更年期のせいにしてない?「食後の眠気とだるさが尋常じゃない」という人に隠れている恐怖【血糖値スパイク】
Q. 眠気やだるさで仕事になりません。ランチ後の午後はとくにつらいです。更年期のせいでしょうか?
A
確かに、更年期は食後の眠気やだるさがあらわれる原因のひとつです。更年期由来による日中の眠気は、女性ホルモンのエストロゲンの急激な分泌低下によりホルモンバランスに変化が起こり、自律神経が乱れてしまうことにあります。
昼に眠くなったり、夜に眠れなくなったりなど、慢性的な睡眠不足に陥ることもあり、生活リズムが乱れる原因になります。
しかし、眠気やだるさが決まって「食後に起こる」という場合は、更年期以外の原因が隠れているかもしれません。
Q. 食後の眠気やだるさの原因は他に何がありますか?
A
食後の眠気やだるさの原因のひとつとして、「血糖値スパイク」があります。血糖値スパイクとは、食前・食後に血糖値が変化し、急上昇、急下降を起こす現象です。グラフ上で見るとまるでスパイク(トゲ)のように見えることから名付けられました。
急激な血糖値上昇が起こると、インスリンが過剰に分泌され、眠気やだるさを引き起こします。ひどい症状の場合は意識が朦朧とし、失神することもあります。
血糖値スパイクを放置すると悪化して糖尿病を発症する可能性もあるので、きちんとした血糖値管理が必要です。
Q.血糖値スパイクは健康診断でわかりますか?
A
血糖値スパイクの症状を抱える方は、空腹時の血糖値は正常なので、通常の健康診断ではなかなか見つかりにくいといわれています。
血液検査では、過去1~2か月の血糖値の平均をあらわす「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」という数値を測りますが、HbA1cは血糖値の変動を見極めるには不向きで、血糖値スパイクかどうかを判断するのは困難です。
精密検査には、「OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)」などが用いられます。
もし血糖値スパイクの疑いがあるなら、まずは病院の内科や糖尿病内科を受診することをおすすめします。
本記事では、更年期からくる眠気と思われやすい、血糖値スパイクについて解説しました。
▶続きの【後編】では、血糖値スパイクを予防するためにはどうしたらよいのか、おすすめの漢方薬についてお届けします。__▶▶▶▶▶
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/
【参考】
済生会「血糖値スパイクを予防しよう ──糖尿病になる前に対策を!」
https://www.saiseikai.or.jp/medical/column/blood_sugar_spike/
同友会メディカルニュース「食後過血糖(血糖値スパイク)について」
https://www.do-yukai.com/medical/111.html
e-ヘルスネット(厚生労働省)「糖尿病を改善するための運動」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-005.html
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