「一等地の地主」って、普段は何してるの? 富裕層の驚きの暮らしとは(後編)

彼女が作った店でした。ぼくは、目の前の綺麗な女の子が趣味で作った店に通っていたのです。ぼくは、お釈迦様の手の上を飛び回る孫悟空のような気持ちになり、品川の話をこれ以上続けることはできませんでした。

 

さらに、ぼくが代官山に住んでいることを伝えると、彼女は住所を聞いてきました(当時、ぼくは代官山の2畳の家に住んでいた)。「おや?家に来ようとしているのかな?」と若かったぼくは推測しました。でも、全然違った。

 

「ああ、あのあたりね。そこもあたしの土地」

 

彼女の土地でした。ぼくの行く店もぼくの住んでいるところも彼女のものでした。

 

もしかしたら、ぼくが当時使っていたスマートフォンも彼女が作ったのかもしれません。海外で話題になっていた画期的な新薬開発も彼女の仕業かもしれないし、うちの近所の駄菓子屋が改装したのも彼女が手を回したのかもしれません。

 

ぼくは目眩がしました。

 

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