「ひとりぼっちですけど、なにか ⁉」1人は恥ずかしい・寂しい、と思ってしまう人の「呪縛」の正体と解き放ち方
世間で言うところの「ソロ活」は、ポジティブなニュアンスで受け入れられています。「ソロキャンプ」や「ひとり焼肉」などのソロ活は流行していますよね。
コロナの影響によって、心理的に集団での行動がはばからるようになりました。友人を誘いにくくなり、その結果としてソロ活が多くなったのかも知れません。
友人たちと対面で過ごす時間は楽しいものです。しかし、そのようなコミュニケーション時間が減ってしまったことで、結果的に「ひとり時間の良さ」にも気づくことができたのではないでしょうか。
自分の時間を持つことによって、改めて自身の生き方を振り返ったり、今までおろそかにしていた趣味や、やりたかったこと、身の回りの整理ができたり……。ひとりで気ままに暮らすことの魅力に気づいた方は大勢いると思います。
メディアでも「ソロ活」の露出が増え、サービスや商品にも「おひとり様」などをうたい文句にしたソロ向けが増えてきました。一昔前までは、一人で食事をしたり、一人でキャンプをしたりするような活動は、あまり一般的ではなかったかも知れません。ところが現在では、ごくあたり前のことになり、ポジティブなイメージすらありますよね?
ソロ活とぼっち、その違いは?
一方でソロ活とは異なり、「ぼっち」と言う言葉には、不本意ながらひとりでいるというようなネガティブなニュアンスを感じます。
このとき、「ひとりである状態を自分自身で選択したのかどうか」というのが重要なカギになります。
「ソロ活」の場合は、自分自身で積極的にひとりになることを選択していますが、「孤独」や「ぼっち」の場合は、本来は、「そうはなりたくないのに、不本意ながらそうなってしまった」「ひとりになりたくないのに、そのような状態になってしまった」または、「その境遇を強いられている」というイメージを想起させてしまいます。
また、「私って、ぼっちだから〜!」などと自虐的な発言をする人も少なからずいます。また、ついさっきまで友人達と食事をして笑っていたのに、自宅に戻ってくると「誰かと話したい」「また誰かと会いたい」と、急に孤独を感じる場合も。SNSで連絡しても反応がないときも、「ひとり『ぼっち』でさみしい」という気分になる人が多いようです。
さみしさを感じるのは、脳からの信号⁉
人間は本来、誰かと四六時中いっしょにいるわけではなく、誰でも一人になる時間があるはずです。それにも関わらず、「自分はひとり『ぼっち』になってしまった」と感じてしまいます。
このようなさみしさを感じる反応は、私たちの脳に「集団から排除されたくない」「共同体の中にいたい」というアラームを発動させます。私たちの脳がこのような危機感を覚えることは、人間の進化の過程ではとても大切だったのです。
このような感情は、その場の空気を読んだり、相手の気持ちを考えたりするコミュニケーション機能がきちんと働いている証なのです。ですが、さみしいからといって友人やパートナーなどにあまりしつこくしすぎると、その関係性を失いかねないので、気をつけてくださいね。
「私はひとり『ぼっち』なのではないか?」という感情が出てきても、「人とのつながりはそう簡単には消えない」ということと、「ひとりの時間もとても大切」ということを思い出してください。
そもそも「ひとり『ぼっち』」とは?
ご存じの通り、「ひとりぼっち」の略語が「ぼっち」です。集団や組織、共同体に属すことができなかったために、ひとりで居ざるを得ない状態になってしまったという、あたかも孤立させられているような暗いイメージがあります。「ぼっち」はやむをえずひとりでいる状態とも言えます。
世間には「ぼっちは、イタイ」「ぼっちは、みじめ」「何か問題がある人なのだろう」という先入観がはびこっています。実は、そのように感じる人々のなかに「自分はひとり『ぼっち』になりたくない!」という意図が無意識に隠されている場合が多いのです。
一昔前までは独身でいる人に対して、「あの人は、どこか社会的に不適合者なのではないだろうか?」などという偏見がありました。今では考えられない感覚ですよね。
自分自身はひとりでいることを苦に思っていなくても、社会的な先入観の眼では「ひとり『ぼっち』」と見られてしまうこともあります。これには社会的な複雑で根深いものが存在しているのです。
ある研究によると2040年代の日本では、独身者が約50%を占め、既婚者は約30%になるという予測もあります。
未婚率上昇の原因としては、結婚したいと思える相手が見つからないことに加え、経済的な問題、離婚率の上昇などが考えられます。また、自分から選択して独身者を貫く層も多く含まれるでしょう。
未来では、高齢者よりも独身者が多い国になるのです。ひとりでいることがおかしいことではなくなるわけです。
本記事では、以前とくらべてひとりでいることが肯定的にとらえられるようになった令和の時代でも、やはり「ぼっち」という言葉につきまとうネガティブなイメージはどこからくるのか、についてお伝えしました。
▶つづきの【後編】では、「ひとりでいることがさみしいという感情の正体」についてお話を伺います。 __▶▶▶▶
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