「骨格診断」あなたは筒形? 楕円形? オバサン体型を防ぐ下着選び
「最近、胸が垂れてきた」「ブラのハミ肉が気になる」「バストやヒップにハリがなくなった」……。女性は歳を重ねるにつれ、下着とカラダに関するお悩みが深刻化。そんなお悩みを解消するノウハウを数多く持っているのが、下着界のレジェンドとも呼ばれるランジェリーショップ「ブティックシーン」オーナー・國保和子さん。
國保さんによると、実は下着選びによって体型のオバサン化が進んでしまったり、逆に理想の体型に近づいたりするのだとか。先日、OTONA SALONE編集部は國保さんをお迎えし、新宿伊勢丹オトマナにて『理想のカラダは下着から! 大人の下着塾』を開催しました。
体調不良はブラと関係あり!?
20代の頃は薬剤師として働いていた國保さん。当時は薬の調合作業などで下を向く時間が多く、また命に関わる仕事ゆえ緊張状態が続き、肩はパンパン、背中は一枚板を貼っているかのようにカチカチだったそう。ちなみに「なで肩だったため、仕事中にズレ落ちないよう、ブラの肩紐は常に短めに設定していました」とのこと。そんなある日、「肩こりや背中のこりなどの体調不良は、ブラに関係しているかも」と思った國保さんは、ブラ選びを徹底的に見直すことにしたのだとか。それをきっかけに下着のことを学び、ランジェリーショップ「ブティックシーン」をオープンしました。
大丈夫? あなたのブラ選び
國保さんは「女性の多くがブラ選びを間違っている」といいます。それは「ブラジャーへの8つの思い込み」があるからだとか。
1.サイズに縛られる
2.自分はAカップだと思っている
3.アンダーをきつくしてバストを大きく見せようとする
4.肩紐をきつくしてバスト位置を高くしている
5.補正はきついブラでなくてはできない
6.ラクだからとストラップレスを使っている
7.ブラは半永久的に使えると思っている
8.キレイなブラはお出かけのために取っておく
いかがでしょうか。この8つのポイント、思い当たるフシはありませんか?
巷の理想サイズに縛られないで
「正しいサイズを知らない女性が想像以上に多いんです。以前、Cの70㎝とおっしゃる女性にBの75㎝をおすすめしたら、『私は絶対にCの75㎝です‼』と泣かれてしまったことが……。私が見るにその方はBの75㎝だったんですけどね。もちろん、カップ数が大きい方が良いという気持ち、女性ですからよくわかります。でも、理想のサイズに縛られるあまり、本当のサイズを知らずにいるのは、とても危険なこと。ボディラインをどんどん崩してしまいます」と國保さん。正しいブラのサイズを知らないと、ボディラインがくずれてオバサン体型になってしまう……!
ブラ選びで重要なのは「骨格」だった
「実はあまり知られていませんが、ブラ選びの際に重要なのは『骨格』なんです」と國保さん。「筒形」と「薄型楕円形」という、2つの骨格タイプがあるのだそう。
「筒形」は、身体に厚みがあり、前から見ても横から見ても、その差をさほど感じさせない骨格。
「薄型楕円形」は、横から見て身体に厚みのない、やせた人に多い骨格。
あなたの骨格タイプをチェック!
自分は筒形か薄型楕円形か気になったかたも多いはず。さっそく、あなたの骨格タイプを次の「骨格チェック①②」で調べてみましょう!
