山口百恵、神話でも菩薩でもなく、ただ「かなえたかった」こととは(前編)
あの時代でも、百恵さんの母は「引退するな」と言わなかった
百恵さんと言えば、複雑な生い立ちが話題になることは多いように思います。百恵さんのお父さんにはすでに妻子がいましたが、百恵さんのお母さんと交際するようになり、おじいさんには「ちゃんとしますから」と挨拶までしていた。
百恵さんのお母さんはそれを信じて出産したのでしょうが、実際は離婚することはなく、百恵さんと妹さんを認知したものの、経済的な援助は一切しなかったそうです。お母さんは内職などをして働きますが、家計は非常に苦しかった。
百恵さんのお母さんに結婚願望があったとしたら、お父さんの行為は裏切りです。幼い子供を二人抱えて、家計は苦しく、絶望したり、自分の運命を呪ってもおかしくはない。しかし、「蒼い時」にはそういう描写は一切ないのです。
男女の不思議さと言ってしまえばそれまでですが、お父さんとお母さんの関係は、百恵さんが高校生になるまで続きます。
美空ひばり、吉永小百合、中森明菜など、娘がスターになり、莫大なカネが入ると親兄弟がおかしくなるというのは、「スターあるある」です。
ひばりのお父さんは「ひばりの父」と呼ばれたくなくて事業をはじめて失敗。吉永小百合のお父さんは、カネのなる木である娘が結婚して引退なんて言い出さないように、恋人を作らせまいと常に見張りをつけていたそうです。明菜の兄弟も明菜に内緒で事務所に借金をしては商売をはじめ、つぶしてきたなんて話も聞きますが、百恵さんのお母さんはそんなことはなかった。
百恵さんの当時の収入は億を超えていたとも言われますが、その百恵さんが「引退する」と言ったときも、まだ学生さんだった妹さんの学費だけ出してくれればと言っただけで、「引退するな」なんてことは言わないのです。
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