子どもがいない女性の医療保険は、3つのバランスが肝 【おこなしさまという生き方 Vol.11】

既婚・未婚を問わず、生涯子どもがいない“おこなしさま”は、高額な死亡保障は不必要とVol.10で取り上げました。では医療保障については、どう考えるべきでしょうか。誰しも病気で入院・手術となると心身ともに弱くなります。それなのに医療費の心配まで重なると、精神的な負担はさらに大きくなってしまうもの。そこで今回は、“おこなしさま女性”に適した「医療保障」について検討していきます。

女性疾病の保険は特に大切

女性はホルモンバランスの乱れが原因で身体が変化する40代あたりから女性疾病のリスクが高まるといわれています。なかでも妊娠・出産経験がない女性は、乳がんや子宮体がんなどの発症率が上がる傾向にあるため、“おこなしさま”にとって医療保険は自己防衛のひとつ。

がんは初期でみつかればそれ程心配はいりませんが、進行によって治療費の負担が重くなっていきます。現在、生涯に乳がんを患う日本人女性は、12人に1人といわれているので他人事ではありません。

そのため、入院給付金を日額1万円確保しておくと気持ち的には安心できそうです。もしくは、入院日額5千円の契約なら、女性疾病のときだけ入院日額を上乗せできる特約をつける方法もあります。近年は先進医療が著しい進化を遂げているので、がんに不安を感じているなら、先進医療特約付きのがん保険を選ぶのもよいでしょう。

若い頃に契約したままになっていませんか?

「保険は若いうちに入っておくと得」といわれ、若い頃に加入した医療保険をそのまま継続していませんか?もしそうなら、一度内容の見直しを行って下さい。医療保険は、医療技術や社会保障制度の変化に合わせ、保障内容も変わっていきます。昔の保険は入院5日目からの保障が多く、通院保障、先進医療特約、女性疾病特約がないなど、保障内容が現在と異なっています。古い保障内容の医療保険では、いざという時に1円も支払われないことがあり得ます。それでも広範囲な保障より、保険料を抑えることを優先するなら、保障内容を納得した上で更新するようにして下さい。

既婚女性の場合は、夫を契約者として妻の保障も付けられる「夫婦型」があります。その分保険料が割安に設定されているため、以前は人気のある保険でした。ただし、妻は夫の6割程度しか保障されない、夫が死亡すると妻の保障が打ち切りになることもあるため、よく内容を確認して下さい。できれば医療保険は、夫婦別々での契約が使い勝手はいいと言えるでしょう。

独身の方は、近くに身内がいればいいのですが、ひとり入院の不安は大きいもの。入院が長引くと精神的・肉体的にもきつくなり、退院しても世話をしてくれる家族が近くにいなかったりすると、大人とはいえ心細くなります。また、入退院や通院時に送迎を頼める相手が見つからない場合は、タクシーを利用することが増えるかもしれません。病気に対して何かと不安を抱えがちな独身女性は、医療保険を手厚くされる方が多いようです。

公的医療保険でカバーされる部分も多い

とはいえ、医療費に関しては公的医療保険制度があるため、過剰な心配は無用。医療費が高額になった場合に、一定の自己負担額を超えた部分が払い戻される「高額療養費制度」があります。この制度を利用すれば、手術などで医療費が高額になっても、1ヵ月の自己負担額は大抵の場合、約9万円程度で済みます。

ただし、高額療養費で給付されるのは健康保険がきくものだけ。先進医療や個室に入ったときの差額ベッド代、食事代は含まれません。入院すると、パジャマ、スリッパ、入院用の下着、洗顔シート、飲料代、テレビ代など細々した雑費が意外にかかります。

他にも、自宅で飼っているペットを自分が入院することで預けるとなると、ペットのホテル代も馬鹿になりません。さらに、周りに気を使いながら過ごすのが苦手、プライバシーを重視したいなどの理由で、入院時は個室を希望したいと考えているなら、差額ベッド代の分を考慮する必要がでてきます。

あれこれ考えると心配が増す一方ですが、医療保障については心配だからとむやみやたらと加入するのはNG。まず「公的医療保険」にはどんな制度があるのかを把握して、そこに追加で自分に必要な保障額・保障項目を検討。その上で、ムダな保険に入っている場合はスリム化することが見直しの基本です。

貯蓄に余裕があり、多少の自己負担額があっても大丈夫な方は、医療保険に加入しない選択肢もありだと思います。それ以外の方は、足りない部分を医療保険で補う保障内容で再検討してみましょう。

健康なうちに見直しを

実際はどんな病気になるかは分からなので、医療保険はリスクに対しての考え方次第ともいえます。「うちはガン家系で心配だから、手厚いガン保険に加入している」、「私は風邪も引いたことがないくらい健康に自信があるから、医療保険は一切入らない」と言っている友人もいます。私は月々3千円程度の掛け捨て医療保険に加入していて、その後に入院・手術を経験。入院費用は保険でカバーすることができました。

あたり前のことかもしれませんが、病気になった人は「保険に入っていて良かった」、加入していなかった人は「保険に入っていれば良かった」と言います。一度、病気をすると加入条件などが厳しくなることがあるので、見直しをするにしても健康であることが基本原則。私たち“おこなしさま”は、女性特有の病気のリスクが高いと示されているので、その点を意識した医療保障には加入しておいた方がいいかなと個人的には思います。

保険貧乏にならないように

ちなみに、生活保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(平成27年度)によると、世帯加入率は医療保険・医療特約で91.7%、ガン保険・ガン特約は60.7%。また同センターが実施した「生活保障に関する調査」(平成25年度)によると、年間払込保険料の平均額は、女性は18万2千円。1カ月平均にすると、約1万5千円。ここ数年、年間払込保険料は低下傾向が続いています。

また同調査では、過去5年間の自分自身のケガや病気による「入院経験あり」の割合は、15.2%。入院経験がある人の入院日数は、平均で19.7日。その内、一番多い入院日数が8~14日で28.6%。この数字をどう捉えるかは、それぞれの見解次第です。

保険はあくまでも「もしも」の時のための備えですが、何かあったら大変だからと保険貧乏になっては元も子もありません。医療保険は、病気になるなどの決められた状態にならないとお金がおりません。その点、貯蓄はいつでも何にでも使うことができるので、必要のない保障は減額すれば、その分を貯蓄に回すことができます。

保険と貯蓄と身体のリスク「3つのバランス」を考えつつ、心配を軽減できる医療保障を選びましょう。そして、なにより病気は早期発見が鉄則。早めに見つかれば医療費は莫大にならずに済むので、小まめに健診を受けて、自分の身体は自分で守ってあげることが一番大事なことです!

 

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