50代女性の2人に1人が高血圧。【頭痛・めまい】更年期で片づけると危険かも?
Q. 40代後半になってから頭痛に悩んでいます。ときどき、クラっとめまいのような症状も……更年期の始まり?
おっしゃる通り、「頭痛」は更年期症状のひとつです。
40代後半から50代にかけての更年期世代は、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少し、ホルモンバランスが変化することによってさまざまな不調が起こります。
エストロゲンの量は脳の視床下部という部分でコントロールされています。
更年期を迎えエストロゲンが減少すると、足りないエストロゲンを補うため視床下部が脳下垂体を通じて卵巣に命令を出しますが、機能が低下している卵巣は命令に答えきれません。
その結果、自律神経が不安定になり、「片頭痛」や「緊張型頭痛」が起こりやすくなります。
ただし、更年期の頭痛やめまいは、血圧が関係していることもあり、注意が必要です。
Q. 頭痛やめまいと高血圧はどのような関係がある?
実は、頭痛やめまいは、高血圧の初期症状でもあります。
高血圧とは、動脈内の圧力が高すぎる状態のこと。
40代になると高血圧になる方が急激に増加する(※1)といわれていて、これは動脈硬化につながり、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気の原因にもなります。
高血圧の症状には動悸や不安感など、更年期症状と似たような症状が多いので、注意が必要です。
高血圧になる原因はさまざまで、塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、ストレス、喫煙などの環境要因と、遺伝的要因が考えられます。
また、更年期症状が「更年期高血圧」を招いている場合もあります。
エストロゲンの減少し自律神経が乱れると、血圧のコントロールも不安定に。
血圧が不安定で変動しやすいなど、通常の高血圧とは異なる特徴もあります。
Q. 更年期症状と高血圧の初期症状を見分けるにはどうしたらいい?
高血圧の初期症状は頭痛のほかに、めまい、吐き気、動悸などがあります。
更年期症状の場合、血圧が不安定で一定でなく、変動しやすいのが特徴です。
また、更年期症状の場合、不安、落ち込みなどの精神症状も見られます。
しかし、通常の高血圧と、更年期由来の高血圧を専門家以外が見極めるのは難しいので、まずは定期的な健康診断を受けることをおすすめします。
女性の場合、会社で定期的な健康診断を受ける機会がない場合も多く、発見が遅れがちなので、症状が悪化する前に診てもらうことが大事です。
【前編】では、頭痛やめまいと高血圧はどのような関係があるのか? 更年期と高血圧の見分け方についてお伺いしました。
▶つづきの【後編】では、更年期高血圧の予防方法とおすすめの漢方薬について教えていただきます。__▶▶▶▶▶
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学) 神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。 世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。 ●あんしん漢方(オンラインAI漢方):
https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/
(※1)「第2部 身体状況調査の結果」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/dl/h28-houkoku-05.pdf
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