美味しさの決め手は植物油!~油の達人に聞く植物油の魅力 vol.6/@セルサルサーレ【オリーブオイル、こめ油、太白ごま油】

2024.03.15 FOOD  [PR]

オリーブオイル、亜麻仁油、ごま油など、今注目の植物油にこだわりを持つ飲食店のオススメ料理を紹介するとともに、油への思いや家庭で油を上手に使うコツを伺っている、こちらの短期連載。

今回は、著名人や食通にもファンが多い、恵比寿のイタリアン「セルサルサーレ」にお邪魔しました。塩を意味するフランス語(sel)・スペイン語(sal)・イタリア語(sale)を冠した店名だけに、塩に深い造詣とこだわりを持つ店として知られている同店ですが、シェフ、濱口昌大(はまぐち・まさひろ)さんは、油にもくわしいという噂を耳にしたのです。そこで、取材をお願いしてみたところ──。

 

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植物油でコーティングすることで辛味とえぐみがコクに変化する

濱口さんは、塩だけでなく、油にもくわしいと伺いました。

「そうですよ。油にもめちゃくちゃこだわりを持っています。なんなら胡椒にも(笑)。小さなところにこだわっていきたいんです」
18歳の時、イタリアンレストランで感動するほどに美味しい料理を食べたことがきっかけで料理の道を志し、都内のイタリアンなどで働いた後、2010年にイタリア・プーリア州をはじめ、フランスやスペインなどで研鑽。帰国後、三宿に「セルサルサーレ」をオープンし、2017年5月、現在の恵比寿へ移転しました。

濱口さんが大切にしているのは素材を引きたてる料理です。
「これ食べてみてください」と、カウンター越しに差し出してくれたのは、何も付けていない状態のルッコラ。野菜は鮮度にこだわっているという濱口さん、「今回のルッコラも農家さんにお願いして、育ちすぎるまで育ててもらったものです」。たしかに一般的なルッコラよりも野性味があり、苦みやえぐみも強く感じます。すると、濱口さん、「ちょっと待ってくださいね」と、そのルッコラにオリーブオイルを絡めてくれました。食べてみると、あーら、不思議。ルッコラの味わいはそのままに、えぐみや苦味が一瞬にしてまろやかな味わいに変化しました。大げさではなく、魔法のようです(笑)。
「植物油でコーティングすることで、えぐみと辛味がコクに変わるんです」

 

 

大切なのは適材適所で使いわけること

今回は、濱口さんに、植物油を特徴的に使った料理を、3品、作ってもらいました。

まずは、前述のオリーブオイルを使ったサラダ。「セルサルサーレ」のディナーは1万円のおまかせコースのみ。内容は仕入れや季節によって変わりますが、そのおまかせコースでも、「オリーブオイルと塩で味付けした、シンプルなサラダは定番のひとつ。サラダはこのシンプルなスタイルがいちばん美味しいと思っています」と濱口さん。

たしかに美味しいのです、まろやかで、野菜の味もしっかり感じられて。きっとお高いオリーブオイルを使っているんでしょうねえ。
「(笑)安価なピュアオリーブオイルです。苦みのある野菜の強さや香りを強調したいサラダなので、香りが高いエクストラバージンオリーブオイルはあえて使いません」

エクストラバージンオリーブオイルはオリーブの実を搾ってろ過しただけの最上級のオイルでオリーブの香りや味をダイレクトに感じるのに対して、ピュアオリーブオイルは精製したオリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイル、もしくはバージンオリーブオイルをブレンドしたもので比較的マイルドな風味です。

当然ながら、エクストラバージンオイルのほうが高級ですが、「高級だから生で食べるサラダにと決めるのではなく、調味料は適材適所に使うことが重要だと思うのです」とのこと。エクストラバージンオイルは別のタイミングで登場します。

 

 

