「これだけじゃ、生きていけない!」わずかな生活費を投げつけるように渡すだけで、給与明細を見せることを拒む夫【経済的DV】

2024.06.20 LIFE

夫の言いがかりや納得のいかない要望はエスカレートしてくる

夫はHさんに対して、「顔を見たくもないから部屋から出てくるな、顔を見なければ殴らないですむ」と言い出しました。Hさんも夫と話をするのが苦痛だったので、家事を済ませた後は子供部屋に行って一緒に勉強を見たり、自分も部屋で好きなことをする時間が心地よいとさえ思っていたそうです。

夫は自分から顔も見たくないと言ったくせに、Hさんに向かって「ケーキを買ってきたから一緒に食べようよ」と誘ってきたり、「ねー、ポテトチップ買ってきて」と猫撫で声を出したりと、態度に一貫性が全くありません。

 

『以前の私だったら、夫の言葉に一喜一憂していましたが、もう夫への期待も全てなくなったのでそんな言葉には左右されなくなっていました。』

 

態度や言葉に一貫性がないのは、モラハラの特徴です。

その理由として、妻に対しての心理的操作やコントロールがあると言われています。主な理由は以下の3つになります。

 

1. コントロールと操作
怒鳴ることで相手を怖がらせ、優しくすることで相手を混乱させ支配力を高める。急に態度を変えることで、相手を心理的に不安定にする。優しくすることで相手に希望や期待を持たせ、再び怒鳴ることで恐怖を植え付ける。

2. 感情のコントロール不足
感情管理が未熟なため、感情の変動が激しく、行動に一貫性がない。

3. 依存関係の維持
怒鳴ることで相手に恐怖感を与えて支配力を強くし、優しくすることで安心感を与えることの繰り返しで洗脳する。

 

 

妻が強くなることで、夫は言葉とはうらはらに弱気な態度を見せるようになる

『夫は生活費で渡したお金を返せと言い出しました。昔の私だったら大慌てで「お金がないと生活することができない」と夫に懇願していましたが、今は夫の言うことをまともに受け止めなくなっていました。テーブルの上の夫が投げつけた生活費をそのままにして、いつでも持っていけばいいという態度に私も変えています。買い物のたびに1万円を持っていきますが、残りのお金はそのままテーブルの上に残してあります。夫はお金を返せと言うくせに、実際には残されたテーブル上のお金はそのままです。』

 

Hさんの夫は、「自分のお金は自分のもの。絶対に渡したくない」という考えで凝り固まっています。でも、妻に脅しはかけますが、本当にお金を渡さないという事はまだありません。Hさんがいいなりにならず、態度が強くなってきたことで、おそらく妻に捨てられるかもしれないという恐怖感が芽生えてきたのでしょう。

夫が生活費をわたさない経済的DVの理由で離婚調停を申し立てる時は、婚姻費用分担調停(※)も同時に申し立てることが望ましいでしょう。

 

※ 婚姻費用分担調停:別居中の夫婦の間で,夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用(婚姻費用)の分担について,当事者間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には,家庭裁判所にこれを定める調停又は審判の申立てをすることができます。調停手続を利用する場合には,婚姻費用の分担調停事件として申立てをします。

 

出典:裁判所ウェブサイト「婚姻費用の分担請求調停」

 

 

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