若手のお作法を注意したいが「ハラスメント」と言われるのが心配。そんなときに知っておきたい「ちょうどいい叱り方」とは

2024.02.29 WORK

指摘しにくい若手のマナーを「角を立てずに注意する」5つのポイントは?

そこで西出さんに、マナーを指摘するときの、あとから批判されないうまい伝え方を教えていただきました。

 

1. まずはお詫びの一言から

「『ごめんなさいね。本当はこんなこと伝えたくないんだけど』と本来はこのような細かいことまで言いたくないといった気持ちを伝えるために、まずはお詫びの一言から伝えると良いでしょう。お局様であっても、注意をすることで嫌われたくはないはずです。注意をする目的はそれを改善してもらうためのことですから、伝えたことを素直に受け入れ、改善してもらうという目的を達成するための一言として伝えてみましょう」

 

2. 共感の一言から

「『私も同じことよくやってしまうんだけど』『私もできていないかもしれないけど』『完璧な人はいないんだけど、これはね……』など、注意を伝える前に自分も完璧ではないという内容を添えることで共感の要素が入るため、相手のネガティブな気持ちは好転するでしょう。注意をされたことに対してネガティブな感情を引きずっていると注意をしたことに対する根本からの改善に至らないことがあります」

 

3. 謙虚な一言から

「私自身も『アラ還』でお局的立場にありますが、自分が以前も注意をしたことがあるのを失念していることがあります。ですので、『以前にも伝えていたら申し訳ないんだけど』などの一言を伝えると、相手も素直に注意を聞き入れる気持ちになれることでしょう」

 

4. 感謝の一言から

「注意をする前に、相手に感謝することからスタートしてみるのも一案です。具体的に感謝することがない場合でも、『〇〇さん、いつもありがとう』だけでも構いません。『ありがとう』と言われてマイナスな気持ちになる人はほぼいないでしょう。相手の心の扉が開いている状態で注意事項を伝えると受け入れてもらえやすくなります」

 

5. 締めはフォローの一言を

「注意をされた人の立場に立ってみましょう。多かれ少なかれ、誰でも落ち込みますよね。しかし注意をするという行為は、相手を落ち込ませるために行うことではありませんから、伝え方としては最後にプラスの言葉で相手を励ましたりすると良いでしょう。伝え方の手順は『プラス+マイナス+プラス』です。

例えば『1.褒める、2.注意をする、3.励ます』という順番です。これを私は『ハンバーガー話法』と名づけ、主に注意をするときのコミュニケーション話法として伝えています。

例を挙げると、『いつも率先してお茶出しをしてくれてありがとう。一つ、気になることがあるんだけどいいかしら?給湯室の流しはできるだけ綺麗にしてから終わりにすれば、次に使う人が困らないと思うのよ。昨日ね、お茶の出がらしの入った急須がそのまま流しに置かれていたから、ちょっと気になったの。○○さんなら後片付けまできちんと気づいて行ってくれると思うからお願いね』など。褒める・励ます内容は臨機応変に考えて伝えてみてください」

 

前編記事では若手の行動を注意する際の言葉選びについて教えていただきました。つづく後編記事では注意する際の心得について伺います。

 

つづき>>>では、「怒りをぶつけるのではなく、冷静に注意する」とき、上手に部下を指導するために知っておきたい「心得」って?

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