切断に根拠はあるのかという疑問を解決したかったはずです。友人たちに法的規範への意識がないことを残念に思いました。さて、今回のような行政の行為は認められるのでしょうか」
これに対し、先生が授業内で答えてくれました。
「自転車を撤去されてしまうことってよく聞きますよね。行政の行為には法的根拠が必要で、自転車を撤去する場合には条例のこの部分を根拠にしています(授業中は複数の自治体の条例が示された)。ただ、自治体によって条例は異なるし、はっきりと『切断していい』とは書いていないので、解釈が分かれています。ワイヤーを切断して良いかどうかは微妙なところだと思います」
やはり法的根拠は必要で、先生の個人的な見解まで聞かせてもらえました。
自分の長年の疑問が解決しました。長い歳月が経過しているので甲にはまだ話していませんが、この話をきっと喜んでくれると思います。
日本では訴訟などの法的な手続きを行うことや私生活や業務上で法令違反を口にすることは憚られると思います。
それによって相手が向ける眼差しが鋭いものであることが予想できるからです。
1980年ごろに起きた「隣人訴訟」では、隣人に対して訴訟を起こした原告をマスメディアが否定的に報道しただけでなく、原告に対する脅迫や嫌がらせが相次ぎ、訴えを取り下げることとなりました。
日本人の法意識が顕在化した事例だといえます。
つづき▶【後編】では、国際機関の上級職を務めた先生が東大生にむけて語った「リーダーシップ論」とはどのようなものなのか?…について聞かせていただきます。__ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶
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