【骨格診断チェックテスト】
1.正面から見るとアンダーバストの幅が広い。
2.横から見ると、身体に厚みがない。
3.バストのふくらみが中央に寄って見える。
4.ブラジャーのワイヤーが当たって痛いことがある。
5.バストを集めてカップの中におさめても、動いているうちにカップの外にはみ出して、バージスライン(胸の円周)の内側にワイヤーの痕がついている。
6.裸のままのアンダーバストサイズでブラジャーを選ぶと窮屈な感じがする。
7.やせ型である。
8.肩幅が比較的広いほうである。
1~8のうち、当てはまるチェックがいくつついたでしょうか? 数えてみてください。
あなたの骨格タイプを診断しましょう
チェックが4つ以上のかたは「薄型楕円形」、3つ以下のかたは、基本的に「筒形」になります。
【薄型楕円形に合っているブラ】
横から見ると、カラダに厚みがない、やせた人に多い骨格。ブラをつけると、左右に引っ張られる力が強く、ワイヤーが肋骨に当たったり、バストがカップにうまくおさまらないことが。このタイプはブラをつけ心地重視で選ぶとGOOD。
おすすめなのは、実寸よりも長めのアンダーバストサイズのブラ。ワイヤーの円周が大きめで、フロント部分のワイヤーの位置が低めのブラだと、ワイヤーが苦しくなくラクに着用できます。
*おすすめブランド:キヤ3980、ブラデリスのワイヤーの円周が広いタイプ、コットンクラブに代表されるイタリアのブランド。
【筒形に合っているブラ】
カラダに厚みがあり、前・横両方から見ても、その差を感じさせない骨格。前後左右にほぼ均等にブラの力がかかるので、カラダにフィットしやすい。ブラの選択肢も広い。また、日本人に多いタイプ。
比較的どのタイプのブラジャーでもフィットしやすいので、幅広い中から選べます。ただしワイヤーの周囲が広いカップを選ぶとバストラインが広がって、太って見えてしまうことがあるので、試着の仕上げには必ず服を着て確認しましょう。円周が小さめで高さのあるカップが似合います。
*おすすめブランド:コレール、チェスニービューティなど。
イベント参加者のみなさんにも、國保さん考案の骨格チェックリストで自分の骨格を確認してもらうと、全員が「筒形」という結果に! ちなみにOTONA SALONE編集長の浅見悦子も筒形。自分の骨格タイプが判明したところで、実際に2タイプの骨格のモデルさんに登場してもらい、國保さんによる各タイプの特徴やブラ選びのレクチャーがなされました。
下垂したバストの位置を無理に上げるのは「痛い」
「40代になって胸もだいぶ下垂してきた気がしています(苦笑)。肩紐をキツくして胸の位置を高く見せようとしてたんですけど、これダメなんですね(笑)」と話すOTONA SALONE編集長の浅見。
それに対して國保さんは「年を重ねると体のお肉は全体に下がってきます。ほおの肉も下がって柔和な顔立ちになってきますよね。そのときにバスト位置だけがキュッと上がっているのは、むしろ痛さを感じさせてしまいます」と話します。
「年齢が上がればバストポイントの位置もあまり高くしないほうがいいんです。鎖骨と乳頭を結ぶ三角形は、よく雑誌などでは正三角形と書かれていますが、それは若い人向き。40代からは縦長の二等辺三角形でいいと思うんです」
なるほど! 20~30代の理想と、40代からの理想のバストは違ってきて当然ですよね。
「それに、肩紐をキツく短くすると、肩が重くなるので猫背になりやすんです。動いているうちに背中側のアンダーベルトが引っ張られてずり上がってブラが前傾し、バストのトップは下に向くこともあります。そうすると、見た目年齢も5歳は老けてしまうんです」
優秀ブラの見極め方、3つのポイント
國保さんによると、優秀なブラかどうかを見極めるチェックポイントは以下の3つ。
1.ワイヤーブラの場合、アンダーベストを左右に引っ張る
ワイヤー付きのブラは、両手でアンダーベルトを左右に引っ張ってみる。ワイヤーが広がり、カップの形が変わるものは避けて。
2.肩紐を引っ張り、伸縮具合を確認
肩紐を上に引いて、伸縮性をチェック。フロント部分にデザイン性のある場合は、後ろのストレッチ具合をチェックしましょう。
3.カップ下の長さがカップ全体の1/2以上あるか
カップ下からトップまで、カップ全体の1/2以上あれば、肩紐で引き上げることなく、バストアップが可能。
教えて! 40代からの下着のお悩みQ&A
そのほか、正しいブラのつけ方や試着のポイント、洋服をきれいに見せる下着選びなど、ブラやガードルに関するお役立ち情報をたくさんお話してくださった國保さん。質疑応答タイムでは、参加者のみなさんからリアルなお悩みが続々登場しました。
悩み1.「ブラキャミ」ってNGなんですか?
質問「夏はブラで蒸れて肌に汗疹ができたり、ブラとキャミソールの重ね着はとにかく暑い……。だから、1枚でOKなブラキャミばかり着てしまいます。ブラをしないことで、バストに何か悪い影響はありますか?」
國保さん「確かにブラキャミはラクですよね(笑)。でも、常にブラキャミで過ごしていると、やはりどうしても重力の問題で、胸は下がったり、左右開いてしまいがち。だから、できるだけ、ブラをきちんとつけてほしいですね。実は夏でも快適につけられるブラは色々あります。たとえば、カップの裏地がコットンになっているものなど。汗を吸収してくれ、また肌触りも良いので、夏でも快適です」
國保さん「また、『縫い目が当たる&汗で肌がかゆくなる』なんていう問題があれば、一枚布でできた縫い目のないシームレスブラがおすすめです。もちろん、ブラキャミが悪いということはありませんので、T.P.O.に合わせて使うのがいいと思います。私自身、出張で飛行機に長時間乗るときなんかは、ブラキャミを着用することもありますよ」
悩み2.寝るときにブラをしないと垂れますか?
