【経済的DV】夫婦の共有口座をつくって後悔。「妻の給与は没収」するくせに、夫は給与明細さえ見せないがめつさ
子どもが生まれても生活費は7万円のまま
結婚1年がすぎ、妊娠したRさん。夫は妊娠を喜んでいましたが、かといって家事を手伝うこともせず、Rさんの仕事量は変わりません。つわりが酷く会社を休むことも度々でした。産休がとれる時期まで通勤する体力も体調も自信がなく、社内のみんなに迷惑がかからないようにしたいと考えたRさんは退職を選びました。
『夫には一応相談していましたが、そのときは「無理はしない方がいい」と言われました。きっと体調を気遣ってくれ、家事育児に向き合うための退職を喜んでくれると思ったのですが全くの期待外れでした。
「これから家族が増えて金がかかるのに、仕事も無くなってどうするつもりだ」と怒鳴られたのです。「子どもが生まれて落ち着いたら、パートに出るので安心して下さい」と泣いて夫に謝っていたあの時の自分のことを今思うと、本当にかわいそうだったなと思います』
Rさんは妊娠中、入院こそしませんでしたが体調が悪い日々が続きます。担当医師からも家で安静にするようにと言われていたそうです。産婦人科の診察料もその7万円の中から捻出、つわりで食事の匂いを嗅ぎたくない時も手作りでないと文句を言う夫のために、気力を振り絞ってご飯の用意をしていたそうです。家で安静のために横になっていると「俺だけ働かせていつも寝てばかり。いいご身分だね。」と言われたことを今でも忘れない、と涙を流して話してくださったことがとても印象に残っています。
出産後は子どもの自費分の検診やミルク代、おむつ代、服などお金がかかります。家族が増えたのだから生活費を増やして欲しいとRさんは夫に頼んだのですが、「お前のやりくりが悪いんだ。もっと節約しろ。」と怒鳴るだけ。
「子どもが産まれる前は2人だったから7万円で余ったはずだ。それを貯めていなかったのか! 子どもができた時に使うべきだったんだ。お前は無駄使いのことしか考えていないのか。将来的にいくら必要かも考えずに無駄使いするような人には、家計管理ませせられない。俺が家計管理しているからうちはうまく回っているんだ。感謝してくれよ。仕事もしていないのに生活費をもらえるだけ幸せだと思えよ。」と、罵倒したといいます。決して無駄遣いをしてきたつもりはないRさん。悔しくて言い返したくても、怖くて何も言えなかったといいます。
『夫は蔑むような目で私を見てそう言ったのです。それからは、子どもの服やおもちゃは私は自分の貯金を切り崩して、足りない分を補填するようになりました』
夫からの否定で自分が悪いと思い込んでしまう状態
夫は子どもには甘く、外出先では時々子どもの服や子どもが欲しいものを買ってあげていました。こんなときは、夫のことを一瞬いい人なのかもと思ってしまいそうになるRさんでしたが、やはり生活費は7万円のままで変わりありません。
『色々なものが値上がりして、家族3人分の食費と雑費、本当にもう限界でした。子どもをプール教室に通わせたいと夫に言ったのですが、「行ってもいい、ただし生活費の中から授業料をだせよ」と夫は言うのです。習い事のお金まで7万の中から出したら絶対にお金は足りません。それでも「お前のやりくりが悪い」と言って話を聞いてくれないのです。私のことを「金の亡者」とまで呼びました。』
Rさんは寝ても覚めてもお金の心配ばかりするようになっていました。夫が生活費を渡してくれないということがどんな状況なのかもご自分ではわかっていらっしゃらず、自分の能力がないからいけない、自分は本当にお金のことしか考えていないので金の亡者かもしれないと悩んでいました。
「それはモラハラです。そして経済的DVです」と説明した後、Rさんがとてもスッキリした表情に変わったのが印象的でした。モラハラは精神的な暴言や無視だけでなく、Rさんのように生活費を渡さないという経済的DVもあります。
Rさんのようにモラハラ被害者だと気づかず自分が悪いと思ってしまい、経済的DVまでされている方が今もいらっしゃいます。夫の収入を知らない、収支もわからない、ただ夫からお金を渡されその金額内で生活するように言われる、足りない分は自分の貯金から補填するということは経済的DV以外のなにものでもありません。
Rさんは経済的なDVを受けていることを恥ずかしく情けないと思い両親に相談もできていませんでした。ご相談後、両親に相談しご両親はそんな状態を驚きすぐに実家に帰るように応援してくれました。
相談したことで、Rさんがおかれている状況がどんなことなのかわかることができました。1人で悩まずにご両親がいらっしゃらない方は、友人やカウンセラーに相談してみて下さい。
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