
「花嫁なのに、どういうこと~?」平安貴族の結婚式。費用は花嫁が全額負担、しかも婿の両親は不参加⁉
*TOP画像/道長(柄本佑) 明子(瀧内公美) 大河ドラマ「光る君へ」24話(6月16日放送)より(C)NHK
『光る君へ』ファンのみなさんが本作をより深く理解し、楽しめるように、40代50代働く女性の目線で毎話、作品の背景を深掘り解説していきます。今回は平安時代の「婚礼の儀式」について見ていきましょう。
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一夫多妻制があたりまえの平安時代。男性から「正妻」と呼ばれる女性は特別な存在だった
平安時代、ある程度の地位がある貴族の男性には複数の妻がいましたが、正妻、あるいは北の方と呼ばれる妻が1人いるのが一般的でした。
正妻とは婚礼の儀式を挙げ、その女性を貴族社会に正式なかたちで公表します。また、当時は通い婚が一般的でしたが、男性は正妻格の妻とはある程度経つと同居します。
(『光る君へ』でも道長(柄本佑)は倫子(黒木華)と同居していますよね)
とはいえ、正妻だからといって安心できないのが平安時代。夫が自分よりも身分の高い女性と結婚すれば「はじめの北の方」などと呼ばれるようになります。さらに、同居を解消されることさえもありました。
平安貴族が行っていた婚礼の儀式の流れとは?
藤原兼家と道綱母の結婚式の記録も、道長と倫子の結婚式の記録もほとんど残っていません。
また、当時においては婚姻届のようなものはありませんでした。
当時の婚礼の儀式は妻の家で3日間にわたって催されるのが一般的でした。式当日の昼頃、婿が和歌を書いたラブレターを新婦に送ります。
夜になると、婿の行列が新婦の家を訪れます。新婦の家の近親者はこの行列を紙燭を持って迎え、婿方の火を移します。移された火は婚礼の儀式の期間中、つまり3日間にわたって灯されます。
婿が沓(くつ)を脱ぐと、沓取人が婿の沓を取ります。この役は新婦の両親のいずれかが担当するのが一般的だったそう。沓取人はこの沓を懐に入れて寝ます。婿が我が家に末永く通ってくれるようにと思いを込めていました。
婿は沓を脱いだあと御帳の中で待つ新婦のもとに行き、初夜を過ごします。翌朝早くに家に戻ったら初夜の愛について和歌を詠み、新婦に届けてもらいます。
2日目の夜も同様のことを行います。
そして、3日目の夜に新婦の父が主催する露顕(披露宴)が催されます。このとき、新郎新婦は三日夜餅(みかよのもちい)という銀の台に盛られた餅を食べます。
露顕の後、婿の同行者たちにも酒や食がふるまわれ、みんなで飲み食いしていたようです。
ちなみに、婚礼の儀式に関わる費用は妻の実家がすべて負担するのが一般的でした。また、婿の両親は婚礼の儀式に参加しないことも多かったようです。
ただし、これらはすべて貴族の話です。庶民の結婚については記録がほとんどなく分かりかねますが、婚礼の儀式のようなものはなかったと考えられています。
ちなみに、挙式が行われるようになるのは明治時代以降で、上流階級から広まったそうですよ。また、現代のような披露宴が行われるようになるのは昭和以降です。披露宴がホテルや料亭などで一般的に行われるようになるのは比較的最近のことといえます。
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