
体目当ての男に翻弄されて…。勝ち組だったはずの彼女の転落劇とは【不倫の精算 ・リバイバル】(後編)
いちど「翻弄される側」になってしまったら、逆転はない
その少し前からDさんは、彼が早く帰りたがったり、約束をドタキャンしたりと、自分を雑に扱い始めたことに気がついていたそうだ。
以前なら「気まぐれかしらね」と笑い話で済ませていたのに、だんだんとDさんの口は重たくなった。やがてベッドでのマンネリの話、ついには彼がお金をいっさい出さなくなった話と、暗い話題へと変わっていった。
その変化は、「誘わせた側」として関係を楽しんでいたのが、いつの間にか「翻弄される側」になっている恐怖だった。
Dさんは主導権を取り戻すかのようにデート代を全部払ったり、スポーツ用品をプレゼントしたりと、懸命に彼の気を引こうとしていた。
それでも、彼のそっけなさはひどくなる一方であり、いずれ音信不通になるであろうことは、そばで聞いていて容易に想像がついた。
Dさんにその可能性を告げなかったのは、男性に「尽くしている」状態のいま、悪い結末を知れば暴走するおそれがあったからだ。
ストーカー状態になっている自分に気づけない、別れられない
「もう諦めたら」
「すっぱり別れたほうがいい」
何度かDさんにそう言ったが、そのたびに
「どうしてよ、たかが不倫なのにこんな終わりなんてイヤよ。
最初はあっちから尻尾を振って寄ってきたくせに、飽きたからポイなんて許せないわよ」
と、彼女は苦しそうに顔を歪めていた。
スポーツ教室に来なくなった彼は、LINEをしても返信は遅く、電話をしても必ず留守番電話でかけ直してくることもなくなった。Dさんを遠ざけようとしていることは明白だった。
その事実を必死に否定するDさんは、一度だけ彼の工場まで行って退社を待ったそうだ。
「会えなかったけど、うれしくないかな、待ち伏せなんて。
驚かせたかったんだけど……」
そう打ち明けてくれたとき、ここまでのめり込んでいる自分への違和感をまったく持っていないことに驚いた。それがいっそうこちらの焦燥を深くした。
「ねぇ、もうやめようよ。
逆のことをされたらどうする? どう思う?
不倫相手が会社に来て待ち伏せって、怖いよ」
そう言ったこちらを強い目で睨みつけ、Dさんは「もういい」と不機嫌そうに黙った。
それ以降、今日まで彼女からの連絡はなかった。
▶その後。久しぶりの連絡で、彼女に会ってみたら、なんと…
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