
美味しさの決め手は植物油!~油の達人に聞く植物油の魅力 vol.4/@GUNA GUNA CURRY グナグナカリー【菜種油など】
ヘルシー志向や食の多様化に伴い、植物由来の油が改めて注目されています。とはいえ、年々、多彩さを増すラインナップに、「この油はどんな風に使ったらいいの?」と戸惑い気味の人も多いのでは? また、ごま油やオリーブオイルなど、比較的なじみのある植物油にもきっと知られざる一面があるはずです。この短期連載では植物油にこだわりを持つ飲食店をピックアップ。オススメ料理を紹介するとともに、使用している油への思いや、家庭で油を上手に使うコツを伺います。植物油の高いポテンシャルを知ることで、日々の食事はより楽しく彩られることでしょう。
▶植物油を上手に使いこなすためのヒントはこちら
今回は、名古屋で話題のカレーショップ「GUNA GUNA CURRY(グナグナカリー)」をご紹介します。
インドやインドネシアでカレーを“学ぶ”
「GUNA GUNA CURRY(グナグナカリー)」は、黄色い看板が目印の名古屋で話題のカレーショップ。開店前からお客さまが集まる人気店です。
やわらかな風貌からは想像がつきませんが、オーナーの大岩明さんは元バンドマン。特にメタルが好きで、「ノリすぎてしまい、首を痛めることもあるくらいでした(笑)」。そんな大岩さんがカレーに目覚めたのは「初めて行った東南アジアであるインドネシア」でのこと。
「現地の方に、畑での農作物を収穫したり、鳥をしめたりするところからカレー作りを教えてもらいました。そこから僕のカレーをめぐる旅が始まったんです」と語る大岩さんは、その後、インドなどでもカレー作りを学び、さまざまなものを掛け合わせて作り上げていく、スパイス料理と音楽とのあいだに共通点を見いだし、やがては名古屋にカレー店をオープンするに至ります。
さまざまな地域のカレーを週替わりで提供
「現在の店舗は2014年3月にオープンしました。以前は名古屋の別の場所で店を構えていたのですが、その頃とはだいぶスタイルが変わっています」
現在はインドを中心とした、現地の色を色濃く出すように意識しているのだそう。年に1度のペースで、インド、ネパール、スリランカなどに「研修」に行っているといいます。
「同じものばかり作っていると飽きてしまうんですよ(笑)」と、メニューは基本的には週替わり。特定の地域のカレーを、4種類、メニューとして紹介しています。なお、カレーとともにお皿に盛られた、ダルカレー(豆のカレー)やパパド(豆を使ったせんべい)、サブダナワダ(じゃがいもとタピオカのコロッケ)といった総菜も定期的に変わります。
取材に伺った週のテーマは南インドのタミル・ナードゥ州とケララ州。大量のスパイス、ココナッツファインなどを使用して作る「マトンコランブ」、たっぷりのカレーリーフの生葉を焙煎したものとタマリンドを使った「カレーリーフキーマ」、マラーバールタマリンドと呼ばれているコダンプリというスパイスで酸味を付けた「鰆のマラバールフィッシュ」、インド式シチューともいわれる「夏野菜のケララシチュー」というラインナップでした。どれもこれも気になります。というわけで、贅沢に(?)全種盛り(2,500円)をお願いすることに(2種盛り1,700円もあり)。
本場のレシピに合わせて複数の油を使い分ける
カレーをはじめインドの料理は、「油が味の決め手」「油は正義」と言われるほど、多くの油が使われています。現地のスタイルを踏襲する「GUNA GUNA CURRY」でも複数の、そしてこだわりの油を使っています。
メインで使用しているのは圧搾一番搾りの菜種油。「僕にとって身近な存在で、酸化や熱に強く油の香りが強すぎず、食べた時に油が残らない点が気に入って選びました。油自体に香りはほとんどなく、スパイスの香りを引き立てるという点も気に入っています」。
ほかにも、ごま油やココナッツオイル、マスタードオイルやギーを使うことも。揚げ油には「サクッと焼きあがるので」という理由から米油を使用しています。

