「とらざかな」でも「こお」でもありません。「虎魚」の読み方、知っていますか?

2024.01.03 QUIZ

本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「虎魚」です。

「虎魚」の読み方は?

「虎」「魚」とそれぞれ別に書かれていれば、「とら」「さかな」と読むことができますが、「虎魚」の読み方は「とらざかな」ではありません。

「虎魚」はある魚の名称を表します。

「虎魚」を辞書で引くと、“いずれも形が奇妙で背びれの棘(とげ)に毒をもつ種類が多い”とあります(出典:精選版 日本国語大辞典)。

どんな魚か分かりましたか?

正解は……

「オコゼ」です。

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「虎魚」はオニオコゼ科とハオコゼ科の海魚の総称です。

「デジタル大辞泉」(小学館)には

オニオコゼの別名。また、ハオコゼ・ダルマオコゼなどを含めていうこともあり、一般に頭は凹凸が激しく、背びれのとげが強大で、奇異な姿をしている。

出典:小学館 デジタル大辞泉

と記載されています。

「虎魚」の他、「鰧」とも書きます。

「虎魚・鰧」と表す由来についての一次情報を得ることはできませんでしたが、「虎魚」という漢字は、オコゼの体色や形相からその漢字が当てられたという説が多々見受けられました。

 

諸説ある「オコゼ」という名前の由来で一般的に知られているものに、「オコ」と「ゼ」で「醜い魚」を指すという説があります。「オコ」は「愚かなこと」「醜いもの」を表し、「ゼ」は魚名の語尾なのだとか。

加えて、「虎魚」には以下のような意味もあります。

(前略)
② 容貌の醜い女性のたとえ。
③ 「いらむし(刺虫)」の異名。

[2] お伽草子。一巻。作者未詳。海に住むおこぜの姫を山の神がみそめ、川獺(かわうそ)の仲介で夫婦となる物語。山の神はおこぜを見ると喜ぶという俗信にちなむもの。別名、山海相生物語。

出典:精選版 日本国語大辞典

魚の名称だけでなく、“容貌の醜い女性のたとえ”でもあることに驚きます。

 

“容貌の醜い女性のたとえ”は、[2]のお伽草子や“山の神はおこぜを見ると喜ぶという俗信”に関連していると思われます。調べてみると、山の神は「醜女(しこめ)」であり、自分より醜い魚であるオコゼを見て、自分をなぐさめたとか喜んだとかいう伝承が見受けられました。

ですが、山の神信仰は日本各地に広範に分布し、信仰内容も多岐に渡ります。

日本の歴史百科事典「国史大辞典」では、なぜオコゼという海の魚が、山の神に結びついたかの解明はできていない、と記載しています。

また「日本大百科全書(ニッポニカ)」においても、山の神が醜女で自分より醜いオコゼを見て喜ぶほかに、オコゼの棘が魔除けになる、美味な魚なので山の神に供える物として用いられたなど、理由がはっきりしていないことを記しています。

理由がはっきりしないまま、“容貌の醜い女性のたとえ”や山の神が醜女であるといった言い伝えが浸透してしまったことはなんともいえませんが、漢字や言葉の起源を深掘りしていくからこそ発見できるものがありますね。

 

参考文献

  1. 海生研/海の豆知識 Vol.79オコゼ
  2. 柳田國男『山神と「ヲコゼ」』(人類學雜誌 27巻1号 p.51-53、1911年)
  3. 堀田吉雄『山の神信仰の研究』(伊勢民俗学会、1966年)
  4. 国史大辞典
  5. 日本大百科全書(ニッポニカ)

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