
お育ちという言葉が気になる人が「寝た子を起こさずにいるより」認識したほうがいいたった一つのこと
大ヒットエッセイ『負け犬の遠吠え』から21年。酒井さんといえば、クールな観察眼と品のいい苦言、「自らを見つめることのできる静かな鏡」のような筆致が脳裏に浮かぶのではないでしょうか。
そんな酒井さんの新刊タイトルは『消費される階級』。またもやドキリとするタイトルです。いみじくも、これらはオトナサローネにとってとても重要なテーマの一つ。酒井さんに「どうして私たちは階級・格差をついつい気にしてしまうのか」を伺いました。
前編記事『「どうして私たちは他人と自分を比べることを止められないのか」酒井順子さんが語る「超納得の理由」』に続く後編です。
時代は変わっていく。この変化は「まだ過渡期」なのか、すでに固定的なのか?
――この状態は変化の途中の過渡期なのでしょうか、それとも固定的な状態なのでしょうか。
『負け犬の遠吠え』の当時は、結婚していない人のことを負け犬呼ばわりしてしまいましたが、いまなら「独身差別」と炎上するかもしれません。では、結婚してない人が自己卑下しなくてよい世界になったかというと、そんなことはない。それなのに表向きは、結婚しない人生もありますよね、ということになっています。そのギャップが原因で世の中がつらいことになっていると思うのです。
でも、表と中身はどんどん解離し続けるわけではないのでしょう。そのうちに、表のほうに引っ張られて揃って行くのではないかと思います。
男女差別を例にとると、明治大正期はもとより、昭和初期までは女性すら「女性は男性より劣っている」と思っていて、それが法律にまでなっていました。でも、いまや法やルールが定める平等のほうに人間の感覚がだいぶ近づいていますよね。同じように、表面の部分だけでも平等に向けての努力をしていると、実際の感覚があとからついていくのではないかと思います。
自分が差別的感覚を持っていることを認識するのは、しんどいことです。でも寝た子を起こさずにいるよりは、自分がなぜこう思ってしまうのかを認識したほうがいいのではないでしょうか。理由がわかれば隠しようもありますから、認識することで意識が変わっていくこともあるかもしれません。
なぜ自分の中にこうしたものに触れたい欲求があるのか?と考えるとこによって、社会そのものが変わっていきます。
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