「めいこくる」でも「なこる」でもありません。「名告る」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「名告る」です。
「名告る」の読み方は?
「名」も「告」も日常生活で度々見かける漢字ではありますが、表題にもある通り「名告る」の読み方は「めいこくる」ではありません。
「名告る」の意味を知れば、読み方が分かるはずです。
「名告る」とは
1 自分の姓名・身分などを相手に告げる。
2 自分の名としていう。称する。
3 売り物の名を呼ぶ。出典:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
表記としては「名告る」の「告」の部分が異なる漢字で表されたものが一般的です。
正解は……
「なのる」です。
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【漢字解説】
「名乗る」とも書きます。漢字表記としては「名乗る」の方が「名告る」よりも馴染み深いのではないでしょうか。
送り仮名を書かない場合には「名乗・名告(なのり)」と読みます。
なぜ「告」という漢字が当てられたのか疑問に思い、調べてみたところ、金田一春彦(監)・小久保崇明(編)『学研全訳古語辞典 改訂第二版』(学研出版、2014年)に「名告る・名乗る」そして「告る・宣る(のる)」という古語が掲載されています。
以下に示す通り、古語の「名告る・名乗る」も、現代の国語辞典で引く「名告る」の意味とほぼ同じ意味を持ちます。
①自分の名を告げる。
②戦場で、家柄・姓名を大声で申し述べる。
③名前として付ける。
④虫や鳥などが鳴く。出典:金田一春彦(監)・小久保崇明(編)『学研全訳古語辞典 改訂第二版』(学研出版、2014年)
そして「告る・宣る(のる)」は「言う。告げる」という意味です(出典:同上)。
とはいえ、日本語・漢字検索サイト「漢字ペディア」や現代文を収録している辞書に掲載されている「告」の読み方は、音読み「コク」と訓読み「つ(げる)」のみです。
ちなみに、「デジタル大辞泉」(小学館)には「告る」が掲載されていますが、その読み方は“(愛を)告白する”ことを意味する「こく(る)」です!
言葉は時代とともに変化していくものです。同じ漢字と送り仮名であっても、古文と現代文では「告る」の読み方や意味が変わるというのは面白いですね。
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