質問「夜、寝るときもブラをした方がいいのですか? 専用のナイトブラなども登場していますが……」
國保さん「『ブラをしないと、胸の形が崩れる』と考える方もいますが、私は寝ているときはブラを外すことをおすすめしています。就寝時は重力の影響が少ないので、ブラからバストを解放してあげ、リラックスさせてあげるのが一番。締め付けがないため、血液循環もよくなり、リンパの流れもスムーズになります。不測の事態が気になる方は睡眠を妨げない、締め付けのない柔らかい素材のブラを身につけるといいでしょう」
悩み3.ガードルはどの部位で選んだらいい?
質問「ガードルに関する悩みです。ウエスト、ヒップ、太もも、どこの部位に合わせて選ぶのが正解ですか?」
國保さん「ガードルはもちろん、ショーツを選ぶ際にも言えることですが、“一番太い部分のサイズに合わせる”のが大切です。ただし、一番太いウエストに合わせて選んだら、太ももがゆるゆるになってしまうなどの問題があれば、サイズだけでなく、デザインも考慮してみましょう。この場合はショーツ型のガードルにすることで、太ももの問題は解決するはず。決して、小さいサイズのものを無理に履いて、体を締め付けないようにもしてください。お肉の段ができてしまい、取り返しのつかないことになりますから」
肉質が柔らかいからこそ、ブラで体型をステキに
最後に、國保先生から40代からのオトナ女性にむけてメッセージをいただきました。
「胸にボリュームがあるなし関係なく、女性ならいつまでも美しくありたいもの。今や、日本の女性は100才まで生きると言われていますから、なおさらです。歳を重ねれば、当然のようにボディラインは変わりますし、肉質も変わります。でも、肉質が柔らかくなった大人だからこそ、ブラの選び方次第で、自由自在に形を整えることができるんです。また、『歳だから』と真っ赤なお洋服は着られなくても、赤いレースの下着はいつだって着られます! お気に入りのデザインや色の下着を身につければ、心が明るくなりますよ。みなさんが下着選びを見直すことで、豊かな毎日を過ごせることを祈っています」と國保さん。
國保さんのお話を聞いたOTONA SALONE編集長の浅見は「ここ最近、新しい下着を買っていませんでした。ギャル誌編集者時代にデザイン&色重視で買った若者向けブランドのブラを今もなお使っていた自分を反省……。もちろん、若いときはそれで良いですが、今の自分にはNG!だと今日気づけてよかったです! 早速、自分に合うブラを見つけるべく、國保先生のショップにもお邪魔したいと思います‼」と晴れやかな表情。
みなさんも、ブラをはじめとする下着全般に関するお悩みを解決したいなら、國保さんの著書をぜひチェックしてみては? 下着選びが変われば、今までのボディラインが驚くほど変わるはず!
※このセミナーはOTONA SALONE×伊勢丹会館オトマナのコラボで2017年10月19日に行われました。
11月、12月にも、「やせる収納」「解毒こぶしマッサージ」などのコラボセミナーが行われる予定です。
■webでの申し込みはコチラ
■電話での申し込みは
新宿店本館6階=時の場 ☎03-3225-2811(受付時間 午前10時30分~午後8時)
講座会場:伊勢丹会館5階オトマナ
『大人女子はブラ・ショーツで体形を変える』(主婦の友社/1,200円+税)
体形の変化が多いに現れる40代以降、下着で理想のカラダをキープするためのブラ・ショーツに関するノウハウをギュッと詰め込んだ1冊です。イベントでも実施した自分の骨格を知るためのチェックリストをはじめ、ブラの選び方、試着のポイント、ショーツとガードルの選び方、洋服をきれいに見せるブラ選び、体のパーツ別お悩み解決法など、充実の内容。読んで、そして実践すれば、「ダイエットした?」と周囲から思われるほど、あなたのボディラインが変わるかも。
國保和子(ランジェリーショップ ブティックシーンオーナー)
薬剤師を経て、1990年に東京にランジェリーショップ「ブティックシーン」をオープン。以後、30年近くに渡り、数々のバストとヒップを救ってきた下着界のレジェント的存在。現在は、青山一丁目にブティックシーン青山店を構える。www.boutiquescene.com
撮影/黒澤俊宏 取材・文/濱田恵理 イラスト/湯浅望
出典:『大人女子はブラ・ショーツで体形を変える』
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