世の中にある食材は加熱するとコクが増す

魚料理(アマダイ)の付け合わせのブロッコリーは、エクストラバージンオイルでさらっと炒めています。
「ブロッコリーのグリーン感を、色味も合うエクストラバージンオイルを使うことで強調しました」
エクストラバージンオイルを加熱して使うことに驚く人も多いかもしれませんが、「イタリアのレストランの厨房では何度も見てきました。加熱時間が長すぎなければ大丈夫です。パスタにかけるのもいいですね。賄いのテーブルには、エクストラバージンオイルの瓶を置いてあり、自由にかけています」

 

鶏料理のインパクトがまた絶大でした。濱口さんがこめ油で焼いた鶏は、「それ焦げすぎでは? 大丈夫?」と心配になるほど、こんがり焦げ色が付いています。私の不安を察したのか、「失敗じゃないですよ(笑)」と濱口さん。

「世の中にある食材はすべて加熱するとコクを増すようにできています。たとえば、豚肉。しゃぶしゃぶで食べるより、焼いたほうがコクが出るでしょう? 焼くにしても炭火を使うとより旨みが増します」
焦がすことで、旨みとコクは強くなりますが、「味が落ちるわけではありません。それに、炭火焼のスモーキーな香り、みなさん、お好きでしょう?」と濱口さん。確かに!

こめ油を使うのは、パワフルさを出したいからだとか。
「こめ油って、一般的には無味無臭と表現されることが多いですが、僕はけっこう味が濃いと思っているんです。めちゃくちゃ味があるじゃないですか。だから、旨みの強いものに使うようにしています。魚料理とかに使ったら、繊細な味が出ないんですよね」

 

 

植物油には食材をいかすという素晴らしい役割がある

今回の鶏料理は、その「パワフルで味が濃い」こめ油の個性を最大限にいかして仕上げています。
「鶏と同じくらいタマネギも焦げ目をたっぷり付けて焼き上げます。僕のやり方を見て、こんなのまともな料理じゃないと怒るシェフもいるかもしれませんが(笑)」
こんがり焦げ目が付けた鶏とタマネギは、コンソメベースのスープに白ワインを加えて煮込みます。ある程度煮込んだ後、鍋から鶏を取り出し、スープとタマネギをフードプロセッサーにかけ、味を調えたものをソースとして使うのですが、このソースが笑いが出てしまうくらいに美味しいのです!

付け合わせの椎茸もこめ油で炒めているそう。
「味が強い椎茸は、こめ油との相性がいいんです。それに、きのこ類は油をしっかり吸ってくれるので、こめ油で炒めた後、最後にこめ油と合うバターを少々加えます」

一方で、今回のアマダイしかり、魚料理は太白ごま油を使うことが多いのだとか。
「イタリア料理店では珍しいかもしれませんが、クセの強いヒラメを除き、白身魚はほぼ太白で焼いています。イタリア料理ではオリーブオイルを使いがちですが、いろいろ試してみたところ、いちばん美味しく仕上がったのが太白でした。オリーブオイルは仕上げに使う程度です」

濱口さんの植物油談義に、知らず知らずのうちに抱いていた、油の使い方への固定観念が氷解していきます。
「だから植物油は面白いんですよ。油には食材をいかすという素晴らしい役割があり、僕は素材ごとに使い分けています。エクストラバージンオイルを加熱して使ったっていいんです。ぜひ食材との相性を見極めて上手に植物油を使ってください」
春先には、新タマネギやウニに、香り付けとして、ココナッツオイルを合わせることもあるとか。こちらも気になります!

 

 

セルサルサーレ
住所/東京都渋谷区恵比寿西1-16-7 ハギワラビル 1F
営業時間/11:30~14:30(13:30 LO)、18:00~22:00(最終入店19:30)
定休日/月曜日
Tel./03-6416-5230
https://www.instagram.com/masahirohamaguchi/

 

▶様々な植物油の特徴やレシピを知りたい方は、日本植物油協会のHPをチェック!https://www.oil.or.jp/

 

取材・文/長谷川あや 撮影/菊池陽一郎
取材協力/一般社団法人 日本植物油協会