カレーは、左から、「マトンコランブ」(タミル・ナードゥ州)「カレーリーフキーマ」(タミル・ナードゥ州)「鰆のマラバールフィッシュ」(ケララ州)「夏野菜のケララシチュー」(ケララ州)
今回、いただいたカレーで見ていくと、「マトンコランブ」「カレーリーフキーマ」には菜種油をメインで使用しています。「以前は別の油を使っていましたが、圧搾した、一番搾りの現在の菜種油にたどり着きました。家庭でもこの油を使っています」。さらに、「カレーキーマリーフ」にはごま油を加えているそうです。
気になる油の使い分けは、「インドのカレーって地域によって使う油が異なるんですよ。基本的に現地のレシピを踏襲していますが、現地で使っている種類の油だけだと、どうしても現地色が強くなってしまいます。日本の方にも食べやすいように、菜種油など別の油を加えて味を調節しています」。
「鰆のマラバールフィッシュ」はココナッツオイルをメインに菜種油で味を整えています。また、「夏野菜のケララシチュー」にはココナッツオイルとギーを使用しています。サラッとスパイシーな南インドのカレーには、ココヤシの実の胚乳から採れるココナッツミルクやココナッツオイルが使われることが多いのだとか。ほんのりと甘い香りが漂うココナッツオイルを使ったカレーは、やさしいコクがあり、リッチな味わいが印象的でした。
米油で揚げるタンドリーチキンも同店の根強い人気メニューです。「スパイスを漬け込んだヨーグルトでマリネしていて、奥まで柔らかく仕上げています」と大岩さんが自信をのぞかせるように、チキンはふわふわでジューシー。米油で揚げた衣はさくさくの歯ごたえも堪りません。
スパイスをテンパリングした油で、より本格的な味わいに
そんな風に、日常的に複数の油を使い分ける大岩さんに、自宅でカレーを作る時のアドバイスを尋ねてみると──。
「仕上げに、スパイスをテンパリングした油をかけると、本格的な味わいになると思います」
テンパリングとは、スパイスを油で炒めることで、スパイスの香りを油に移すことをいいます。オリーブオイルに、ガーリック、とうがらしなどの香りを移して調理するペペロンチーノを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。スパイスの香りをまとった油を使うことで、料理の香りが引き立ち、華やかに仕上がるというわけです。
「(テンパリングに使用する)油の種類によって味わいが違ってくるのでいろいろ試してみても面白いかもしれません。ハーブを混ぜ込んでも美味しく仕上がると思います」
揚げ物も、具材となる肉をスパイスやヨーグルトでマリネするとジューシーに仕上がるそうです。「揚げたての揚げものに、スパイスを振りかけるのもおすすめです。風味が増します」。
ちなみに、店名になっている「グナグナ」は、インドネシア語で「虜にする」という意味を持つのだとか。確かに、植物油の使い方や食材にこだわった「グナグナカリー」の料理は一度食べると病みつきになること必至です!
多くの人をひきつけるカレーをはじめ、スパイス料理を得意とする大岩さんのアイデア、自宅で生かしてみてはいかがでしょう?
GUNA GUNA CURRY(グナグナカリー)
住所/愛知県名古屋市西区菊井1-24-15 川合ビル1F
営業日/水・金・土・日曜、祝日
営業時間/11:30〜15:00(LO14:30)
*水曜のみ18:00〜21:00も営業
*支払は現金のみ
*臨時休業や営業時間が変更となることもあるので来店の際はインスタグラムで事前に確認を
▶様々な植物油の特徴やレシピを知りたい方は、日本植物油協会のHPをチェック!https://www.oil.or.jp/
取材・文/長谷川あや 撮影/中庭愉生
取材協力/一般社団法人 日本植物油協会
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